25話 ドルガという男
「単刀直入に聞くぞ。…お前、ツバサは異世界から来た神々の使徒だな?」
ドルガから予想もしてなかった事を言われ、ツバサはフリーズした。
「.........」
「あの、もしもーし!ツバサー?」
エリやレイ、サリエル達も目を見開いて不動立ちしている。
「よし、しゃーない」
ドルガがそう言うと、立ち上がり、ツバサの隣にいく。
「もしもーし!!!」
ツバサの耳元で大声でそう叫んだ。
「ちょ、ドルガさん!」
ミラが驚き声を荒らげた。
「ッ!」
その普通の人間ではまず鼓膜が破れるであろう大きすぎた声にツバサが左耳をおさえる。
「ちょ、...何するんですか!」
「ハッハッハ!やっと戻ってきたか、すまんすまん。名前を呼んでも返事が無かったもんだから、つい、な。」
「あ、そっか...」
「もう、ツバサしっかりしてよー」
あたかも自分は冷静を保ったかのように笑いながらエリが言った。
「....エリも固まってたじゃん」
「あはは、だってしょうがないじゃーん。それに固まってたのはお互い様でしょー?」
「もう、2人とも静かに話を聞きましょう。」
うるさいエリとレイをサリエルが止める。
「そろそろ本題に入るぞー?」
「は、はい。」
ゴクリ...ツバサは息を飲む。
「もう一度聞くが、ツバサは神々の....エルの小僧の使徒だよな?」
―なんでその事知ってるんだ...?....ん?「エルの小僧」??
「そうですけど、、すみません、ドルガさんは一体何者なんですか?」
─ドルガさんからは何かエルに似た不思議なオーラを感じる気がする。もしかして、ものすごくすごい人だったりして、、
「ん?俺か?俺は剣神ドルガンティフォルだ。まあ、ここではドルガで通してるけどな。」
─やっぱり神様かよぉぉ!てかなんで地上に神様がいるんだ?
あー頭がおかしくなりそうだ、、
「あの、すみません。状況についていけてないのですが、、」
「まあそりゃそうだわな。じゃ、どういうことか教えてやるよ。」
─そこからドルガさんのちょっと長い話が始まった。
まず、ドルガさんは俺がこの世界に転生する前、エルに頼まれて地上に降りたそうだ。
そしてその頼まれた理由は、簡単に言うと、"俺"のためだそうだ。実は、少し前から俺がこの世界に転生してくると言うことが決まっていたらしい。また、俺にはエリとレイを授けると言うことも決定していたため、剣神であるドルガさんが適任ってことになったんだと。
おそらく、剣の技術とかを教えるためだろうな。
さらに、
「エルの小僧はな、今となっちゃ絶対神と名乗っちゃいるが、昔は普通の天使だったんだ。そして、あいつがまだ四大天使だったころ。剣神である俺に『剣術を教えて欲しい』と頼んできてあいつを弟子にしたことが俺らの出会いだったんだ。そこからは2人で修行したり、飯食ったり、楽しかったなぁ。あいつの成長スピードはとんでもなくてな、聖剣と魔剣もちょっと修行したら使えるようになってよ、それから........」
と楽しそうに延々と話すドルガ。
「すごく大好きなんですね。エルの事が。」
「ああ、まるで自分の息子みたいな存在だ。」
とても幸せそうな表情を見てツバサまで微笑ましくなりそうだ。