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人生山あり谷あり

2年生冬。ジェルマン視点



 皆さんお久しぶりです、ジェルマン・ブラジリエです。え、お前誰だって?そんなー。


 ジスランの兄、皇太子殿下と同級生のジェルマンです。影が薄いと言われるけれど、自分ではよく分からん。

 


 そんなオレだが、卒業後は皇室の騎士団に入団が決まっていた。だが皇太子殿下の推薦もあり、ラウルスペード公爵家で騎士になった。

 オレもこっちのほうがブラジリエ領も近いので、正直ありがたい。国を守れるのならば別に皇室騎士団でなくてもいいし。



 そこで…セレスが女性だと聞かされ、大いに驚いたとも。なんやかんやでオレはセレス、もといシャルティエラお嬢様(今のオレは仕えてる身だからな)の護衛騎士になった。

 選んだ理由を聞けば、小さい頃から良くしてもらったし、落ち着くからというものだった。今ではオレの事をジェイルと呼んで、行動を共にする。


 ただしオレの影が薄いせいか…オレが部屋にいるのに、普通に着替え始めるのはやめてもらいたい!!「あ、いたの!?」じゃないわ、はしたない!!!



 ちなみにシャルロットお嬢様が選んだのは、現皇室騎士団総団長の子息、デニス・ミュールだ。彼も皇室騎士団から引き抜かれた人物で、お嬢様は「一番強そうだから」という理由で彼を専属にしたらしい…。

 当たってる。彼は20代半ば、外見は目が死んでいて覇気が無く、口数の少ない男なのだが。一度剣を握れば、誰をも圧倒する強さを見せつけてくれるのだ。


 どんな人間かと問われれば…よく分からん。休憩中花をじーっと見ているから何を考えているのか訊ねてみれば。

「……この花の名前、スイレンだっけスイセンだっけ」

 と返って来た。スイセンだ…と答えれば、両手をガシッと握られ「ありがとう!」と輝く目でお礼を言われた。面白かった。




 ところでオレは、シャルティエラお嬢様の話を聞き…弟が気に掛かった。ジスランは本当にセレスが好きだったから…女の子だったのなら、今頃婚約だってしていたと思う。


 なのでオレは元伯爵を恨むからな。と同時に、いつかジスランが真実を知ってしまった時…絶望するんじゃないかと危惧している。


 だがお嬢様が言うには。



「僕ね、ジスランに告白されたの。でもお断りしたよ。ジスランの事は好きだけど、それは友達としてだから。

 それに…彼も、吹っ切れる事が出来ると言ってくれたから。知ってる?今ね、ロッティと婚約の話が進んでるの。なんかお父様は難色を示してたけど。


 お父様も、ジスランが僕の事好きだったって知ってたみたい。だから僕に振られたからロッティを…って思って嫌がってるの。お父様にとっても、ロッティは可愛い娘だもん。

 でも当人同士が婚約を希望してるし、お父様も最終的に折れたよ。娘を泣かせたら殺すとか言ってたね…。

 これからはロッティが彼の隣にいるから。大丈夫だよ!


 でさ。貴族間ではもう有名な話だけど、今度女性が爵位継承出来るようになるじゃない?

 将来ロッティが女公爵になって、ジスランが婿養子になって。彼はいずれラウルスペード騎士団の団長になると思うんだよねー。

 そしたらジスラン、ジェイルの上司になるね!」



 そう笑っていたのだ。それならば…オレが言う事は何も無い。

 ただしジスランとシャルロットお嬢様が婚約するという話を聞いた周囲の反応は如何なものかと思う。



「其方…そこまで思い詰めて…っ!」とは第三皇子殿下。


「狂ったか!?」とはラブレー。


「いや…それがお前の選択なら、俺は何も言うまい…!」マクロンだ。

 彼が最終的に、シャルティエラお嬢様を射止めたらしい。まあマクロンは、男だろうと女だろうと関係無く愛していると宣言していたからな…。

 セレスが男だからと諦めていたジスランに、最初から勝ち目は無かったのかもしれないな。



 そして一番酷かったのはバジルだ。


「ジスラン様、きっと今の貴方は正気では無いのです!!ああいえ、お似合いだとは思うのですが。悪い意味でなく。ですが…自棄になってはいけませんよ!?いや、お嬢様は素晴らしいお方ですけども…ううっ…ふぐぅ…!」


 ですってよ。仮にも自分の主になんつー暴言。その後シャルロットお嬢様にバズーカで全員吹っ飛ばされていた。その光景は最早お約束になりつつある。




 魔物が出ては出動し、そうでない日は剣を振るう。

 お嬢様達が学園に通っている昼間は、皇宮で鍛錬に混じっている。そんな日々にオレは満足している。





 そんなお嬢様達は、今日は皇宮に集まるよう第三皇子殿下より招待状が届く。

 この頃にはグラスがシャルティエラお嬢様の外出に同行するようになっていた。グラスもバジルも元は孤児なのだが…立派に務めを果たしている。

 今日は急ぎなので風の最上級精霊殿に乗せていただき、オレ達は首都へとやって来た。

 ちなみに普段の移動時は、お嬢様達と従者コンビが馬車。オレとデニスが馬だ。




「よく来てくれた。其方達で最後だ、さあ」


「お招きありがとう、ルシアン。例のモノ…完成、したんだね?」


「ふっ…そう急くな、セレスよ」


「「ふふふ…」」


 な…なんだ一体…!?殿下の部屋に通されたオレ達。お嬢様と殿下は怪しい笑みを溢している。

 部屋の中にはすでに、ジスラン含むお嬢様達の友人が集まっていた。



「兄上、久しぶりだな」


「ああ…なあジスラン、今から何が始まるんだ…?」


「さあ…?集合!としか言われていないからな…」


 ええ…?

 しかも一枚の大きな紙を囲って、ラグの上とはいえ全員床に座り込んでるし。皇族や貴族の子息令嬢が駄目だろ。

 その紙には…ごちゃごちゃと四角や丸がいっぱい書かれて…なんかの儀式(サバト)



 以前はバジルもこの中に混じっていたが、最近は遠慮するようになった。


「やはり自分はお嬢様方とは違いますから。分を弁えぬ者に、公爵家でお勤めする資格はございません。

 と言うと…お嬢様方は悲しんでしまうのですが。なのでお屋敷ではグラスなんかも一緒にお茶をさせていただいたり、遊ぶ事もありますけど…外ではもう、やめたんですよ」


 と。彼も、大人になろうとしているんだろう。


 殿下は宮の使用人は全員部屋から出した。バジルとグラスは並んで立ち、オレとデニスは扉の辺りに待機する。ヴィヴィエ嬢の護衛は、扉の外だと言う。




「さて…よく集まってくれたな」


 全員位置についたところで、殿下が口を開く。そして…




「それでは…第三回!!すごろく大会を開催する!!!」


「「イエーーーイ!!!!」」


「いえ〜い…」


「「「いえ〜い…?」」」



 ???殿下がハイテンションでなんかの開催を宣言し、シャルティエラお嬢様とラブレーがノリノリで返事をする。

 マクロンは乗り気ではなく、シャルロットお嬢様、ヴィヴィエ嬢、ジスランはよく分かっていなさそうだ。



「説明しよう!!!これは私とセレスがアイデアを出し、エリゼ及び皇室魔術師の総力を結集し作り上げた傑作である!!!」



 魔術師ってヒマなの?



「ふふ…以前の2作とはまるで別物だ!これはマスに何も書かれていないが、止まったマスに文字が浮かび上がる風に出来ている!しかも空白は無いぞ!

 しかも人によって状況によって、同じマスでも内容が変化する!

 今度はストーリー性を持たせてみた。全員金貨1枚と選んだ職業でスタートし、ゴールを目指しつつ総資産を増やせ!!」



 説明を聞いても訳分からん。

 しかし普段と違いラブレーもハイテンション。恐らく、自分の作品を自慢したいんだろう。



「もう完全に人生ゲームだよコレ!でも面白いよきっと。

 ちなみに職業は無数にあるけど、ランダムで5つ選出されるよ。その中から選んでね。まずは僕からやってみようか」



 と、シャルティエラお嬢様が先陣を切るようだ。

 これはサイコロを順番に振るらしく、お嬢様から時計回りに…マクロン、ラブレー、ジスラン、シャルロットお嬢様、ヴィヴィエ嬢、殿下の順らしい。


 まず全員駒に血を垂らす。すると…おお、駒がそれぞれの人物に変化した!二頭身だが。

 これが彼らの分身という訳か。中々に面白そうだ…コレ貸してもらえないかな?騎士団でやってみたい。

 オレ達も近付き紙を覗き込んだ。仕事はちゃんとしてるぞ。

 


 で、職業を選ぶって?お嬢様の選択肢は……


・詐欺師

・肉屋

・占い師

・ターザン

・ひよこ鑑定士


「む…悩むなあ…」


 悩むか?

 え、何コレ。肉屋一択じゃないか?お嬢様は何悩んでんだ?


「ターザンか占い師…かな」


 それなら占い師がいいのでは。てかターザンって何???

 結局お嬢様は占い師に。オレはターザンが気になって仕方がないが…サクサク進む。




 全員の職業はこんな感じだ。


 セレスタン→占い師

 パスカル→花屋

 エリゼ→探偵

 ジスラン→騎士

 シャルロット→漁師

 ルネ→ガラス職人

 ルシアン→山賊


 なんか変なの混じってる…。早くも突っ込みが追い付かなくなってきた。何も考えず静かに見物していよう…。

 


「じゃ、行ってみよーう!ほいっとね。

 5か…『地道に路上で占いを続け、評判が上がってきた。金貨5枚獲得』やったね!」


 なるほど…同じマスでも人によって内容が異なるというのは、こういう事か。

 占い師ではない他の誰かが止まったら、別の文字が浮かぶんだな。少し理解出来た。

 そしてお嬢様の駒の上に表示されているのは「6」。金貨の数だな。


 次はマクロン。サイコロの目は、3か。


「(今回は外見は変わらなそうだな。良かったような残念なような)えーと…『近隣で山賊の被害が多発。大量の仏花の注文が入り、金貨10枚獲得』…殿下大暴れしてますね!?」


「む。まだ何もしていないぞ」


 ほほう。他のメンバーの職業も関係しているのだろうか?中々作り込まれているな…。


「ボクだな!『ヤバい情報を得てしまった…逃亡生活が始まる』ボクは何を知ってしまったんだ…!?」


 オレも知りたい…。


「俺か。『魔物バジリスクと遭遇し殉職』……俺死んだ!!?」


 ジスラーーーン!!!オレの弟が!!



「あちゃー…残念ながらジスラン脱落だよ。見物に回ってね」


 お嬢様冷たい!え、死ぬ事あるの!?ジスランの駒がサラサラと塵に…っ怖えなこのゲーム!?

 肩を落とすジスランだが…解放されたとも言えるのでは?



「任せなさい、ジスラン。仇は取るわ!

 どれ…『とある日海に出ていたら遭難。海賊に捕まるが逆に乗っ取る。海賊の船長就任、金貨500枚獲得』…何よコレー!!?」


 ボッフォオア!!!シャルロットお嬢様以外の全員が噴き出した。

 特にエリゼは笑い転げ、バジルは必死に口を押さえている。オレは腹を押さ…ふ、ふふ…!!



「く…んふふ…っ。ティーちゃんは、金貨大量獲得ですね…!私は…『仕事中ガラスで怪我をしてしまった。一回休み』ですか。特に変化無しですわね」


 ほう…平和な時もあるのか。

 問題は次だ。山賊の殿下はどうなる…!?



「私だな!『大きな商団の馬車を襲う事に成功。金貨500枚獲得』よっし、ロッティに並んだぞ!!」


 喜んでいいのかそれ?もしかしてこのゲーム…外道のほうが儲かる…?




「よおーし!2周目いくぞ!『評判が領主まで届く。領主の悩みを解消し、気に入られお抱え占い師に。毎回金貨30枚獲得』…わーい!給料だね!」


「俺は…『店の花の半分が病気になる。金貨5枚喪失』えええええ!!?」


「『逃亡資金が底を突く。手持ち金貨0枚に』元々1枚しか無かったけど…次怖いな…」


「ジスランは死んでるから、次私ね。『順調に海を荒らす。金貨500枚獲得』ふふふ…!」


「ルネを1回飛ばして…『仲間が全員捕らえられてしまった。金貨200枚喪失』ぐ…!ここから立て直すぞ…!!」


 そのまま足を洗ったほうがいいと思いますが…。



「負けないよ!国一番の占い師になるぞー!!『路地裏で死に掛けの人間発見。助けますか?』あらま〜、はい。

『満身創痍の探偵を拾った』……エリゼかなコレ!?」


「セレスタンに拾われるなんて…う、羨ましい…!!俺だって…『山に花を摘みに行くと、山賊に襲われた。山賊への転職、もしくは死亡。選んでください』……殿下あぁーーー!!!」


「おお、よろしく相棒!!」


 なんで花屋自ら山に摘みに行くんだ…?だがこの現実ではあり得ない展開が面白いんだろうな…。結局マクロンは山賊に転職。この後どうなるんだろう?


「ボクは…『占い師と結婚。結婚祝いで金貨50枚獲得』……えええええええ!!!?」


 おっ。お嬢様のほうにも金貨が50枚入った!


「僕とエリゼが結婚?照れるう。このゲーム性差とか無いから、同性同士でも結婚出来るし子供も生まれるんだよ!」


「エリゼェーーー!!!俺なんて、俺なんて殿下とタッグを組んで山賊だというのに…!代われ!!」


「代われるか!!!お前はルシアンと結婚でもしてろ!!」


 ニコニコのお嬢様、ラブレーの胸倉を掴んでがくんがくんと揺らすマクロン。


「これはもう、私達も結託すべきではなくて?ティーちゃん」


「そうねえ…でも海賊とガラス職人、接点あるかしら…?」





 その後はオレのダイジェストでお送りさせていただこう。


 シャルティエラお嬢様は占い師として大成、子宝にも恵まれる。旦那のラブレーは教師に転職。


 マクロンと殿下のコンビは順調に山を荒らしている。


 シャルロットお嬢様は海の覇者となり、莫大な懸賞金が懸けられた。


 ヴィヴィエ嬢は…ガラス工房が事故で爆発、死亡し脱落。




「おお、ヴィヴィエ嬢も来たか。ジュースでもどうか?」


「ジスラン様…いただきますわ…。バジル君とグラス君もいかが?」


「いえ、職務中ですし」


「いいから。俺が押し付けているんだ、ファロ殿に怒られたら断れなかったと言えばいい」


「……では、お言葉に甘えさせていただきます」


「ありがとうございます」



 うーん、脱落組は楽しそうにお菓子パーティーが始まっている。





 ※※※





 あれから数十分。扉がノックされオレが対応すると…なんと皇太子殿下、第二皇子殿下、ナハトが訪ねて来た。


「久しぶりに全員集合していると聞いてな」


「皆どうしてます?ルシアンは新しいゲームをお披露目するんです!とはしゃいでいましたが」


「今度は酒は飲んでないだろうな?その場合マクロンは追い出すからな」


 オレはデニスと顔を見合わせた。酒は飲んでいないが…状況は…。



 説明するより、見てもらったほうが早い…3人を招き入れる。



「うわああーーーん!!一回、一回占いを外しただけなのに…!今までの信用全部失ったああぁ!!!僕無職だよう!!!子供も4人いるのに…!」


「『大物がやって来た。襲撃に成功し金貨1000枚獲得するも、負傷し次からは一回置きにサイコロを振る』むう…生きているだけマシか」


「任せろセレス、家計はボクが支える!…ああっ、『長子が入院、金貨10枚喪失』…いや、まだ手持ちはある!」


「『世界中の海を制覇した。陸に上がりますか?』うーん…そろそろ陸でも暴れてやろうかしら?はい!」


「『この辺りにはもう獲物は通らなそうだ。移動し新たな拠点で狩りを始める。金貨200枚獲得』よーし、こっちも制覇してやるぞ!!」



「「「……………」」」



「ジスラン様、ティーちゃんとは正式に婚約なさったのでしょう?おめでとうございます!」


「ありがとう、ヴィヴィエ嬢。周囲には散々言われたがな…ロッティもあれで、可愛いところも多いんだ」


「まあ、惚気ですか?ふふっ」


「「………(あそこで高笑いしているシャルロットお嬢様の姿が2人には見えないのだろうか…)」」





 如何でしょうか、皇太子殿下。



「……えーと…最近の子供は、面白い遊びをしているな?」


 本当にな…。

 3人も脱落組と一緒にジュースを飲み始めた。従者コンビは席を立ち、給仕を始める。



 その後も5人のゲームは続く続く。だがどうやら急展開を迎えたようだ。




「あ!!『魔物に襲われている人を助けた。その際の剣捌きが貴族の目に留まる。騎士に転職可能』

 うーん…騎士か。僕も殉職したらどうしよう…」


「セレス、無理をするな。一家6人、細々と暮らしていける蓄えはある!」


「エリゼ…!…ううん、僕は家族と人々を守る為に騎士になるぞ!」


「そうか…それがお前の選択なら、ボクは…」


「大変だ殿下!!『海から海賊が上がってきた。戦闘しますか、逃げますか?』だ!!

 ロッティ、ついにここまで…!」


「落ち着けマクロン。ここは陸地だ、海賊の領域じゃない!陸の流儀を見せてやるんだ…!!」


「まあ…つまり、全面戦争という訳ね?いいわ、2人共私の子分にしてやる…!!」



 これなんのゲームなんだろう…。


 皇太子殿下達には、ヴィヴィエ嬢がこれまでの流れを説明している。

 そろそろ誰かゴールしそうなもんだが。これは全員がゴールするか脱落しないと終わらないらしい。

 で、ゴールした順に金貨が与えられる。1位には500枚、2位には300枚といった風に。


 最終的にゴールの順でなく、金貨の数が多い人が優勝らしい。現在シャルロットお嬢様が80000枚で圧勝中…凄いな。




「何!?相討ちですって…!?仲間は全員倒れ、これまで貯めていた私の金貨が…消えていく…!!」


「くっそう…!私もマクロンも、生きてはいるが…金貨を失ってしまった…!!」


「殿下!ここはロッティと手を組み、立て直すしかないのでは!?」


「いや…その選択肢が無いんだ!!次、順番的にお前のサイコロで私達3人の運命が決まる!」



「お……『任務中、倒れている海賊と山賊を発見、捕縛。懸賞金として金貨50000枚獲得』ヤッター!漁夫の利!!!」


「「「えええーーー!!!??」」」


「でかしたセレス!!!」



 おお…!!お嬢様が全部持って行きやがった!!

 その後散々暴れた3人は処刑、シャルティエラお嬢様は功績を称えられ爵位を賜った。



 結局ゴールしたのはラブレーとお嬢様のみ。優勝は当然お嬢様。

 周囲は拍手に包まれる。



「わーい!ありがとう!」


「くう…悔しいけど、お兄様に殺されるなら本望だわ」


「よーし、次はもっと改良を…!」


「ルシアン」


「へ?……ヒィッ!!?」


 第三皇子殿下の肩をポンと叩く皇太子殿下。見た事のない穏やかで美しい笑顔だ。第二皇子殿下も、ナハトも…

 そして一言。



「「「没収!!!」」」


「「「そんなあーーー!!?」」」




 当然だろ…。崩れ落ちる製作者の3人。




 ところで…ターザンって、何?



「ターザンは、ざっくり言うとジャングルに住んでいる人だよ!」「それ職業なんですか…?」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 待ちに待ってましたすごろく第三弾!! ありがとうございます♡ [気になる点] 最後の先輩三人組の「没収!!!」、彼らも遊びたかったんでしょうか?笑 [一言] みんな職業の方向性が全く違っ…
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