6話 チート
翼達4人は、ニーズヘッグの素材を手に入れるために、ニーズヘッグの死体の元へ来ていた。
「それにしてもでかいな、こいつ。」
こいつは、25mプールよりでかいくらいの大きさだ。
「ほんと、2人ともよく一撃で倒せたわね。」
エリが驚くように言った。
「全くですよ。私なんかずっと、後ろで突っ立ってただけなんですから。」
サリエルが膨れた顔をして言った。
…可愛い
「まあまあ、サリエルもLv上がったろ?ステータスも強化されたんだし、結果オーライだ。」
俺もバカ上がったしな。120って……
「まあ、そうですけど…!」
四大天使が膨れている…なんか面白笑
「…それより…素材取り来たはいいけど…こんな…デカブツ…どうやって持ち帰る…」
レイが心配そうに言ったが、
「え、俺のアイテムボックスで持ち帰るけど。」
「「「.........。」」」
ん?みんなして固まって、どうしたんだろ。
「何が『みんなして固まって、どうしたんだろ。』じゃないよ!」
「…ん…翼くん…チーター…」
「翼には、ほんと驚かされますね。」
えー、みんなの役にたとうと思って使おうとしたのに…なんか文句言われた。
まあいいか。
「んで、これからどうする?」
翼は、クソでかいニーズヘッグをアイテムボックスに収納しながら言った。
「気持ち悪…」
「……。」
「グロいですね。」
これが意外とグロく見えるそうだ。
アイテムボックスは、普通、何も無い無空間のとこから、出し入れをするんだが、ニーズヘッグともなると、超デカすぎて、俺の体に直接入ってるみたいに見えるそうだ。
確かに見たくはないな。
「んで、言うの2回目だけど、この後どうする?」
ニーズヘッグを収納し終わった翼がもう一度聞いた。
「そうですねぇ…ここからずっと東に行ったところに結構大きい街があります。そこへ行ってはいかがですか?冒険者ギルドもありますし、美味しい料理もありますよ。」
サリエルがそう提案してきた。
冒険者ギルドだと!?そうだよなあ。異世界と言ったら冒険者ギルドだよなあ。1度行ってみたかったんだよなー。行ってみるか。美味しい飯も気になるしな。
「翼、めっちゃ楽しみにしてるじゃん笑」
「…翼…子供みたい…かわいい…」
2人がニヤニヤしながら言ってきた。
「う、うるせー!行ってみたいもんは行ってみたいんだよ!」
翼は多少照れながらもそう言った。
「よし、まあとにかく、そうと決まれば行くか」
「でもどうやって行くの?さすがに歩きたくないよ?飛んでいく?」
「いや、飛んでいくのは、旅を楽しめないからな、俺の『創造』で馬車でも作るよ。」
「……もう驚かないと思ったら、何その万能スキルみたいなやつ。チートを超えたチートじゃん。」
「…翼くんは…チートの中のチート…」
「魔力ないのにそんなことも出来るんですね。」
「チートの中のチートってなんだよ。」
「魔力使う技もあるが、契約精霊である、エリとレイの魔力を使えるんだ。だからだよ。」
「そっか、私達もチートなんだね。」
「…レイ…チート…翼くんと同じ…」
2人とも訳わかんないこと言ってるし、レイはなんか嬉しそうだな。
「はぁ、訳わかんないこと言ってないで、ほら、行くぞ。」
翼が馬車を創造しながら、呆れたように言った。
「そうだね。」
「…うん…」
「旅…楽しみです。」
4人の旅が始まった。