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第十一話、地図


 今回は某古戦場に行った時の話です。私は昔激戦があったという史跡を見て、思いを馳せるのは苦手です。でも一度ぐらいは行ってもいいかと思いました。その程度の興味しかなかったです。

 しかし一緒に行った人はそういうのが大好きな人でした。古戦場の詳細な地図、特に当時の合戦図みたいなのを持参している。資料館もあるのですが山も登って実際の戦地にも行く気満々です。

 誰もいないところに、ぽつんと「◎◎戦場跡」 と書かれた石碑やぼろぼろの木製の看板があるだけ……そんなところまで行きたくない……。私たちの間には歴史好きであっても、ものすごい温度差がありました。

 でも熱意におされてしぶしぶとついていきました。ついでに正直に言いますと私は登山もハイキングも苦手です。足を使うのは仕事、家事、そして踊るときだけでいい。

 テンションの下がった私に相手は「もしかして、歴史は好きでも地形や地図には興味がないのか」 と聞きました。うそをついても仕方がないので「はい」 と言いました。

 相手沈黙……私は歴史好きであっても合戦で誰がどこの陣地で南向きで当時の天気がどうのとか興味ないです。はじまりと結果だけあればいい。この相手は大の地図好きで古地図はもちろん、たとえば中国にも行ったことがないのに、三国志時代の地図を大事に持っている。一生行かないだろうシルクロードの地図まで持っている。一方この私は、昔の着物っていいよね、あ、そうだ、京都によってついでに変身舞妓しようよ、と提案する。その程度の歴史好きです。

 戦場の凸がたくさんついた地図を見て、南の方角に某城がどうのって、はっきりいって全然興味ない……私以外の歴史好きな人と行けばよかったのに、よりによって私と行くことになって気の毒に。


 で、別件の話です。

 例のその人をあることで道案内することになって、方角を間違えて行けども行けども到着しないという事態を招きました。怒られはしなかったのですが、その被害者はわりと遠慮ない言葉遣いをする人なので下記の言葉を頂戴しました。

「先日のこともあり判明しました。あなたは地図というものが嫌いでその上、かなりの方向音痴ですね?」

「……おっしゃるとおりです……ごめんなさい」

 絶交されるかもな事態ですが、奇妙なことにまだ細々と交流は続いていますね。有り難いことです。ただその言葉を言われた以降、私が道案内することは皆無になりました。


」」」」」」」」」」」」」」」

 

 私はいわゆる「道きかれ顔」 らしく、歩いていると◎◎はどうやっていったらいいですか? と聞かれます。自信たっぷりに言えるのはあまりなく、そこのつきあたりを右にといい、最後まで答えることができても、「大通りに出たらもう一度別の人に聞いてください」 と言います。念のためです。道順を知っても方向音痴を自覚する私としてはなるべく私による迷子被害者を少なくさせないといけないという老婆心です。





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