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内緒にしなきゃ!  作者: 雅也
1/10

1話


                  1


 優太と耀は、高校3年生。 なのに親の同意で同居している。 勿論、身内以外は内緒だ。 

 学校にも内緒で、残り少ない高校生活を ひっそりと過ごす事になった。



                  ◇



「優太。 早くしないと遅刻だよ」

「お、おう、分かった」


 いつもの二人の朝の光景だ。


 佐藤さとう 優太ゆうた18歳、高校3年生。 

 小川おがわ 耀あかる同じく18歳。


 二人は高校の同級生。 去年のGWくらいの時期に知り合って、夏休み前に付き合い始め、現在は優太の家で同居している、学校はもとより、身の周りには内緒だ。


 それまでの経緯は後で述べるとして、とにかく彼ら二人は今、佐藤家で同居している。


 


「おお!寝過ごすところだった。ありがと 耀」

「早く身支度して 優太」

「分かった」


 佐藤家の中の優太の部屋を中心に、生活している二人。 今日は金曜日なので、何故か気分がいい優太。

 二階にある二人の部屋の隣に、小システムだがキッチンがある。 シンクは小さいが、二人での食事の支度をするには、十分なシンクだ。


 軽い朝食はココで済ますが、夕食だけは皆一緒に摂るという事が決められており、今起きた二人は、この二階で朝食を摂る。


「あまり時間が無いよ優太。 はい、コレ」

 そう言って、耀がトーストとコーヒー、それにリンゴを剥いて八つ切りにして、小さなサラダボール載せてある。

 

「ありがと、じゃあいいか?」


「「いただきます!」」


 二人で朝食を摂っている最中 優太が


「耀。昨日の課題 全部出来た?」

 耀は即答で。


「と~ぜん」

 腰に手を当て、胸を張って言う。


「いいな~、オレあと少しで終りそうだったのに、寝ちゃったからな~」

「学校でやれば?」

「見せて」

「やだ!!」

「やっぱね~」


 耀の答えは分かっていたので、がっかりしない優太。

 楽しい二人の朝食の時間も終わり、登校への準備をする。


 全ての身支度を終え、二人は仲よく一階のキッチンに降りていく。


「おはよう」

「おはようございます」


「「おはよう」」


 優太の両親 父親の 佐藤さとう すぐる と 母の 優実ゆうみだ。

 降りてきた二人に両親が挨拶を返してきたが、母親の優実が

「二人とも、朝食は済んだの?」

 と聞いてきたので

「うん」

「はい」

 と、返事をする。

 そのまま優太が


「俺たちもう行くから、行ってきます」

「いってきます」


と二人が言って玄関を出た。



                ◇ ◇ ◇

  


 優太と耀は幼馴染ではない。 家も近所ではないし、小学校 中学校共に、違う校区だった。 だが、出会った。 高校に入ってから出会ったが、学校内で知り合った訳では無い。    



                  ◇       

       


 優太は小学校からの親友、中西なかにし しょうとずっと仲が良い。 変わらない友情で、お互いを理解しあっている。 無二の親友と言って良いだろう。

 お互いゲームが好きで、これまたよくゲームソフト販売店には週一で通っている。

 耀と出会った日も、普通に二人で繁華街にあるいつものショップに出かけて行った。



一方、耀の方もその日に、中学校からの親友で くるる 寛子ひろこと、ショッピングモール内にあるクレープ店に、期間限定でのスペシャルクレープが販売しているというので、向かっていた。



                  △



 優太たちがショッピングモール近くにあるゲームショップに到着しそうになった時、約10人くらいの人だかりがあった。

 なんだろうと、ゆっくりと近づいて行くと、人だかりの中で、女の子二人と、身長がやけに高いのが一人と後の二人は普通な丈の、合わせて3人の男が、その女の子の二人連れに向かって、ナンパしていた。

 

 あ!こりゃヤバいヤツだと思い、優太はその場をスルーしようとした。


 だが、祥はスルーしなかった。 しかも優太に向かって言い出した。


「優太、あれもしかして、4組の 枢 と 小川じゃね?」

 優太は、その言葉に反応した。


「なに? 本当か。それは一大事だ」

(なに? あの学年一可愛いと言う 枢 寛子が、怖そうなお兄さんたちの餌食になってる? こりゃスルー出来ないな)

 なんて思いながら、人ごみの中に入って行くと。




「いいじゃん、俺たちとクレープ食べようぜ、その期間限定ってのを」


 すると、連れの二人もその声にけしかける様に言う。 強引なナンパだ。


「いいじゃん! 時間だってあるんだろ? だったら付き合ってやるからさ、行こうぜ、な?」


「お断りします! 私達 二人で行きたいので」

キッパリと断ったのは 耀の方だ。


「あれれ、そっちには興味が無いんで、良かったら帰ってもらってもいいかな」

 と、耀の事を少し子馬鹿にしている。

 すると、気の強い寛子は


「あなたたち、いい加減にして。警察呼ぶわよ?」

 と言って、スマホを取り出す寛子。


 それを見て、寛子のスマホを素早く奪い取り

「コレでな~にも連絡できなくなっちゃたね、ざ~んね~ん」


 まわりを見ていた観衆は、何もできずに只々見ているだけ。


 イラついていた、優太がスマホを持って、輪の中に入って。


「お兄さん達、さっき 警察に電話したから、そろそろこの近くのおまわりさんが来ると思いますから、そのたち 勘弁してやってくれませんか?」

 と、言いながら、スマホをかざす。


 すると、背の高い男が言った。


「ホントは電話持ってるだけで、俺たちが退散すると思っているんだろ、大概はそんなところだな。分かっている」

「違います 違います、ホントなんですよ、逃げたほうがいいですよ、お兄さん方」


 それでも笑っている。

「ははははは...」


「本当ですって」

 さらに優太が言うが、3人は言う事を聞かない。


 すると、本当に警察官が2人で駆けつけてきたので、本人たちはびっくりだ。


「だから言ったでしょ?」


 警察官の人が

「そこ、待ちなさい」



 そんな事で、一同は、事情を聴かれるために、近くの交番にゾロゾロと連れて行かれた。



                    △



 各々が解放されたその後、寛子たちと4人で話し合っていた。


「ありがとう、優太くん祥くん。あの人たち結構しつこかったんだよね、寛子」

 一緒に居た耀が口火をきった。



「いや、オレ達はただ警察に連絡しただけで、後はな~んもしてないからな」

「でもね、あのままだったら、もっと強引にされていたと思うな。だから、ありがとね 耀と私助かったわ」




 今更だが、小川おがわ 耀あかると くるる 寛子ひろこは、雄太たちと同級生だ。

 特に、寛子は学内で5番の指に入るほどの美人で、肩甲骨まで伸びた黒髪ストレートに、ぱっちりした瞳、どうしたらこうなるの? って言っていくらいに、まとまった女の子だ。

 スタイルも良く、いわゆる高根の花ってヤツだ、高値過ぎて、誰も 告る勇者は居ない・・・・らしい。


 小川 耀の方は、ごく普通などこにでもいる一般高校生だ。 器量は普通だが、スタイルは寛子と一緒で、美形なのだ。薄ピンク縁のメガネに 黒髪ショートボブが、似合う女の子だ。


                △


「折角モールまで来たのに、目前で変なのに絡まれちゃったな~」

「でも良かったね、佐藤くんたちのお陰で」

「ねえねえ 佐藤くん 中西くん、よかったら今日一日、私達と一緒しない?」

「そうだね寛子。 この二人だったら安心だもんね」


「おいおい! 俺たちガードマンかいな」

「いいでしょ? こんなカワイイ女子とデート出来るなんて」

「ま、それもそうだな。 よし! 今日はダブルデートだ、雄太」

「おう!分かった」


「じゃあ決まりね。 まず何処からにする?」


その時、優太と耀の 腹の虫が鳴った。


「あはは!! モールのフードコートだな」


「「「おーーー!!!」」」


 ノリの良い4人だった。








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