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15th Line VS守護者

 《守護フィールドの試練を開始します。

 挑戦者プレイヤーネーム『セイ』敵対モンスター『ガーディアンゴーレムディガーver.アイアン』です。

 挑戦者は敵対モンスターを倒してください。どちらかのHPが0になるまで、この試練は終わりません。

 この試練の終了までこの部屋から出れず、ログアウトも不可能になります。》


 このアナウンスがあってから、10秒ほどが経ったが、ゴーレムは微動だにしなかった。

『守護者』の名を冠するだけあって、自分からは動かないのだろう。

 観察したところ、相手はおよそ10mの鉄でできた塊であり、手にはつるはしを、頭部にはヘルメットのようなものが見える。

 取り敢えずこちらからということで、隠密スキルを発動し、背後に回って、接近。

 刀で何のアーツも使わずに切りかかる。

 隠密スキルを使った瞬間にゴーレムは僕を見失ったような素振りを見せたので、こういった相手でもしっかりと隠密スキルは効果を発揮するらしい。


 切り付けてみるが、同じ鉄同士。

 付与の効果でゴーレムのボディに傷はつけられたが、そこまで攻撃は通ってなかった。

 すると、ゴーレムの手がとてつもない速さで迫ってきているのを『鷹の目』スキルの一つ広域視が捉えた。

 一瞬で、世界がゆっくりになり、ゴーレムの手の軌道がよく見える。

 動体視力強化の効果だ。

 ゴーレムのパンチを刀で受け流して、軽く跳躍。

 パンチの地響きの振動による、動きの阻害を0にした後は、ゴーレムの手を伝い、腕を伝い、肩に乗る。

 隠密スキルと透明化スキルによって気付かれてはいないようだ。

 そのまま、腰の後ろに提げている弓を手に取り、矢をつがえる。

 貫通撃(ペネトレイトショット)を使用し、()()に入る。

 その間に、付与魔法を行使する。

 装備を作るときに行使した永続付与ではなく、瞬間付与を矢に仕掛ける。

 瞬間付与とは付与効果持続時間が1時間とない代わりに、より高位の付与ができるという付与方式だ。

 矢に中位(グレーター)鋭化(シャープネス)中位(グレーター)硬化(ハーデンド)を付与する。

 付与が完了すると同時に、貫通撃の溜めが終わったので、放つ。

 其の矢は鉄の首に深々と突き刺さった。

 矢じりが完全に刺さり切ったようで、そう簡単には抜けないだろう。

 だが、また攻撃されるといやなので、直ぐに地上に降り立つ。

 先程は放った矢に靭性と柔軟性を最高にした糸を創糸で、作り上げ、付けていたからこそ、敵の傍という、絶好の立ち位置を簡単に離れられたのだが…。

 しかしここで困ったことが起きた。

 ゴーレムのHPが全く減っていなかったのだ。


 それを見てから僕は攻撃パターンを変えた。

 先程使った魔法や武技に長距離狙撃(ロングショット)を加えた矢を、弓に10本ほどつがえて、それを、右手、右足、左足、左手、腰、腹、胸、右肩、左肩、頭に1本ずつ刺さるように放つ。

 すると、他の矢は避けすらしなかったゴーレムが、右手に握ったつるはしで、顔に来た矢を弾いたのだ。

 これが指し示していること。それはダメージが入るところ(弱点)が顔であるということ。

 さぁ、反撃を始めよう。


 反撃を始めるにしても、さっきのようにつるはしや硬く、弱点でない腕で防がれると厄介だ。

 つまり、初めに行わなければならないのは、動きを阻害することからだ。

 今までの、弓矢や、刀だけではそんなことできなかっただろう。

 しかし、今の僕には創糸と操糸がある。


 隠密と、透明化のスキルを使い、ゴーレムの認識から外れつつ、死角に潜り込む。

 今までの動きから察するに、基本的にあのゴーレムは自分に影響のある攻撃以外には反応しない。

 だからこそ、死角から矢を放ったとしても弾かれる心配がほとんどない。

 ()()()()()()

 強靭性に極振りしたコスパがいい糸を大量に生み出し、矢に結び付けて()()()()()()放ち、糸を自分を中心として立体的な蜘蛛の巣状に張り巡らせる。

 ある意味、空間が限られたボス空間だからこそできる技だろう。

 そのまま僕はゴーレムに肉薄し、刀で首に攻撃を与えんと斬る…が、ゴーレムの腕に防がれる。

 だが、僕はそれを待っていた。

 僕の攻撃を防いだ腕。そこに自分が持っている糸をすべて巻き付ける。

 ゴーレムはそのことに気付かず、僕を振り払う。

 うまく着地し、ちゃんと糸が腕に巻き付いていることを確認し、また強靭性に極振りした糸を大量作成する。

 そしてその糸を、蜘蛛の巣状の糸にゴーレムの周りをまわるようにうまく引っ掛けていく。

 さて、最後の仕上げにこの、糸を強く引っ張れば………


『GOAAAAAAAAA!?』


 蜘蛛の巣状の糸を滑り落ちるように、ゴーレム腕より下に巻き付き、完全に身動きを封じる。

 さて、これで腕で防がれることはなくなった………のだが、如何せん、魔力が少なくなってきたので、攻撃力に乏しい弓矢では仕留めるのは難しいだろう。


 ということで…。

 糸を伝って、無防備な肩に乗る。

 ゴーレムは拘束を解こうともがいているが、この糸は強靭性がくそ高いんだ。そう簡単には破れまい。


 肩に乗った僕は、腰に携えた刀に手を添え、前傾姿勢をとる。

 刀に瞬間付与で中位(グレーター)鋭化(シャープネス)を施すと、肩という短い距離を駆け、首に肉薄する。

 そのまま、右足を前に出して、刀を鞘の中で最大限加速させて、抜刀。そのまま振るう。

 その時にMPをほぼ使わない武技(アーツ)、『斬撃(スラッシュ)』と『(ヒラメキ)』を使う。

 速さという運動の力を、体重という重さの力を最大限切っ先に乗せ、刀を全力で左から一文字に振るう。

『斬撃』で強化された斬撃の強さが、『閃』で強化された斬撃の速さが、その一撃をより洗練されて斬撃へと変化させる。

 その洗練された一閃は、鉄の首に傷を付け、その傷は見る見るうちに深くなっていく。

 そしてついにその傷は直径1mは有ろうかというその首を()()()


 頭に弱点のある存在。それは等しく頭に動力の発生や、全身への指示を行う機関があるのだ。

 首は頭と体をつなぐ唯一の部分。

 つまりそれが断たれれば、それが無機質なものであろうと、生物であろうと、死ぬ。


 ゴーレムも同じだ、頭はすでに体への干渉力を失い、唐突に動力が漏れていくようになった動力源はそれを抑えようとして、動力を発生させなくなる。

 つまり、死ぬ。


 解体スキルの効果で、『ガーディアンゴーレムディガーver.アイアンの死骸』があった。

 死骸がかぶっているヘルメットを脱がすと、人間でいう人中のあたりに紅く、妖しく輝く玉があった。

 それを抜き取って、インベントリに入れると、

『ゴーレム核《中》』

 となっていた。


 ちなみに、今はもう解体できないなと思ったので残りの死骸をインベントリに入れると

『鉄塊《100%》』

 となっていたので、この死骸は鉄として使える


 さて、ドロップアイテムの確認は終わった。

 これだけの強敵と戦ったのだから、少しは強くなっているだろう。


 NAME セイ 

 種族 人蜘蛛

 Lv 26


 ステータス詳細  ▲

 HP 200  MP 680

 STR 88 VIT 1 AGI 120

 INT 142 MEN 36 DEX 204


 スキル一覧  ▲

 武器スキル 

 ↳ 弓術:Lv40 剣術:Lv40


 生産スキル

 ↳ 鍛造:Lv5 加工:Lv1 皮革:Lv5

 木工:Lv5 調合:Lv20 合成:Lv30

 錬金:Lv10 料理:Lv1 採取:Lv15

 農耕:Lv1  伐採:Lv1 解体:Lv1

 裁縫:Lv10


 魔法スキル

 ↳ 付与:Lv10 闇魔法:Lv1


 補助スキル

  ↳ 望遠:Lv30 千里眼:Lv1 目測:Lv30 

  目算:Lv1 暗視:Lv30 暗見:Lv1

   隠密:Lv10


 種族スキル


 ↳繰糸:Lv5 創糸:Lv10


 固有(ユニーク)スキル


 ↳適合:Lv_ 変幻自在:Lv1 透明化:Lv_ 

  合成術:Lv1 鷹の目:Lv5


 固有(ユニーク)技術(アーツ)


 ↳居合


 SP 29

 称号一覧 ▲

 狙撃手 闇に住まうもの 先駆者 人外 殺し屋 斬鉄鍛冶師


 《斬鉄鍛冶師》

 自分で製作した刀剣系武器で直径70㎝以上の鉄の塊を斬ったものに与えられる称号。

 刀剣系武器使用時に、自分が制作したものであれば、切れ味と硬度が通常の+20%される。

 鍛冶で刀剣を作った時に、切れ味と硬度が+25%され耐久値が通常のものよりも高くなる。


 固有技術(ユニークアーツ)

 武技同士や魔技同士を掛け合わせたり、同時に使ったりしたもの。

 通常のスキルに包含されておらず、通常のスキルに包含されている武技よりも強いものが多い。


 居合(イアイ)

 『斬撃』以上の攻撃力と『閃』以上の刀身の速さで刀を納刀状態から振るう武技。

 刀系の武器でないと使用不可。


「ま~た、なんか強くなってる…」   



 まぁ、それはそれとして、守護者(ガーディアン)を倒したのだからこの先に進めるはずだ。

 いつの間にか、大きな扉が目の前にあった。

 取り敢えず、そうするしかないので、扉を抜けると、『生産洞窟二階層』と書いてある立札のある洞窟だった。

 目の前には一筋の光。

 その光に向かって駆けていくと………



 そこには一階層と同じような草原が広がっていた。

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早く続き読みたいという方はブクマ、いいね、高評価、お願いします。

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