First Line『Great Line Online』
新連載はじめました。
2030年に初めてフルダイブ型VRMMORPGが発売されて早四十年。今年、新たにVRMMORPGが発売された。
『最高峰のビジュアルと世界初の全NPCに高性能AIを搭載』という目標で創られたこのゲームは、今までのものとは一線を画し、多額の資金を注ぎ込まれたものだった…。
「聖兄ちゃん。これやろうよ。」
「やらないって。てか時間無いし。」
「嘘つき!夏休みの宿題もう終わらしたんでしょ!」
「ま、まぁ…。」
殆どの学校が夏休みの7月31日。うちの学校もその例にもれず夏休みで、妹の陽と共にクーラーの聞いた部屋で言い合っている。何をって?それは最新のVRMMORPG『Great Line Online』についてだ。ゲーマーの陽がβテスターだったらしく、その景品で俺を参加させようというのだ。
「碧姉もやるよ!」
「っ!!」
碧姉は俺の姉で、今は東京の大学に通っていて、東京で一人暮らし。最近全然会えていないのだ。
「碧姉もβテスターだったからね。」
「そ、そこまで言うなら…。」
「チョロいな〜(小声」
「ん?なんて?」
「な、何でもないよ。なら早速設定しちゃいなよ!」
俺は半年ほど死蔵してあったギアでキャラメイクを始める
「陽ちゃんによる、GLO講座。どんどんぱふぱふ〜!!」
「はぁ〜。何だその効果音?」
「細かい事はいいの!じゃあ始めます。
まずこのゲームは他のと違ってレベルというのがスキルにしかありません。そしてスキルのレベルアップによってステータスが上がっていきます。つまりそのスキルによってステータスが変わります。スキルを取るためにはスキルポイント(SP)が必要で、SPはスキルレベルの上昇と平均スキルレベルの上昇。そして、称号の獲得によってゲットできます。始めに取得できるスキルは10個です。
因みに私は闇騎士型、お姉ちゃんは純魔法師型だよ
以上!」
一気に言い切って息切れを起こしている妹を他所に、スキルを選択していく。
「出来たぞ〜。」
「ん?もう?なら後はサーバーの始動を待つだけだね。じゃおやすみー」
「えっ、ちょっ。 はぁ〜。嵐かあいつは。まぁ良い。俺も寝るか。」
俺はベッドに潜り電気を消した。
翌朝
俺が台所で朝食を作っていると。
「おはよー!お兄ちゃん。朝ごはんまだ!?」
「お~陽。今日は早いな。ちょっと待ってな。」
「はーい。だって待ちきれないもん。んで、今日のご飯は?」
「今日はベーコンエッグ。はいお待ち。」
「わぁ〜。頂きます!」
「んじゃ俺も頂きます。」
「御馳走様。じゃあログインしてくる。あ、そうだ。碧姉との待ち合わせはログインしてすぐの教会の中ね。」
「お粗末様。了解した!!」
俺も速攻で片付け、ギアをセットし、ログインする。
電子の海の中に入ったかと思いきや、一瞬にして目の前の空間が違う世界に入り込む。
まるで中世ヨーロッパのような町並みの広場にいるようで、教会はすぐそこだ。
協会に入ると髪色が赤と緑の陽と碧姉がいた。
「碧姉!陽〜。」
名前を呼ぶと振り向いて。
「聖兄!」
「ひじちゃ〜ん」
「久しぶり。碧姉。」
「久しぶり。それにしても金髪金眼とは、AIいい仕事するわ〜。でも生来の女顔と相まって、イケメン?美少女?。」
「男だ。まったく。後、面と向かって言うな。恥ずかしい。」
碧姉は贔屓目ありきでも美人なのだ。流石に恥ずかしい。
「まぁ、これからはセイちゃんって呼ぶわね。セイちゃんはどんなスキルを取ったの?」
「私も気になる!!」
「あ、あぁ。」
二人の勢いに気圧されながらもステータスを二人に公開する。
NAME セイ
Lv 1
ステータス詳細 ▼
スキル一覧 ▲
武器スキル
↳ 弓術:Lv1
生産スキル
↳ 鍛造:Lv1 加工:Lv1 皮革:Lv1
木工:Lv1 調合:Lv1 合成:Lv1
錬金:Lv1 料理:Lv1
魔法スキル
↳ 付与:Lv1
称号一覧 ▼
「こんな感じだ。」
「「はぁ〜〜〜。」」
「何そのため息!?」
「あのね、お兄ちゃん。弓術スキルは魔法系と違って、命中補正が無いの。その代わり射程に限りはないけど、命中率がPS依存なの。それと矢が消耗品だからコスパも悪い。」
「セイちゃんは付与スキルをなんで取ったの?」
「ステータス上昇系の支援スキルだと思って…。」
「β版に付与スキルはなくて、戦闘用は付加スキルだったから、生産用と言われてるの。」
「そ、そうなの?」
「「うん!!」」
「ま、まじか。二人のサポートができると思ったのに、戦闘すら満足にできないじゃん。」
「まぁ生産はできるからいいんじゃない?まあ器用貧乏になるかもだけど。
と言うか、私たちのサポートをするつもりだったの?」
「う、うん。」
「私たち、個別にパーティーがあるのよ。」
「え?じゃあ俺要らない子?」
「ねぇ、そんなこと置いといて、慣れのために一回実戦行かない?」
「そんなこととはなんだ。そんなこととは。お前の兄の一大事だぞ。」
「でもここで屯して立ってしかたなくない?このゲーム設定変更できないし。それなら早めに実戦に行ってなれたほうが良くない?」
「まぁ、それはそうよね。」
「そ、それはそうか。」
こうして、俺たちは3人で最初の街の近くにある、草原に向かった。
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