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内緒にしなきゃ!  作者: 雅也
2/10

2話


                  2


 開店してから暫く経ってしまったモールのフードコートに、4人が着き、好きなものをそれぞれの店舗から注文する。 と思いきや、4人が一緒のバーガーショップだった。


「もうこうなったら、皆一緒でいいか?」

と、優太が3人に聞くと。 女子たちが


「「え~!...」」

 と、ブーイングした。


「じゃあなに?」

 と優太が聞くと。

「「チキンとレタスがいい」」

 声を揃えて言う。


「分かった分かった、祥はオレと一緒のダブルのヤツでいいか?」

「いつも通りだな」

「そうだな。 じゃあまとめて注文してくる」


そう言って、それぞれのドリンクを聞いてから、優太は注文カウンターに向かった。



                ・・・・・


「「「「いただきま~す!」」」」


 4人は声を揃えて食べ始める。


 食べながら、耀が優太と祥に。


「さっきはありがとう、あなた達が来てくれなかったら、あの後どうなっていたか」

「私もありがとう佐藤くん小川くん。今日のは結構しつこかったんで、困ってしまったんだ」

 寛子も礼を言う。

「今日のは…って言い方は、前にもあったって言う事なんだな」


 少し黙ってから、寛子が

「そうなの。度々あるから、困っちゃうんだ。だから、なるべく目立たないような容姿で来るんだけど。それでもあんな目に合っちゃうんで、最近は、あまり人が集まる場所へは行かないようにしているの、残念だけど...」

「寛子 可愛いもんな。 お前狙ってるヤツ多いんだぞ」

「え!? そうなの?」


 寛子が不思議そうにする。 全く自覚のない寛子だ。


「そうなんだよ、寛子と居る時が大体狙われるかな?」

 耀が言う。


 少し気になり、優太が耀に言う。

「小川だってカワイイんだから、気を付けないといけないと思うぞ」


「な!.....」

 耀の頬がピンクになる。


「あれ~? 耀、照れちゃって、佐藤くん 耀の事が可愛いの?」

 言ってから気が付く 優太。


「そ、そうだが...」

 正直に言った。

「ほほう、それは初耳だな優太。今まで小川さんと接点なんてあったか?」


「無い」

 照れながら優太が言う。


「耀は佐藤くんの事カッコいいと思う?」

 寛子が耀に聞く。 だが、すぐに返事が返って来ない。


 少し黙っていると、小声で 耀が囁く。


「さっき助けてもらってカッコよかったし、背高いし、今まで喋ってて優しいし...、えっと...と」

「なあ~んだ、YESじゃん!」

 ハッキリと祥が言った。

「そうだよ 耀。 私から見ていても、中西くんの言う通りだと思うけど、どう?」

 寛子も言う。


「とりあえず、友達から始めたら?」

「それがいいな。 優太 イイじゃん、そうしろよ」


「......」


「耀もよ」


「......」


「何だ?二人とも固まって。 もう、決定な!」



 何故か固まった当の本人たちを置いて、決まってしまった様である。



               ・・・・・


「美味しかったね~」

 寛子の言葉に皆頷き、コレからの行動についてミーテイングをする。


「ではコレからの行動について議論します」


いつしか4人で行動を取ると言う、流れになって来ている。


 確か、優太と祥は、モール外にあるゲームショップに行こうと言っていたのだが、今朝の事件もあり、女性陣と一緒に行動を取っている。

 コレはこれで、カワイイ女の子たちとの行動に、嬉しいのだが、今朝の事もあり、彼女たちをガードした方が良いと言う思考もあった。

 なので、今日は彼女たちの行動を、優先した方が良いと、優太は思った。


「祥、朝の事もあるし、このまま彼女たちと一緒に行動した方が良いと思うが、どうかな?」

 即答で祥が答えた。

「そうだな。 また変なのが近づいてきたら、不味いからな。今日は彼女たち優先で行動しよう」

「よし」


 優太と祥の小声での会話は合意した。  


 すると...

「そこ、ゴチャゴチャしない!」

 と、寛子に怒られた。

 それを見て、クスクスと笑う耀を優太が見て、何か心に刺さる感覚がした。



「さあて、これからどこに行きますか、意見を言って下さい」


 各々がシンキングタイム...。


「「「......」」」

「何もないの? じゃあ、中西くん達がここに来るための用事は何だったの?」


 あ!思い出した 的な感じで、祥が言う。

「モール近くのゲームショップに、優太と行こうって言う事で、今日は出てきたんだ」

「そう言う事ね、 私たちは、この中にあるクレープ屋さんで、期間限定品のクレープがあるのを知って、耀と食べに来たの。でも、今 お昼したから、今はムリね、お腹いっぱいだから」


 優太が思いついたように言う。

「だったら、モール内のアミューズメントに行かない? 女性陣の好きなプリクラ進化版もあるし、俺たちはゲームが出来るし、どう?」


「それいいかも、私たちの腹ごなしにもなるし、でも、クレープの時には一緒に来てよ、お二人さん」

「「分かった」」


「じゃあ決まりね、耀もいいよね」

「うん」


「あ!それから」

 思い出したように寛子が言う。

「私たち結構気が合う男女って気がしてきたんで、これからはみんな 名前で呼ばない?」

「それいいね」

 耀も言う。


「俺たちも別にいいかな、な、雄太」

「ああ、良いじゃないかそれで」


「じゃあ決まりね、優太 祥」

「おう、寛子 耀 よろしくな」

「オレもこれからよろしくな、耀 寛子」

 最後に耀も言う。

「私もよろしくね、優太 祥」

「じゃあ行くか!」


「ちょちょ!ちょっと待った。」

「何だ?寛子」


 みんなを待たせて、寛子がスマホを取り出す。

「もし離れてもいいように、連絡先の交換をお願いします」

「あ、そうだな。 もし逸れても、連絡できるからな、いいじゃないか」


 そう言って、4人が連絡先を交換して。


「今度こそ、いくぞ~!」


「「「お~!!!」」」


 討ち入りみたいな掛け声で、アミューズメント施設があるところまで、4人は会話をしながら移動して行った。



                  △



「以外に近かったね」

「約2分だな、道のり」

「「ちか!」」


 優太と耀の声が重なると、お互いに顔を見合って、少し赤面する。


「あら、息ぴったりね」

「もうカップルだな、優太」


「「......」」


「早いとこ、告っちゃえよ」

 追い打ちをかける祥。 な~んて言っているうちに、アミューズメントコーナーの、真ん中に来た。


「やっぱ女の子が居るって事は、定番の クレーンだな」

「相変わらず、ぬいぐるみの山だな」


「わあ~! わたしこのクマさんがカワイイ」

 と、寛子が言うと、続けて耀が。


「わたし、この 部屋のすみが好きなネコがいい」

 なんて言っているので、男子たちのやる気が出てくる。


「耀、このネコが可愛いのか?」

「うん、だけど難しそうだから止めとく」


 そう言った時には優太がコインを機械に投入していた。

「い、いいよ優太。悪いよ」

 言うのを止めて。

「見てろよ! 耀」


 そして、一回目は出口付近まで寄せておいて、二回目でタグに引っ掛けて、ゲットした。


「わあ~!! すごい! 優太」


 まん丸のネコを手にした優太が、そのぬいぐるみを手にした方の手を、耀に差し出す。

「ほら」

「え?」

「いいから、ほら」

「あ、ありがとう 優太。とっても嬉しい」

 そう言って耀は、まん丸のネコを抱きしめながら、お礼を言った。


 それを見ていた寛子が。

「優太って、クレーンゲーム上手なのね、やるじゃない」

「オレ達を見くびってもらっちゃ困る。 オレだって見てろよ、寛子が欲しそうなこのクマを捕まえるからな」

 祥が寛子に向かって言う。


「そ、そんな、祥 いいよ、言った事気にしないでいいから」

「はは、そこで観てろよ寛子」


 そう言って、祥も、難しい位置にあったクマのぬいぐるみを、三回でゲットした。

 

 「ほら、やるから」

「あ、ありがとう。何か おねだりしたみたいで悪いわ」

「な~に言ってんだ、俺が持っても、キモイからな、貰ってくれ」

「ホントにありがとう祥。嬉しいわ」


 耀と寛子が、ぬいぐるみを抱きしめて、喜んで喋っているのを見て、優太と祥が満足そうにしている。


「すごいね、二人とも、ゲーム得意なんだね」

「まあな、オレ達って、よくこういう所に入り浸っていた時期があって、コレなんかは、得意中の得意なんだ」

 ドヤ顔で自慢する男子二人をみて、女子ふたりがたたえた。



                ・・・・・


そうしているうちに、午後2時半を過ぎた。


「ねえねえそろそろ小腹好かない?」

「そうだな、何か食いにいこうか? みんな」


 思い出したように、耀が

「クレープだよ寛子、クレープ」

「そうそう、行かなきゃ。 男子達はどう? 一緒に行く?」

 間髪入れずに。


「「行く!」」

「腹減ったからな~」

「あはは、さすが男子、すぐお腹空くのね」

「はい取柄です、ボクたち」


「あはははは...」

 全員で大笑いして、女子たちの今日一番の目的の、クレープ屋に向かった。



                 △



「ほ~、コレなんだ、キミたちが食べたいと言っているのは」


 男子達が 驚き&呆れ 気味で、女子たちが手にしているクレープを見る。


「そうだよ男子達。 普段とは違い デラックスが良いのよ」

「期間限定って、ホントに凄いな。 でも、コレ二人とも、食べられるのか?」

 

 耀と寛子が、お互いを見つめ合って、同時に頷くと。


「何言ってるの。 男子達に手伝ってもらうに決まってるじゃない」


「「......!!」」


「あ!ちなみに、このタピオカミルクティーのL もだよ」

 しれっと寛子が言う。


「毎年やってるこの期間限定だけど、いつもは耀と二人なので、2種類あるけど一つだけ頼んで、二人で分けてたんけど、今日は男子が居るからそれぞれ二つ頼んだの」

(それって、間接キスじゃないか?)

 と、優太が思ったが、それを打ち消すように、耀が続けた。


「私達、間接キスとかあまり気にしない女子なんで、変な気は使わないでねお二人さん」


「それって...気にするところじゃ...」


 今度は寛子が言ってきた。

「いいのいいの。 気にしないで」


 あっけらかん、と言ってきた。


 その後、4人でアレコレの交換をし合い、最後は。


「ふう! おやつにしては手強かったな。結構 腹に来た」

「一人じゃあ無理でしょ? でも今日は男子達が居るお陰で、2種食い出来たんで、満足だよ~」


 最後は耀が満足気に言った。



(女子って、甘いものは別腹って言うけど、ホントだったんだな)


 そう思う、優太だった。







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