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豚、解体!(●ↀωↀ●)✧
ーーーーーダンジョン内(豚貴族の部下)
馬鹿貴族の上司の独断によりダンジョンへの突撃が決定した。
ロクに調べもしないダンジョンに突入は普通に考えて無謀である。
発見されて間もないダンジョンに入るにあたり魔物共之叛乱における注意は必要であろう。
魔物共之叛乱とはダンジョン内で繁殖しすぎた魔物が人間の攻撃などによる刺激でダンジョン外へ雪崩出ることである。
ダンジョン内の魔物はダンジョン内の魔力を餌に活動しており飢えることは無いが1度ダンジョン外へ出ると急激な飢えに襲われる。それ故に凶暴性が増し街や国に被害が出ることもある。
冒険者ならば発見時、ある程度の調査をすることが義務付けられているが調査隊として派遣された以上、1度本部へ戻り上へ判断を煽ぐべきだろう。
これで魔物共之叛乱が起きたらどうする気だあの馬鹿は……。
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〜ダンジョンへ移動中〜
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ダンジョンの入口まで連れてこられたが本当に突撃させる気だろうか……。
どんなコンセプトのダンジョンかも分からない。
ましては何時出来たかさえも……。
怯えて足が竦む。長年騎士をしてきたがここの奥には近ずいたりしては行けない。
本能がそう叫び続ける。
壁や天上、床を見回すが床の一部にある血の跡を除き汚れがない。
俺はダンジョンなるものには入ったことは無いが出来たばかりのように思ってしまう。が、血の跡がある、コレは獣のものか或いは人間が既に亡くなっているのか……。
チグハグな気分を無理やり張り付かせ警戒態勢を続ける。周りのやつも同じようなものだ。
チグハグな気分に惑わされたのか俺は床を踏み抜き落とし穴に落ち…………
「先輩!」
きる前に身体に衝撃を受け落とし穴の外へ押し出される。
あの声は…………
「コ、コバヤシーーーーー!」
俺は気付かぬうちに叫んでいた。
「へへ、だいじょぶですよ。先p『ドスッ』aい……」
落とし穴から聞こえてきたコバヤシの声は途中で
刺突音によって聞こえなくなった。
俺は慌てて落とし穴を覗き込む。
そこには紅い水溜まりと物言わぬ姿になったコバヤシがいた。
首筋には金属杭が突き刺さっていた。
……致命傷だったようだ。
コバヤシは、俺の弟のようなものだった……。
コバヤシとは街の外であった。コバヤシは何も知らなかった。出身は"にほん"なる聞いたことも無い所だった。何も知らないコバヤシは色々と俺に頼ってきた。寝るとこ、食う金、遊び、色々だ。だが、嫌な気はしなかった。コバヤシは俺の妻とも仲がよかった。子供が出来なかった俺らには何をするのも楽しそうで、知らないことを見つけるとキラキラした目で俺に聞いてくるコバヤシは出来の悪い息子のような存在だった。
しかし、コバヤシは死んでしまった。
俺のせいで……。俺の……せい.....。
「せんぱ…………い……。たすけ、て……」
……!生きている!
「コバヤシ!今行くぞ!」
急げ!急ぐんだ!今なら魔術師にみせれば!
「何をしている!進め!1人ぐらい落とし穴で死んだくらいで歩みを止めるな!我の昇進がかかっているのだ!走って進め!クズ共!」
糞!豚貴族が!コバヤシの周りにいた騎士たちが申し訳なさそうな顔で走っていく。俺は掻き分けながらコバヤシへと進んでいく。落とし穴の底にいるコバヤシを担ぎ魔術師へと走り込む。
「おい!あんた、魔術師だろ?こいつ治してくれ!息子みたいなやつなんだ!頼む!」
「あんた、こいつ、もう死んでるよ……。
悪い……。申し訳ないがこれくらいしか出来ない。アイテムボックスだ、きちんと埋葬してやりな。息子みたいなやつなんだろ。」
聞きたくなかった言葉が魔術師の口から飛び出る。叫び出したい気持ちを飲み込む。
ここはダンジョンだ。俺が死んだら妻が悲しむ。
誰がコバヤシを埋葬するんだ。
「あぁ、恩に着る。」
魔術師に礼を言い隊へ戻る。
やはり余り出来たばかりのダンジョンのようだ。
迷宮の構造をしているがそこまで入り組んでいない。
と、隊の元冒険者が呟いた。詳しく聞くと大きいダンジョンではさらに入り組んでおり罠も多種多様で数も多いらしい。
出てくる魔物はスライムとゴブリンのみだ。
苦戦するほどではないが戦いにくい。
ある程度の連携と人外の腕力を持つゴブリン、
魔法以外の攻撃が通りにくいスライム。
厄介だが戦いにくいのみで被害は多くないが、ゴブリン共が連携出来なおかつ狭いダンジョン内で混戦にならないだけの数で毎回出てくる為にじわり、じわりと仲間の精神力と回復のための物資が減っていく。
今はダンジョンで休憩を取っているが、
そろそろ潮時であろう。コバヤシを一刻も早く埋葬してやりたい……。
「男爵様、そろそろ潮時でありましょう。撤退の合図を!」
隊長が豚貴族に撤退を迫っている。
豚貴族と言うと何やらゴソゴソと探し物をしているようだ。何かを見つけ煽る。酒だ……。
「馬鹿か?ここまで来たのだ。……グビり、ダンジョンで何も成果なかったとでも……グビり、
報告書にかくのか?……あぁ、美味い。
お前らなんぞ消耗品だ。せいぜい我の為に尽くして死ねばいいんだ。さっさと進め!ここで切り裂いてやろうか!」
馬鹿だ。だが相手は豚とはいえ貴族、逆らえるはずもなく従うのみ……。
そこからしばらく進み。仮眠を取ってからさらに進む。ここまでの間に数え切れないほどの仲間が犠牲になった。ゴブリン共に混じり上位種がいたのだ。アーミー、アーチャー、メイジ、バーサーカー等のそれぞれに特化したゴブリン共だ。
奥に進むほど上位種との戦闘が多くなっていき
物資も急速に無くなっていきそこを着きかけている。
そこヘ要らぬ朗報が入ってしまった。
ボス部屋が見つかったのだ。
物資がない今、階層主に挑むのは得策ではない。
今すぐに撤退し体制を整えるべきだ。
「ボス部屋を見つけたか!良くやった!階層主討伐だ!」
馬鹿か?そう言いたくなるのを堪えボス部屋へと向かう。
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見たくない光景が拡がっていた。
騎士達は取り込まれ、魔術師達は打ち払われて瀕死である。今生き残っているのは俺と数人、そして豚貴族である。
ドカシャァ!!!
…………スライムの攻撃により生き残っているのは俺だけになった。
ボス部屋にいたのは1匹のスライムだった。
普通のスライムよりは2回り程を大きく色が黒っぽいがはっきり言ってそれだけである。
魔術師がいればなんとかなると思っていた。
そいつは粘液で出来ている身体にどこからが取り出した粘液を取り込み巨大化していく。
この特性を持つスライムは数少なくそれでいて通常種と余り変わらない色をしているのは
ランクB グラトニースライム
俺らの相手にできるやつでは無い。
後ろを振り返ると豚貴族の姿はなかった。
ならば俺も逃げるとする。騎士の仲間達には申し訳ないがこれは俺に勝てる相手ではない。出来たばかりの迷宮にこいつは合わない、恐らく周りの森で進化したスライムが住み着いたのだろう。
ならば早く報告しなくては!
逃げ帰る道中余り魔物に襲われなかった。
まるで俺を避けるように魔物の方からどこかへ行くのだ。
コバヤシ、おまえか?
あぁ、しっかりと埋葬してやるからな!
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ーーーーー北の街「アグリ」ギルド
「伝令!男爵様率いる調査隊、全滅しました。
ダンジョンを見つけ男爵様の命により探索しました。ゴブリン、スライムの存在を確認。ゴブリンは上位種も確認。1階層のボス部屋に外から住み着いたと思えるグラトニースライムを確認。討伐できず。」
早口にギルドマスターへ報告した。この場で打首にされるかもしれないがここで報告しなくても打首にされるだろう。ならば報告して、胸を張ってコバヤシの元へ行くほうが良い。そうギルドマスターへの報告を決めた。
「そうか、ありがたい。
そういや、男爵様はどうした?
"ブタ"はここに転がってきたが、男爵様はいらっしゃらないのだ。ダンジョンで討死したのだろうか?
帰ってこないからそうなのだろう。そう報告しとく。」
そう言ってギルドマスターは葉巻にされた男爵を足蹴にしてとぼけたように答えた。
これで男爵様はダンジョンで討死されたことになり、家族も独断で兵を動かし全滅した責任と領地での不正の罰を取らされ打首にされるだろう。
いい気味である。
コバヤシの入ったアイテムボックスが微かに光った気がした。
主人公以外の転移者の登場ですよ。(前回もいたけど)
(/ー▽ー)/フフフ書いてて楽しくなってきました。
ちょっと長くなってしまいました。
申し訳ない。
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