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第八十二話・人生の岐路で自殺を選ぶと話はそこで終わってしまいます


 ある病院を移転新築する。そこが公立であればありとあらゆる利権がからんできます。病院内の給食、売店、クリーニング、人材派遣……そして院外の調剤薬局も。

 そこは新規ということで新たに調剤薬局がまだ林立してない状態から土地を確保して住宅をつぶして創立しました。表玄関の方はさすがに東京一部上場の某薬局が手早く確保していました。でも起業したばかりの社長さんもがんばりました。たくさんの処方せんが来るのを見越して数か月前から薬剤師も医療事務も雇って、開店前から調剤の段取りなどシュミレーションしていました。なぜ知っているのかといいますと、そこに知人がいたからです。

「処方せんを受け取ったらどういう動線でやるかも決まっていた。数百人の患者の処方せんを応需する前提で動いていた」

 なるほど……私は新規開店の様子は知らないので興味深かったです。しかし患者に対し、特定の薬局に来局するようになど宣伝めいたことはしてはいけません。そこに至るまでの不透明な誘致に関することで嫌疑をかけられメディアに報道されました。すると……なんとその社長さんが翌日自殺してしまいました。

「えっ、うそ」 という感じです……。誘致に関与する不正なうわさは、うやむやになりました。それが目的であれば、おもいきったことをしたものです。命さえあれば、なんとかなったのですが、人生ここでがんばれば将来は堅実だと賭けたはずが、不正を疑われ絶望されたのでしょう。結局、中堅どころのチェーン薬局がその場所を買い取り名前も変更し開院に間に合って開局、現在に至っています。以下、社長の人となりの推測です。

 社長はまだ若く、挫折を知らなかったのはないかということ。一世一代の開局だと思っていたが不正な嫌疑がかけられた……さてどうするか、ではなく、首になわかけて死ぬ方を選んでしまった。私は社長が悪いとはまったく思わない。それよりも、グレーな行動を提案もしくは受け止めた側が何食わぬ顔で元気に過ごしているのが怖い。でも死んだらそこまで。

 やはり死にそうにつらい気分でいても、生きている方がよかったのではないかな……私はその社長の年令を越えてしまいましたが、親族トラブルでただ一人悪者になっている状態でつらいけれど、死んでは負け、今死んだら子はどうなるという思いだけで生きています。

 自殺はうやむやにされるだけで、長い目でみれば損な行為でしょう。未来を自らつぶしてしまうことに他なりません。つらいだろうのはすごくわかる。私も今その状態だから……誰もJの話を信じ切っちゃって私の話は聞いてくれないし……けれどね……死にそうだと思うたびに、この首くくっちゃった人を思い出してしまうので書いてみました。

 もちろん揶揄の感情はまったくなく、冥福を祈っています。ご遺族の人がこの文を読んだら怒るかもしれませんが、つらい時にこの事件を思い出してしまう私の捻くれ心をどうか許してほしい。


 



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