第六十四話・嘘はいつかばれる …… ⑨ ストレス
私の同居人がJを追い詰めるようなことはするなという。私は反論する。追い詰めたりはしていない。お金を要求もしていない。それなのに、要求した話になっているのに気が塞ぐ。私は相続税云々で長期にわたって嘘をついていたことを謝罪してほしい。長じてそれがため、金融ADRまでしたのに、結果は相手先もJをかばい、訴えた私の聞き間違え、勘違いであるような言い方までされた。相手先におけるJの権力の強さを思い知らされただけで終わった。
相手先もJの横領は知らない。私がなにも言ってないから。物証がないのに、伝聞だけでいうと名誉棄損になると忠告を受けているからだ。それが嫌だ。まだくやしい。まだ哀しい。
同居人は、いい加減にしろという。
私のくやしさを理解してくれないのかなと思い、説明しようとしたがわかってくれない。相手も逆になぜわからないのかとなっている。同居人の言いたい事は、叔母Jの元勤務先の横領が事実だとしても、今更何も変わらぬということだ。
「今はJの力が強いだろ。国会議員とちゃん付で話す人だ。時効もある。金融ADRでも、元の勤務先にまでJはかばわれている。元の勤務先も、議員たちもJが横領をしていたことを知らぬはずなので、Jは取り繕いに必死だ。だからこそ君は周囲から「数十年前の相続に不満のある恩知らずの姪」 として悪者になってもらわぬといけない。君はいいよ。しかし君の子供たちの将来に影響がでたらどうする気だ」 という。
私は愕然。
Jの完全犯罪はわかっている。Jを悪く言うのは私だけ。皆Jの味方……。犯罪者なのに、他人のお金を預かる仕事をしていたのに。物証はないというのは、Jにとってどれだけ有利か、Jはそれをよくわかっている。
力のないものは負ける……私はそれがわかってからJのことを考えただけで吐き気がする。Jの横領を最初に私に教えたFも。
Fも知らぬ間にFの実印を作られて勝手に使われたといって、Jの強引なやり方を批判していたのに、私が金融ADRをしたことで寝返った。
Jにかわいがられていたでしょ、海外旅行もおごってもらったじゃないのと諫めてくる。高価なバッグをもらったこともある。横領して培ったお金で財産を増やして買ったものだと思うとすべてが厭わしい。汚らわしい。例のバッグは実妹Zが欲しがったので使わずあげたがそれでよかった。
海外旅行の同伴は貯金者旅行で主催者のJTBからJと私は無料だと確認済みだ。それなのにJは、周囲にお金を出して連れて行ってやったと説明しているのか。金融ADRでも、Jは貯金者の一員であるので、単に参加されただけでお金は払っているはずですよと言われた。ということは、JTB職員のいうことは何だったのだろうか。
Jはそうやって若い時から肉親や勤務先に細かい嘘をついて生きてきたとしか思えぬ。ああ、すべてが厭わしい。Fまでも厭わしい。汚らしい。Fは意図的にFの夫、つまり義叔父にも私と会話させぬようになった。おそらく義叔父もJの横領を知らぬままJからお金を借りている。
また実母も嫌いになった。一応説明をしたのだが、それでも姉妹の縁は切れぬ。時効ならばそれでいいではないかという。
つい先日も母を受診させるために戻ったが台所にお米がある。聞いたらJからもらったという。あれほどJのことを私を騙した、大ウソつきだと罵っていたのにもう平気なのだ。もう母を含めた母の実家全員が嫌い。汚らわしいです。




