8th Line 黒より黒く闇より暗き漆黒に…
図書館で可能な限り、解体の情報を集めた後、畑に戻ってきた。
現実時間で16時頃だろう。
畑の結果は………
見事成功。
畑一面に、大量の薬草が生えていたのである。
「よしっ!!これで、永続的に薬草を育てられる。」
そこで俺はふと気が付いた。俺はいつも薬草を採取した茎を土にさして育てていたが、これでは増やせないということに。
そこで、錬金スキルの造技等価交換で薬草一つを交換する。
そうすれば、何か、下位の素材になると考えたからだ。しかし、薬草系の素材は、薬草が最下位なので、もしかしたら………。
予想通り、薬草は二つの薬草の種子になった。
取り敢えず、薬草をすべて、種子に変換して、植えていく。
畑二枚分がほとんど埋まった。
成長促進スキルも使ったので、おそらく、明日には薬草の数を増やせているだろう。
◇
暇になったので、魔物を狩りに来た。
魔石を獲得するためには、魔物を解体する必要がある。
今日は、森の深いところまで、入ろうと思い、薬草を取りに来た森の深くに行く。
図書館の情報によると、ここは、野兎、野犬、スライムだけでなく、毒蛇や、樹人などがいるらしい。
ポイズンスネークを狩り、トレントも狩り、大量の魔物を狩った。
蛇の解体は、一度だけ失敗したが、後は失敗せず、魔石も、200個ほど獲得できた。
これである程度の期間は、魔物を狩らなくてもいいな。
遠視スキルや目測スキル。弓術スキル、剣術スキルも使って、魔物を狩った結果、短い時間で大量に使ったからなのか、前よりも強い魔物を狩ったからなのか、遠視スキルと目測スキルは、レベル25になり、精度や、強化量が上昇した、それに、弓術スキルはレベル30になり、新しいアーツの、通常よりも、長く弓を弾き続けることで、攻撃、射程、精密性を上昇させる『チャージ』と、矢が射程の許す範囲まで、物にあたっても反射し続ける『リフレクション』を獲得した。
剣術スキルは、レベル20になり、所持している剣の、切れ味をSTRに比例して上昇させ、斬撃の攻撃力を挙げる、『斬撃』、高速の斬撃を放つ『閃』、斬撃を飛ばす『飛剣』を獲得した。
いい時間になったので、一度ログアウトし、夕ご飯を作る。
今日は、冷麺だ。
できたと丁度に、ログアウトしてきた陽と共に、ご飯を食べる。
◇
ご飯を食べ終わって、午後7:30。またログインする。
俺は、また森に行く。
今日魔物を狩り続けたのは、レベル上げと、解体のレベルを上げること。そして図書館の情報の正確性を調べるためだ。
調べた結果、図書館の情報はとても正確だった。
なのでこの夜のターン。俺の真の目的を、達成する。
◇
森の探索を続ける。
昼とは打って変わって、夜の森には、蛇系の魔物は出ない。
その代わり、夜は蜘蛛系の魔物が出る。これは図書館で見た。
それに、その蜘蛛が何故か暗視系スキルを持っていないらしい。
その代わり、嗅覚がいいらしい。
そんな進化を果たした蜘蛛の魔物が主に二種出るらしい。
その蜘蛛を多く狩っていく。
10体。20体。50体。90体。丁度、100体を超えたところで、お目当ての魔物が出た。
特異魔獣。ある領域で、同じ種類の魔物を100体倒すことで出現するモンスター。
この森は、昼には蛇のユニークモンスターが出た。
その名も、暗殺蛇。毒蛇と、その上位種の殺蛇を計100体狩ったら出てくる、素早い動きと蛇特有の柔軟性。それに超強力な毒と全く音のしない魔物でその時は、出てきた瞬間に、長距離射撃、チャージ、リフレクション、ツインアローを発動し、連射することで、木々の間に大量の矢を放ち、仕留めた。
そして、夜。
夜の魔物は闇蜘蛛という闇魔法を使ってくる魔物と、その上位種で闇魔法の上位スキル影魔法を使う影蜘蛛を計100体倒すことで現れるユニークモンスター。
暗殺蜘蛛。高いSTRと隠密性能。そして影蜘蛛を超える、影魔法の力。
◇
アサシンスパイダーが現れる。その瞬間に猛ダッシュでその場を離れる。
そして、今までで、レベル25まで上がった暗視スキルと、目測、望遠をフル活用し、長距離射撃とチャージ、貫通撃を使って、限界まで、息を殺して待つ。いくら隠密性能が高かろうと、見えれば意味はない。
一点に集中した状態で、弓を引き絞り続ける。
そして、暗殺蜘蛛が其処を通った、その刹那。
矢を放つ。今までで一番の射ができた気がした。
そう放った矢は、吸い込まれるように、暗殺蜘蛛にあたる。
矢が当たった、暗殺蜘蛛はポリゴン体となって、倒したことを静かに俺に伝える。
インベントリを見るとしっかりと、”暗殺蜘蛛の死骸”があった。
これで俺の、今日の一つ目の目的は達成した。
次の目的を達成するには、夜の森では危ないので、一旦、畑に戻る。
◇
畑で解体を始める。
包丁を手に取り、足の付け根に刃を入れて、脚をもぎ取り、胴体の甲殻の間に刃を入れたら、中の内臓たちを取り出す。
インベントリの中には、
暗殺蜘蛛の脚
暗殺蜘蛛の甲殻
暗殺蜘蛛の肉
暗殺蜘蛛の内臓
暗殺蜘蛛の魔石
があった。
そして、その中から、内臓を取りだし臓器を分解していく。
その中で唯一、現実にない器官を取り出す。
魔力生成器。魔石が魔力をため込むタンクなら、その魔力を作っているのは、これだ。
そして、魔力生成器は、脊椎動物なら、脊椎に。
無脊椎動物なら、内臓に紛れていると、図書館で読んだ。
そして、魔力生成器の中にある、ドロッとした液体を体に取り入れると、大きな力を得るということも…。
本によると、それで獲得できる力は元となった、魔物の力が大きいと書かれていた。
蜘蛛の糸。そしてあの、高い隠密性能。
特異魔獣なので期待できると思ったのだ。
そして俺はその液体を飲んだ。
飲んでしまった。
「ウアァァァァァァア!!ガッ!アアアアアアアッッッ!!ッ!アアアアアアア!*?/$#%&!」
俺の口から出たとは到底思えない絶叫が畑中に響いた。幸いなことに、プライベートな空間で発された音は外には漏れない。
だが、そんな叫びを我慢できないほどの痛みだった。まるで、体の内部から杭を何百本と打たれたような、体が作り変えられるような痛みだった。
《警告します。警告します。ペインアブソーバーにかかる負荷が一定上限を超越しました。緊急ログアウトを開始します。緊急ログアウトを開始します。》
その声を聴くと同時に、俺の意識は闇の中へと沈んでいった。
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