第六十話・嘘はいつかばれる…… ⑤ 伯母Jの隠ぺい □
以後は物証なしで横領前提での話です。時効ありで動きはしないが、警察には相談済みで記録にも残していただいています。
Jの横領隠しのために、母の実印や通帳は大いに活躍したと思います。亡き祖父母や未婚時代のFやGの分も。そして母の娘の私の分も。私の妹Zは絶縁していますので調査はしていません。ZはJを頼りにしているので、この顛末を知ったらなんというだろうか。
Jは結局誰とも結婚しませんでした。Hもです。いろいろな理由はつけていますが、横領の隠ぺいもあると思っています。横領で逮捕された人は、勤務態度がまじめだといいます。Jもそれがぴったりと当てはまる。Jは部下の面倒見もよかった。例の議員とも親しくそれを利用して就職のあっせんやいろいろな便宜を図っていた。J自身も縁戚や友人の子どもを縁故採用をさせている。そこのトップには昔から官公庁の天下りが就任する。
実はJはその一人と不倫の関係にあった。相手はJよりもずっと年上ですでに故人。でも彼は生前、Jが退職後に購入したマンションで二人だけで昼間に会っていた。同じマンションの階下にはZが暮らしているので二人で平日の昼間に部屋に入ったよと教えられる。だから私たち家族は「うわさは本当だったのか」 と思っていた。不倫だがJは独身だし、一人ぐらいは好きな人がいてもいいじゃないかと黙ってた。Jは社交的なのでその相手の奥さんとも仲良くしていた。今となれば若い時から横領をして堂々と定年退職まで勤務していたなら、そのぐらい倫理観なく平気でできただろうとも思います。
またその相手も不正なことをする人だったら二人だけで相談することも多々あっただろう。Jは定年後も非常勤で勤務していたし、途中でシステム化、パソコンのデータ化もあって証拠隠滅する機会はいくらでもあっただろう。
Jは私のことを令和元年七月にあった某葬式会場で「もう二十年以上前に死んでしまった祖父母の相続が不満でお金を要求されている」 と親戚一同の前で言ったそうです。私はその場にいなかったが教えてもらった。
私はJに対して相続税一千万円かかったといううそを長年にわたってついてきたことを、わびてくれと言っただけです。お金は一銭も要求していない。横領で培った汚い金なぞ欲しくない。それなのに、Jはそれを言った。そして親戚中がJの勤務先がJのいう讒言を信じている。みながそれを信じるなんて。
私はそれでこのエッセイを書いた。
前シリーズのイラクサの最初の方はJの横領を知らぬ頃に書いている。その時は私も事態を楽観しており、相手方支店長もJに対して不審があるので諮問をすると断言していた。しかし、その人は年度末に異動になった。それ以降、担当職員から諮問の予定はないと断言された。金融ADRの席にはその元支店長も出席し、諮問の言葉自体言った言わないの水掛け論になった。「聞き間違いだ」 という一点張り。相手方はJを通じて私が補聴器使用者であることをよく知っていた。
私は金融ADRさえすればJの通帳不正も判明するだろうと思っていた。まさか相手方がJをかばうとは思わなかった。誠意ある対応を期待をしていた私がアホだった。
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Jは横領の証拠がないことを頼みに、巨額のお金を入手したことを黙り、長じて私のことを遺産欲しさにお金を要求されて困ったという話にすり替えている。Jは同時期に田畑を売ってお金を得たことが隠れ蓑になり、バブルに乗じて土地の転売を重ねてお金を儲けたことになっている。ちなみにJの購入した土地は自衛隊練兵場など一般民間人なら売買の情報すらはいらない場所が多い。それが転売時には公共施設や地下鉄の沿線に全部ひっかかっている。役所の天下りの不倫相手やJと同級生の議員の情報もあったのではないか。
Jの周囲は誰もがお金に無知だったのでJは好きなように肉親の実印を操作できた。さぞや悔いのない良い人生だっただろう。私はそんなJを軽蔑する。
私はこんな話になっていることすら知らなかった。私は遠縁の顔役の人に相談したが、その人はすぐにJにこのことを報告し、「わけのわからないことを相談してきた女」 と称しているという。とても悔しい。彼らもJの横領を知ったとしてもまだかばうだろうか。Jと仲良くするだろうか。お金欲しさに私が狂ったことにしてでもお茶をにごすだろうか。その親戚もあくどい手を使ってその弟をだまし、土地や財産を総取りしたときくから元々Jとはお似合い。Jのことを相談した私が間違っていたと悔やんでいる。
Jは私に勝ったつもりでいる……親戚一同がJの嘘に騙されている。Hも当然Jの味方だ。葬儀以降HもFも母のもとにも寄り付かない。母の実家一族は全員がクソ。そういうこと。
そのためにJが必死に私を悪者に仕立てた。だから私の味方は誰もいない。




