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第四十八話・他人に振り回される人

 確たる意思を持たぬ人がいます。日々を穏やかに過ごせたらいい人。特に欲もなく、自然を愛する人。争うを嫌う人。日々の平和を有り難いと思っている人。ある意味幸せな人。でも世の中いろいろな人間がいますので、そういう善人に目をつけてつけいってくる。今回はEさんとします。以下はEさんのセリフ。


 ……うちに遊びに来られるの。居間にあがると帰ってくれないの。ご飯も食べていくの。それも毎日。嫌とどうしても言えなくてとうとう精神疾患にかかちゃった。家族に怒られてもなお、頼まれるとお金もあげてしまうの。印鑑もついてしまうの。頼まれると買ってしまうの……

 ……本当は私もあの人が嫌い。でも頼めるのはあなただけと言われると、かわいそうになるの……


 家族が弁護士をたてて追っ払ったのですが、精神科に通院するはめになったEさん。そういう毒を含んだあつかましい人間はいます。その結果、派生した恐怖や不安、焦燥感は、ある程度は薬で治せる。

 Eさんは、「どうして私はこんなに気が弱いのだろうか」 と自嘲する。

 私は的外れな言葉をいう。

「この世があなたのような人ばかりだと、戦争はなくて平和だろうね。犯罪は起こらないだろうね」

 Eさんは上品に微笑む。

「あら……ほめてくださってありがとう。うれしいわ」

 うーん。その反応も善人そのもの。悪人にとってはいいカモだろうと思う。そして私も過去厚かましい人に振り回された経験もあるので、もう一人の私がここにいると思う。

 精神科には悪人にメンタルをやられた人はいっぱい来る。そしてだましたり他人につけいる人は絶対に受診しない。悪人は精神疾患にはならず、警察の世話にならぬラインをわかっていたうえでカモにする。この世の不条理がここにもある。

 善人が騙されてカモにされ、大金を失ったケースもある。被害者であっても老人の場合、家族に同情されず逆に責められてボケが進んだ人もいる。これは相続問題もからむので被害者善老人あるあるかも。善人が悪人に対して気が強くなることは若い場合はありえるが、善人のまま老人になった場合は事件の解決自体を望まない。騙された自分が悪いからと。こうやって善人は死滅していくのだろうなあ……。

 逆に悪人を糾弾しようとすれば善人がやられる。詐欺やゆすり、たかりはよほどのことがないと、つまり、被害が大きいという確証がないと警察は動かない。業務でそういうことも知り得る場合があり、世の中の矛盾を痛感する。自分さえよければというこの世の中。まじめに働いて誠実に暮らしているのに、悪人に心身ともにやられる善人たち。


 現在、教師自体が集団いじめをしていた東須磨小事件が話題です。加害者は「いじめ解決担当教師」 。被害者は新入りの二十代教師。被害者は精神的に追い詰められて休職。

 いじめの証拠画像や動画まであり、胸が悪くなる。これが教師のすること?

 でも、こういうのって昔からありましたよ? ね? この事件が表ざたになって嬉しいです。これがきっかけで大人同士のいじめが抑制力を持つよう上の機関や国が率先して解決に導いてほしいと切に願っています。世の中の不条理は完全になくすことは難しくても、生きているうちに少しずつでも解決の糸口、窓口が増えてほしい。それから加害者の逃げ得もなくしてほしいです。厚かましい人が勝つ風潮をなんとかしてほしい。そういう私も気が弱いしなんの力もない。この世に因果応報はないのでこうやってネットのすみで細々と書くだけなの。










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