9th LIne はいぱーいんふれっ!!
「ッハ!!」
俺は起きると、VRのヘッドセットをつけたままベッドに寝ていた。
おそらく、あの激痛の後、緊急ログアウトのような声が聞こえたので、それでログアウトして、そのまま気を失ったのだろう。
時計を見ると、午前の4時だった。
まだ朝食には早すぎる時間帯だ。
なので俺は、またGLOにログインすることにする。
ん?あんなに痛いことがあったのになんでそんな早く入るのかって?
俺が昨日畑に帰ってきたときに見た現実時間は午後10時。
今が4時だから、現実世界で6時間。つまりあっちでは12時間過ぎているわけだ。
だからもう痛くないだろうし、早く強くなったステータスを見てみたい。
閑話休題
◇
ログインしました。
まず初めに目に入ってきたのは、一面真っ白な薬草畑だった。
見事に、植えた畑二枚分に緑が生い茂っていた。
取り敢えず、前回、鬼のように等価交換を使ったことで、レベルが10になって獲得した、造技『下位変換』で大量の薬草を一度で何本も種にして、余っている畑に植えていく。
これで、畑4枚分が埋まった。
畑仕事が一段落したので、お待ちかねのステータスチェックに入る。
NAME セイ
種族 人蜘蛛
Lv 20
ステータス詳細 ▲
HP 200 MP 280
STR 54 VIT 1 AGI 70
INT 116 MEN 35 DEX 127
スキル一覧 ▲
武器スキル
↳ 弓術:Lv30 剣術:Lv20
生産スキル
↳ 鍛造:Lv1 加工:Lv1 皮革:Lv1
木工:Lv1 調合:Lv20 合成:Lv10
錬金:Lv10 料理:Lv1 採取:Lv15
農耕:Lv1 伐採:Lv1 解体:Lv1
魔法スキル
↳ 付与:Lv1 闇魔法:Lv1
補助スキル
↳ 望遠:Lv30 目測:Lv30 暗視:Lv30
隠密:Lv1
種族スキル
↳繰糸:Lv1 創糸:Lv1
固有スキル
↳適合:Lv_ 変幻自在:Lv1 透明化:Lv_
SP 22
称号一覧 ▲
狙撃手 闇に住まうもの 先駆者 人外 殺し屋
「………。………………は?」
こういう反応になってしまうのも仕方ないのではないだろうか。
だって前回見たステータスと違いすぎるのだから。
いつの間にかDEXとINTが三桁に突入していたのだから。
まあ取り敢えず新しく獲得したスキルや称号についてみてみよう。
先駆者
初めて種族が変化したものに与えられる称号。10000Gの付与、1SPの付与及び固有スキル『適合』の付与。
人外
亜人や人族以外の人ではない種族になったものに与えられる称号。10000Gの付与、1SPの付与及び固有スキル『変幻自在』の付与。
殺し屋
補助スキル『隠密』を初めて獲得したものに贈られる称号。10000Gの付与、固有スキル『透明化』の付与及び1SPの付与。
適合
様々なものに適合できるようになる。
変幻自在
姿や形を変えることができる。Lv1では、形のみ変化できる。しかし形だけはその魔力波長をもつ物にしかなれないため、現在は、蜘蛛型、人蜘蛛型、人型のみ。
消費するものはなく、一度かけると、使用者が解くまで永遠に発動し続ける。
隠密
気配が極限まで薄くなる。音や匂いも極限まで薄くなる。
透明化
透明になることができる。
固有スキル
数が少なく、高い効果を持つスキル。基本的に同じスキルを持つ人数が極めて少ない。封印系スキルによって封印されない。
種族スキル
その種族は全員が持つ種族固有のスキル。封印系スキルによって封印されない。
操糸
自分が触れている糸を操ることができるようになる。
創糸
魔力によって、さまざまな種類の糸を作ることができる。レベルの上昇によって魔力との変換効率が上昇する。
人蜘蛛
人が蜘蛛の魔力因子を取り込み、2種類の魔力波長が混ざりあい、変化した種族。蜘蛛のように糸を生み出す。人型、人蜘蛛型、蜘蛛型を持っている。人蜘蛛型は下半身が蜘蛛、上半身が人型である。
全ての型において、目が八つある。人型に限り、目の数を変えることができる。
絶句。ただ絶句。
思っているより強くなっていた。本にあった強大な力を手にするというのは全然間違ってなかったのだ。
さらに見ると、望遠、目測、暗視のスキルがLv30になっていた。
サンによると、補助スキルと生産スキルは、Lv30で進化するらしい。
そのスキル欄をタップすると、進化の文字があったので、タップして進化させる。
それぞれ、千里眼、目算、暗見となった。
シンプルにすごいことなんだが、ステータスのインフレが衝撃的過ぎて、あんまり頭に入ってこなかった。
ちょっとだけ呆然としつつ、いい時間になったので、ログアウトする。今は6:00丁度。
今から朝ご飯を作ろうと思った。今日はピザでも作ろうかと思ったのだが、今日はいつもより調子が悪い。
足や手に伝わる感覚がいつもと違うのだ。
まるで、脳と手足がマッチしてないかのように。
まるで、神経がうまく稼働していないかのように。
でも、ピザを作ってしばらくたって…。ログアウトして30分ほどしたころには、そんな感覚はなくなっていて、むしろいつもより調子がいい感じだった………。
そんなピザを食べた、陽から「いつもよりおいしい…。」とガチトーンで褒められて気恥ずかしくなったのは秘密だ。
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