第二十三話・小動物を轢き殺してしまいました
自家用車を利用してあちこちに行きます。電車やタクシーも利用します。動くと何かが起こる。望み通りの結果もあれば、望まぬ、思いもよらぬ結果もあります。今回はイラクサのテーマ通り「望まぬ思いもよらぬ結果」 の話。不可抗力な話です。
メインの家で田舎暮らしをするということは、自然の一部と同居するということ。で、運転時は道路を使います。もちろん事故を起こすと一瞬で忘れられぬ思い出になってしまう。怪我をしたのはたった一秒であっても後遺症で一生涯苦しむこともある。だからより慎重に運転します。今回はそれにもかかわらず小動物を轢き殺してしまった話です。人間を轢くよりはずっとましな話だが……。
」」」」」」」」」」」」」」」」」
ある日の通勤途中に普通に運転して、雀が二羽ひらひらとこちらに飛んできました。羽をもつれさせるように飛んで見える。じゃれあっているように見える、兄弟かな、恋人かな、とにかく危ないので早く飛んでいってちょうだいな……あっ、ちょっと……と、思いきや、もう通り過ぎてしまった。
車内のミラーを見たらぺたんこになった黒いものが遠ざかっていく小さくなっていく……うっ……ま、まさか……。
過去、すずめやハト、カラスが車の直前まで近寄ってきたこともあるが全員飛んで逃げていた。さっと素早く。羽を使って飛んでいた。それなのに……いや、まさか……。
……そのまさかですよ。
私は急いでいるのにわざわざ車をUターンさせて引き返しました。その間も車は何台か通っています。小さなものが見事にぺたんこになっている。すぐ隣にも丸くペタンコになった物体がある……羽の中心にクチバシらしきものが……うっうっうっうっ……
……なぜ、よりによってなぜ……
人畜無害な鳥好きの私の前になぜ飛んできた? 遊びに夢中になっていたのか? 何も私の車の前に出なくとも……こんな私に殺されなくとも……うっ……この現実を見よ。
私が「鳥殺しになった」 のは間違いない。一生忘れられない体験をしてしまった。
タヌキを轢き殺した知人もいたが、あの時は車に急ブレーキを止めたにもかかわらずライトめがけて突っ込んで自ら轢かれにいったらしい。その時は私は彼女を「タヌキの自殺だよ」 となぐさめることができた。しかし私のスズメ殺しだって、二羽とも命を落とす直前まで楽しそうに遊んでいたから、罪悪感半端ない。
数年前にイノシシを轢いたときは車の助手席側のドアが二枚ともへこみ穴があいた。あの時は轢いたのではなく、ぶつかってきてそのまま、つまり生きたまま逃げて行ったから轢いてない。つまりイノシシは殺してない。逆に自損事故扱いになって大損害だった。車を買い替える羽目になった。
本当に事件っていつなんどき巻き込まれるかわからない。小鳥を二羽も轢き殺したので救いはないが、せめて人間でなくてよかったと思うしかない。
あの道路は使わないと、どこへも行けない生活路なので、事故現場を通るたびに私はスズメの冥福を祈っている。一生涯……。




