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流星が運んできた記憶

作者: 霖しのぐ

「流れ星といえば願い事だよな!? 美月は何お願いするんだ?」


「私は別に……勉強で起きてるだろうし、一応見てはみるけど……うん」


 同じクラスにいる幼なじみの長田 耀(おさだ あきら)からの問いかけにぼんやりと返したのは高谷 美月(たかや みづき)。クラスの賑わいから背を向けるように、机に広げた数学の教科書から目を離さないままだ。


 ここはとある地方にある高校。その日の休み時間の教室は、とある話題で持ちきりだった。今日は朝からテレビもネットも同じような調子。


 百年に一度の周期で訪れる流星群。それが今夜遅くに極大を迎えるという。幸運なことに今日は天気にも恵まれているので、今世紀最大の天体ショーになることは間違いないという。


 男子も女子も、大人も子供も等しく関心を抱く出来事はそう多くはないだろう。ここ数日はそれぞれの分野における星々にまつわる話を、授業そっちのけで語る教師も一人や二人ではなかった。


「うーん、やっぱ美月はそういうの興味なさそうだな」


「だって、たくさん降るって言っても、せいぜい一時間に二個とか三個でしょ? 眠くなっちゃわないかなと」


「なるほどな……まあ、美月らしいな」


 幼馴染が苦笑いで返したのを、美月は右から左に聞き流した。



 ◆



 その日の夜、勉強に一区切りつけた美月。窓から空を見上げると、昼に聞いた話の通り、紺青の空に流星が途切れることなく降っているのが見えた。


「すご! また来た! あ! 今度は大きい!」


 興味などなかったはずなのに、次々と降る流れ星を目の当たりにすれば、さすがの美月の心も浮き立った。しばらくは歓声を上げながら窓に張り付いていたが、ふと耀が言っていたことを思い出し、せっかくなので願いをかけてみることに。


 柄にないと思いながら、それらしく指を組み目を閉じてみる。しかし肝心の願い事を思いつかない。そのまま首を数回捻るが、やはり思いつかない。


 一生に一度の機会かもしれないのにと、諦めず頭の中を探ってみる。私には別に好きな人もいない。欲しいものも今のところはない。成績だってこんなものに頼らなければならないほど悪くはない。願うならば世界平和か、よし。


 願い事を紡ごうとした美月は、誰かに知らない名前で呼びかけられる。なぜかはっきり自分のことだと認識した。目を開くとそこはまったく見覚えのない場所。目の前には夕陽を背にたたずむ人が。


『会えなくても、ずっと愛しているから』


 その言葉を合図にしたように、頭の中に記憶がなだれ込んでくる。


 それは、前世(まえ)の記憶だった。


 あの人は、かつて心の底から愛していた人。束の間の温かい時間をともに過ごしたが、どうしようもない力に引き裂かれて二度と触れられなくなった人。


 星が瞬くたびに場所や時間をスライドショーのように何度も変えながら、美月は記憶の中を飛んでいく。


 別れの後、いつかは同じ空の下にと流星を見るたび願いをかけたこと。そして死後にたどり着いた始原の場所で、彼の魂と再び出逢ったこと。彼もまた、同じように祈り続けていたということ。


 幾重にも重ねられた願いが、ふたりを引き寄せ、そして同じ世界に導いた。今度はより近い所へと。


 たとえ入れ物が変わってしまっても、(なかみ)は同じ。美月には分かってしまった。姿も声も全く違うけれど、隣に住む幼なじみの耀が彼の今世(いま)なのだと。


「うそ、私……あいつと?」


 目の前の景色はいつのまにか自室に戻っていた。見上げた空にはなおも、星がいくつも流れつづけている。美月の目から、そのかけらのように涙がひと粒こぼれて落ちた。



 翌朝。気まずくて顔を合わせられない。美月はそう思った。なぜなら今のふたりは恋仲どころか、家が隣同士のただの幼馴染だからだ。美月は徹底的に耀を避け続ける日々を送った。


 うっかり玄関先で会わないよう登校時間をずらし、休み時間も話しかける隙を与えず、学校内でもよく考えて動いた。


「美月、学食行かないって、今日も()()()?」


「ごめんごめん! 教室でパン食べる! また今度誘って!」


「あの美月が、そういうのを信じるようになるなんてね」


 これは学食の方に耀が向かったのが見えたからだ。こんなふうにお告げが占いがと言い訳をして、急に行動を変えたことで友人にはたいへん不審がられた。しかし気持ちの整理がつくまでは、極力顔を合わせずにいたかった。背に腹は変えられない。


 しかし、隣家に住む耀は、美月の帰宅を見透かしたかのようなタイミングで外に出てくるように。


「美月、あのさ」


「ごめん、今日は友達と約束してるから。また今度」


 呼びかけを軽くかわして玄関に滑り込む。そうして逃げ続けること一週間。


 部活を終えた後、帰途についた美月はとうとう耀と校門の前で鉢合わせしてしまった。耀は帰宅部なのに、こんな時間まで何をしてたのだろう。見えなかったフリをして早足でやり過ごそうとした美月を、耀が呼び止めた。


「なあ美月。今、帰り?」


「う、うん」


「一緒に帰らないか」


 まだ心の整理がついていないのに、もはやここまでか。観念した美月はうなずいて、ふたり歩きだした。長く伸びた影がしだいに消え、空は茜色から夜の闇へと傾こうとしている。


 こんなふうに並んで歩くなんていつぶりのことだろう。耀がかつては恋人だったことを思い出してしまった美月は、手のひらにかく汗を時々拭いながらそわそわと落ち着かない。


 会話らしい会話もないまま、小さい頃によく遊んだ公園の前に差し掛かった時、耀は急に足を止めた。


「ちょっと、寄って行かないか」


「ん、いいけど……?」


 耀は赤く焼けた空を背に美月をまっすぐに見据えている。記憶の中にある前の姿と重なったのを、美月は必死で打ち消した。


 目の前にいるのは間違いなく耀だ。しかし彼が真剣な顔をしている理由、近ごろたびたび呼び止められていた理由も気になる。そろそろテストも近いから、ノートでも写させて欲しいのだろうか?


 美月はそんなことを考えながら、耀に続いて車止めのポールをかわし公園に入る。


 そこはいわゆる児童公園だが、子供はとっくに家に帰っている時間で、すっかり人影が消えてしまっている。点いたばかりの外灯に浮かび上がる遊具。久しぶりとはいえ馴染みの場所のはずなのに、異世界にでも迷い込んだようだ。


「どこかに座ろうか」


 耀にそう言われ、一番近いベンチを視界に入れながらも、美月は反対方向に顔を向ける。


「じ、じゃあ、ブランコにしよう! 座れればいいよね!」


「え? あ、ああ。そうしようか」


 無駄に声を張り上げ、美月はブランコに向かって駆ける。これならベンチと違い、顔を近くで見ずに済むと端の台に座る。耀もその隣に。


 耀はそのまま暮れた空を見上げ、じっと黙っている。美月はそんな耀を見て、気まずさをごまかすためにブランコを漕ぎ出した。


 どっちが高く漕げるか競争しよう……ここでふたり遊んだ時のことを思い出しながら、美月は空に駆け上がっていく。制服のスカートが少々はだけても気にしない。耀に対して恥じらいなどは持っていないからだ。


「なんか、懐かしいね。昔、ふたりして靴飛ばして人に当てちゃって、怒られたことあったっけ」


「そうだな」


 大きく前に後ろにと揺れながら思い出を語るも、相変わらず強張った顔のままブランコを所在無げに揺らす耀。


「そういえば、どうしたの? ノートくらいならいつでも写させてあげるけど、お金は貸せないからね」


「違う、そうじゃない!」


 思いのほか大声で答えられたことに驚いて、美月は慌てて足でブレーキをかけて止まる。耀は真剣な顔。土煙が微風に流れ、暗がりへと消えていく。


「え、ちょっと。どうしたの?」


 うろたえた美月に応えるように、耀はギリとブランコの鎖を握りしめ、大きく深呼吸をする。


「ずっと好きだった。俺と付き合ってほしい」


「え!? ちょっと、やだ。ごめん、無理」


 耀の口をついて出たのはまさかの愛の告白。想定外の事態に混乱した美月はブランコから飛び降り、鞄を引っ掴むと逃げるように家路を急いだ。耀がどんな顔をしていたのかは分からない。美月は一切振り返らなかった。


 私のことが好き? そんな素振りなど今までひとつも見せなかったのに、何を突然。


 美月は家路を駆けながら、耀のことを考えていた。隣同士に住んでいて親同士も仲が良く、産まれた日も近い。だから自然と兄弟のように育ったふたり。


 幼い頃はいつも手を繋いで歩き、少し大きくなってからは泥だらけになりながら野を駆け、日が暮れるまで遊んだものだ。いつしか壁ができて共に過ごすことはなくなったが、異性であることを意識する歳になれば、当然のこと。


 確かに小さい頃には互いに『いつか結婚するの』なんて言っていたものだから、近頃は周りの人間には『いつ付き合うの』などとからかわれていた。しかし、その度に耀は必死に否定していたし、美月だってそう。


 唐突に告白されるなんてあまりにも不自然だ。そこで美月はある可能性に思いいたる。きっと耀も自分と同じように流星に記憶を運ばれ、その通りに行動したのではと。


「じゃないと、おかしい。私を好きになるはずがない」


 私はあんなものを見るまで、耀のことを意識したことなんかなかったんだから。美月は心の中だけで言うと自室に駆け込み、ベッドに飛び込んだ。


 荒くなった息を整えながら枕に顔を埋めると、唇を重ね、身体を繋げた記憶が鮮明に浮かんでくる。たまらなくなった美月は両足をばたつかせた。


「ああもう! なんなのこれ!!」


 実際にそんな経験があるわけではないのに、あまりにも生々しい記憶。それにどこかの知らない人間ならいざ知らず、相手は姿形は変わっているとはいえ隣の家に住む耀だ。


 ひとしきり枕を叩いた美月は普段よりもはるかに速く打つ胸を押さえる。耳だって焼けるように熱い。


 気にしちゃいけない、だって今は違う人間なんだからと、美月は首を振る。魂は同じなのかもしれないが、今は互いに姿形も違う。心だって別のはず。だから好きになる必要はない。


「でも、振るにしたってちょっと酷い言い方だったかも」


 告白の前に見せられた耀の思い詰めた顔がよぎり、美月は冷静さを取り戻した。罪悪感に胸を潰されそうになる。どちらにしても、逃げたことは謝らなければならない。明日きちんと話をしよう、そう腹をくくった。



 ◆



 翌日、美月と耀は学校の屋上にいた。雲ひとつない空とは対照的に、ふたりは曇った顔で向かい合う。


「昨日は逃げてごめん。でも耀のことはそういうふうに見られないかな」


「わかった」


 二度目の拒絶を受ける形となった耀は、絞り出すようにつぶやいてうつむいた。


「でもどうして突然、告白なんて。だって今までずっと」


「突然じゃない。ずっと前から言いたかった。きっかけは恥ずかしくて言えないけど」


 真っ赤になってうつむいた耀を見て、美月は確信する。やっぱりそうだ。きっと前世の記憶に引っ張られているだけ。美月だってそんなものを思い出してしまったことなんて、恥ずかしくて言えたものではない。耀はためらいがちに口を開く。


「手を握ってもいいか。それで諦めるから」


 底抜けに明るい彼らしくない、切なそうな表情に面食らった美月は、そのくらいならと願いを受け入れた。小さい頃はよく手を繋いで歩いていたので、さほど抵抗がなかったのもある。


 差し出した手をうやうやしく受け取られ、そっと壊れ物でも扱うように握り込まれる。微かに震えていて熱い手のひらは、離れていた間にすっかり大きくなって、美月の手をすっぽり隠してしまう。


「なんか、ちっちゃくなったな」


「あんたが私以上に大きくなっただけ」


「ああ、そっか」


 自分の手を握った耀が幸せそうに顔を綻ばせている。そのことに気づいた美月の喉元がきゅっと締まった。胸にあふれるあたたかい気持ちは、このまま離れてしまうのが名残惜しいと感じる気持ちは、どちらの私のものなのだろうか?


「わがまま聞いてくれて、ありがとうな」


 手が離れる瞬間、かつての別れの時と同じ痛みが胸をはしった。痛い、寂しい。行かないで欲しい。単に記憶に振り回されているだけかもしれないが、これで最後にして本当に後悔しないか。美月は一瞬だけ考え、そして。


「待って!」


 去っていこうとした耀を呼び止めた。





『勝手言ってごめん。好きになれるまで、少しだけ待って欲しい』


 そんな美月の申し出に耀が頷いたことで、ふたりの交際が始まった。


 でも、ぎこちなく手を繋いで歩き、誰もいなくなった夕暮れの公園でブランコを揺らしながら話すだけ。どちらかというと、子供の頃に戻ったのに近かった。耀が求めていたのはこういう関係ではないとは分かっていても、美月はまだ全てを受け入れられない。


「今は一緒にいてくれさえしたら。ゆっくりでいい」


 話をするたびに無邪気に笑ってくれる耀を見ているうち、少しずつ彼を愛おしく思う気持ちが濃くなっていく。そんな夢見心地のままに、このまま全てを受け入れてもいいかもしれないと思った。


 なのに、恋仲になってから見せられた仕草や表情のひとつひとつが、記憶にある前世(まえ)の彼と重なるたびに目が覚めてしまう。そうなってしまうのは、姿形は違っても魂は同じだからだろう。


 突然の告白、いや、耀は『ずっと前から』と言った。ずっと前、前世からだということだろうか。魂に惹かれているだけならば、別に入れ物は私でなくてもいい。だから耀が好きなのは私ではないかもしれない。考えるたびに暗い感情に沈み、涙を流す夜も増えてきた。


「ちゃんと、好きになれたのにな」


 美月は小さくつぶやいて、その日も耀を思い枕を濡らす。今の自分は前世(まえ)の自分とは似ても似つかない。そのことにひたすら胸を痛め続けていた。



 ◆



 ふたりはいつもの公園にいた。今日はブランコではなく、街灯の明かりに浮かぶベンチに並ぶ。季節は冬に変わり、陽が落ちるのが早まったいつもの公園はすっかり夜闇に包まれて、白い息もすぐに溶けていく。自販機で買った飲み物でふたり暖をとりながら、肩を寄せ合うように腰かけていた。


 一番星が灯る濃紺の空を見上げ、何かを探すように首を左右に動かす耀。美月はなんとなくその理由を察していた。


「今日も流星群らしいな。前のやつよりはだいぶ少ないみたいだけど……見られたりしないかな」


「うん。見られたらいいね」


 そう答えはしたが、美月は少し複雑だった。これはあの流星のせいで始まった関係。だけど、その流星が運んできた記憶のせいでずっと思い悩んでいたのも事実。美月は握りしめていたホットココアを飲んで、深く息をつく。耀は流星を探すように空を見上げたままだったが、しばらくして美月の方を向く。


「俺さ、前の流星群の時、『美月と付き合いたい』って願ったんだよ。それでちゃんと叶うんだから、流れ星ってあなどれないな」


 美月は息を飲んだ。やはりあの日、耀も自分と同じように星空を見上げていたのだ。心臓が早鐘を打つのを押さえつけるように、残ったココアを一気に飲み干し、空き缶を一度足元に置く。確かめるなら今だ、そう思った。


「その時、前世の記憶を、思い出したりはしなかった?」


『前世での恋人だったから好きになった』そう言われることを美月は今は一番恐れていた。あの時に同じように記憶を取り戻し、魂に惹かれただけで、入れ物(わたし)はどうでもいいと思っていたとしたら。自分は耀が好きなのに、気持ちがすれ違ってしまう。


「……え、なんだそれ? そんなの信じるタイプだなんて、意外だなあ」


 目を丸くした耀に、美月は肩透かしを喰らった気分だった。なんと耀は特に何も思い出していないらしい。とぼけているのかと思ったが、そういう取り繕いができるような人間でないことを、美月はよく理解していた。


「いや、えっと……」


 前世だの運命だの。考えてみれば、おとぎ話を本当のことだと信じてるみたいだ。馬鹿だとか思われなかったかな。別の意味で胸が騒ぎ目が泳ぐ美月。耀は腕を組んで何かを考えている。


「うーん、前世か。ああ、前に毛虫だって言われたことあるな、姉ちゃんの友達に。霊感あるらしいからホントかもしれないけど、どうなんだか」


「えっ? 毛虫……? あ、でも、言われてみればそれっぽい、かも……」


「だろ!」


 自らの短めの黒髪を差しながら耀はケラケラと笑う。しかし美月はそんな彼の前の姿を知っている。白髪に近い銀髪にすみれ色の瞳。細い長身をいつも黒の外套で包んでいた。


 いったいどこの国の人だったんだろう。見た目だけなら、前の方が好みかも……そんな意地悪なことを考えているうちに、すぐ目の前に耀の顔が迫っていた。美月はかっと熱くなった耳を押さえた。


「どうした?」


「な、なんでもないっ」


 魂は同じとは言え、他の男の人のことを考えてましたとは言えなかった。


「……昔から慌てたりすると耳赤くなるよな、美月は。そこも可愛いんだよな」


 そうささやくように言うと、さらに顔を寄せてくる耀。自分でも気が付かなかったことを指摘されたうえに可愛いとまで。美月は目を逸らし、顔まで赤くする。目を回しそうだった。


「ちょっと、恥ずかしいこと言わないで」


「ずっと可愛いと思ってた。他のやつに取られなくてよかった」


 美月はやっとの思いで目を合わせた。丸い焦茶色の瞳に映るのは見慣れた自分の顔。そうか、この人はずっと()を見ていてくれたんだ。ようやく気づいた美月はゆっくりと目を閉じた。


 耳を押さえたままの手に耀の手が重ねられる。すっかり冷えていたところに温もりが染み渡ってくる。さらに距離が近づいてくる。この後に起こることは、さすがの美月にも分かった。


 そっと唇を重ねられる。短くて、そのうえ触れるだけ。それなのに、湧き上がってきた幸せに身が焦げた。前の私も今の私も、きっとこの日を待っていた、そう思った。


 涙をこぼしそうになったのをこらえ、そのまま目の前にある広い胸に顔を埋めた美月。抱きつかれた上に、小さく鼻をすする音をとらえた耀は肩を大きく揺らして慌てる。


「やべ! やっぱ泣いてる!? ごめん!! 嫌いにならないでくれ」


「大丈夫。ならないよ。ずっと愛してる」


「……え!? あいし……!?う、嬉しい!!」


 真っ赤に茹で上がった耀が驚きの声を上げたその瞬間、空に一際明るい星が流れた。これはきっと、新しいふたりに贈られた祝福の輝き。


(終)

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