転生してクラウドになった
序章の段階で想像していた「よかった方」の10倍以上の方に読んでいただき、大変感動しています。
本話から、本編に入ります。
「うううっ!」
痛みで呻き声をあげてしまう
「司祭様!意識が戻った様です!もう一度、もう一度でいいから回復魔法をお願いします!」
「承知致しました。強打したと思われる頭を中心にかけてみましょう。」
「ハイヒール!」
痛みが引いていく
「こ、ここはどこ?」
「ああ、クラウド、大丈夫?痛い所は無い?」
ああ、俺は転生したんだったな。確か神様が言ってのは、テルギニア王国アムド伯爵領領都アムドニアのアインズ商会長アインズの3男クラウドだったけか。この女性は誰だろうと思っていると
「クラウド分かる?お母さんよ。」
そういや記憶の引き継ぎは無いんだったな、どうしものか?っと考えていると男性の声が聞こえた。
「頭を強く打った為、まだ意識が混濁しているのかもしれません。最悪は記憶喪失の可能性もあるかと思われますが、回復魔法では記憶までは戻せないので、暫く様子を見られるのが良いでしょう。」
「記憶・・・・・・喪失・・・・・・」
力無く母と名乗った女性が呟いた。
「司祭様。ありがとうございます。
記憶が無くなっていてもこの子がクラウドである事に変わりは有りません。
今回は御無理を申し上げて何度も回復魔法を使って頂きありがとうございます。」
「いえいえ、一度意識を失い呼吸まで止まってしまったのに回復したのは神の思し召しでしょう。
私めはただ回復魔法をかけたのみです。暫くは、養生して様子を見た方が良いと思われます。」
どうやらこの男性の声は司祭様の様だ。
「エリス、アインズを呼んで来て頂戴。」
「かしこまりました。奥様」
暫くして足音が聞こえてきてドアが開いた。
「クラウドの意識が戻ったと聞いたぞ。容体はどうだ?」
「まだ意識が混濁している様で、最悪、記憶喪失の可能性もあると司祭様が。」
「そうか。暫くは養生させねばな。司祭様、今回はお忙しい中ありがとうございます。
別室でお話し頂ければ幸いです。その間に御寄進の用意もさせましょう。」
母が呼んだという事はこの声の男が父親のアインズか。
「ティファ、司祭様と話をしてくる。クラウドの様子を見ていてくれ。
この時間だとそろそろマファミの勉強が終わるか、エリス、マファミの事を頼むあれもクラウドの事で気落ちしていたからな。安心するだろう。」
「ええ。」
と母の声が聞こえたティファと言うのか。
マファミは誰だろうか?勉強していると言う事だから兄弟かな?
いろいろと指示を受けている事から察するにメイドか商会の人間だろうと想像する。
「かしこまりました。」
とエリスと思われる女性が返事をして出て行った。
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「上手く転生出来た様だの。さてこれからどうなるか楽しみだの。たまに様子を見るとするだの。
さて、次は誰を転生されるかだの。」
神様は様子をのぞいていた様だが、転生させるのは浦尾蔵人だけでは無いらしい。
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「クラウド、今はお休みなさい、そばについていますからね。」
と母の声が聞こえた。
状況を整理するのにも、周囲の人間関係などの情報が少な過ぎる。
神様から聞いた情報を思い出しながら眠った。