能力を決めよう
「さて、話を聞いてくれて『DICE』のあらましもわかってくれたと思うし、転移始めようだの。」
「待ってください。」
話を遮る
「転移先の環境やステータス、スキルについてもっと詳細に詰めましょう、お話を聞いた限りだと、冒険者になってどう生活していくかが転移先によってはかなり限られてしまうので、こちらからも条件を出させてください。
いきなり、貧民や孤児、奴隷だった場合、いくらステータスやスキルに恵まれていても思うようにいかせないと思いますので。」
「ふむ、それもそうだの。でどんな条件だの?」
「1.学校に通える環境にしてほしいです。
『DICE』の状況をよく知ることで、冒険者になってからの立ち回りが変わってくると思います。
2.学校に通えるということは貴族か富裕層になりますが、跡継ぎににはならない立場にしてください。
跡継ぎになったら、冒険どころじゃなくなりますから。
3.ステータスですが、全てエリートレベルにしてください。
まだ、どんな冒険者になるか決めていないので、どのような職種にでもなれる状態にしておきたいです。
努力でどうにかなりづらいステータスがあった場合、エリートレベルにしておいてください。
4.スキルですが、魔法と剣・盾、言語理解は読み書きレベルで使えるようにしてください。
理由は3と同じです。
最後になりますが。
5.スキル判定の結果が分かるスキルを下さい。
パッシブスキルだと生活の上で面倒なことになりそうなので、アクティブスキルでお願いします。」
5番目の条件を話した時、神様が難しい顔をした。
「1番目と2番目の条件は良いだの、3番目と4番目の条件もまぁ良いだの、ただ、麒麟児とか1000年に一度の逸材とか言われて騒がれるとは思うだの。ただ、5番目はの~そんなスキルは存在しないのだの。」
「じゃあ、サイコロ転がして作ってくださいよ、判定に成功すれば『DICE』に介入できるんでしょ?」
「いや、それだけじゃなくてスキル鑑定装置で表示されたら大ごとになるだの。」
「じゃあ、スキル鑑定装置を改造して、本人以外は不可視のスキルにしてください。サイコロ転がせばできますよね?」
「いや、できなくはないがのう・・・・・・。」
「やってくれないなら今回の転生の件見送らせてください。」
「いや、ちょっと待つだの、転生者選んで、転生先の魂の器と条件の合う子を探すのにどれだけ苦労したと思ってるだの?」
「神様がいろいろと調査して回った苦労と、今回ちょっとスキルを作って、ちょっとスキル鑑定装置を弄る苦労。
どちらが多いかわかりませんがこの条件は重要です。
冒険者になることは決定していますから、旅の途中での食事なんかで採取したものを食べようとして、毒キノコとか食べて当たって目的も果たせなくて死んでも知りませんよ?
それが容易に想定されるから、5番目の条件は存在しなかろうが、ぶっ壊れと罵られようが条件を飲んでくれなければ転生はしません!」
神様はこちらを、長く伸びた白髭をなでながら、チラチラと見ながら考え込んでいる。
しばし時が流れる。
「分かったの、その条件を飲もう新しい転生者を選ぶのは面倒すぎるだの。」
勝った。これで転生できる。
「では準備を始めるだの。」
まずは転生後のステータスじゃがこんなもんじゃろとステータスを書き出した。
名前: 浦尾蔵人
基礎ダイス:8d1
レベル:1
経験値:未定/100
職業:なし
称号:なし
ステータス
HP:未定
MP:未定
体力 :1~5(成人までに18に成長)
頑強 :1~5(成人までに18に成長)
素早さ:1~5(成人までに18に成長)
器用 :1~5(成人までに18に成長)
知性 :1~5(成人までに18に成長)
精神 :1~5(成人までに18に成長)
魅力 :18
幸運 :18
ステータスポイント:0
所持金:0
所持品:なし
スキル
言語理解:20
剣術:10
盾術:10
魔法:10
【判定チェック:150】(本人以外は不可視)
加護:なし
「こんな感じで問題はないだの、ステータスに幅があるのは、転生先が赤子か幼児かまだ決まってないからだの。未定の所も同じだの。」
「基礎ダイスって何ですか?」
「レベルアップした時にステータスポイントがふられるんだの、それを決めるんだの。
ダイスは4dから8dまでのいずれかが生まれた時に決まってるんだの。ダイスの数は一個だの。ほとんどの人間は6dだの。
振られたステータスポイントを使ってステータスを伸ばせるんだの。
HPとMPは1ポイントで10増えるんだの。
それ以外は1ポイント1伸びるんだの。じゃから運が良ければレベルアップごとにかなりのスピードで成長できるんだの。それ以外は1ポイント1伸びるんだの。じゃから運が良ければレベルアップごとにかなりのスピードで成長できるんだの。
ステータスは20歳くらいまでは自動で増えていくんだの、どこまで上がるかは生まれて時に資質として決められているんだの。」
「スキルの10とか20、150って何ですか?」
「スキル判定に使う値だの、(関連するステータスの1/2 + スキル値)× 難易度を目標値に100d1の結果以下なら成功になるんだの。
10というのは初学者や才能の有る子に最初に現れる数値だの。
100d1が100の時は必ず失敗になるだの。
ただし、目標値が100以上の場合、失敗しても前回目標値の75%が新たな目標となって再度判定ができるんだの。
100が失敗扱いだから救済策だの。150あればほぼ失敗はないだの。これで満足かだの?」
「大丈夫だ、問題ない。」
「それじゃ、始めるだの。」