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外伝・天神 喰臥は平和主義者である

 まず先に断言をしよう。


 もしもダンジョン連合創設者であり支配神の使徒であり圧倒的な力を持ったこの世界の最強の一角である天神・喰臥がいなかったらばダンジョンの出現したこの世界は世界大戦を起こして世紀末となっている。


 少なくとも大地は荒れ海は汚染され、地上ではまともに人が住めずいつ魔物暴走が起こるかも分からないダンジョンの中で人が暮らすそんな恐ろしい世界になっている。

 人口は9割以上減少して強き者が全てを支配し弱者に人権などなく奪う者と奪われる者の2種類しか人間がいないそんな世界になっている。


 そう断言できる。


 だがしかし今はダンジョン連合によってダンジョンは管理され、裏ダンジョン連合によってダンジョン犯罪者等も抑制されている。

 もしも誰かが戦争なりテロを企てようとしてもダンジョン連合の世界に広がる情報網によりキャッチされ、すぐさま裏ダンジョン連合の暗殺部隊や特殊部隊によって壊滅させられる。


 そういう状況が出来ている。


 だからこそ世界は絶妙なバランスで成り立ちはしているものの平和であり。上手く回っている。


 それだけ天神・喰臥の功績は大きく偉大である。

 今の暮らしは天神・喰臥のおかげと言っても過言ではない。


 そんな天神・喰臥は誤解されがちではあるが平和主義者である。


 争いを好まず、平和を平穏を望み、善人が善人のまま幸せに暮らせる、優しい人が奪われずに優しい人のままでいられるそんな世界を作るべく活動をしている。

 だからこそダンジョン連合を作り裏ダンジョン連合を作り、世界の平和を安定を目指して組織を運営している。


 もちろんダンジョン連合を大きくしようと考えてはいるが。それはダンジョン連合が大きくなった方がより平和への活動に力を入れられるからという考えの元である。


 そして天神・喰臥は非常に組織のトップに向いている人間である。


 余程のことがない限り冷静沈着、合理的な判断も下すことが出来て、迷わず大の為に小を犠牲に出来る。

 それでいて優秀な部下だったり仲の良い部下にはフレンドリーであり、素の自分を見せたりもする。

 何かあった時自分が責任を被り部下を助けたことは数知れず。


 一部嫌っている者がいたり犯罪者上がりだったりして恐怖で支配されているものがいるものの基本的にはほとんどの部下からの信頼は厚く。天神さんの為ならば命など惜しくないという部下も少なくはない。


 そんな天神・喰臥が平和主義者になったのには彼の小学生の時の過去に遡る。


 理由はシンプル。


 中学生の時に先生に見せられた戦争のビデオがあまりにも恐ろしく怖かったからだ。


 そして平和が一番だと心の底から思ったからだ。

 人によっては下らないと思うかもしれない。でも天神・喰臥にとってはそれだけ戦争を怖いと感じたのだ。

 今の平和な世界でいて欲しいと願ったのだ。


 それ以来平和に対して異常な関心と行動を起こすようになり、周囲から少しうざがられつつもそこそこの人間関係を構築しながら生きていた。


 そんなある日、ダンジョンが出現して世界が変わった。


 平和主義者だった彼はダンジョンを憎んだ。


 何故ならダンジョンによって争いが生まれるのが目に見えていたからだ。

 もちろんそれが人間と魔物の争いならばまだ許容できるし、何とかなるが、ダンジョンという無限に湧く資源を求めて人間と人間が争うのを恐れた。

 そして天神・喰臥は賢かった。勉強という意味ではなく純粋に今ある状況から物事を判断し最適解を行動できる力が知能があったのだ。

 だからこそこのダンジョンによって人間が争い世紀末のような状態になる未来が容易に想像できた。


 それを心の底から恐れてすぐさまに行動した。


 行動内容は凄くシンプル。


 ダンジョンに入って自分が強くなって全てを止めてやろうと思ったのだ。それは凄く幼稚と取れるかもしれない。だけど何の因果か神のいたずらか天神・喰臥には圧倒的な才能があった。

 特に近接戦闘での才能が著しくいとも容易く魔物を殺せる程の才能があった。


 偶然な事、いや必然的に未発見ダンジョンを見つけた彼はそのダンジョンに迷わず入り魔物と戦って戦って戦って戦いぬいた。


 そうしてかなりの強さを得た後、ダンジョン内の最奥にて支配のスキルを手に入れることとなる。


 その後平和主義者実現の為に支配の力を使って政治家を支配し、自分を支援させて信頼できる仲間を集めてダンジョン連合を設立させる。


 支配の力を使い瞬く間にダンジョン連合を強く大きくさせて平和の為に様々なルールとマナーを作っていく。


 代表的なのは15歳以上は誰でもダンジョンに入れるというルールであり。

 これによりダンジョンという資源を独占出来ないようにし、誰にでも機会が与えられるようにするとともに入場の為にダンジョンカードを作らせるためダンジョンカードを通しての徹底的な能力管理と位置管理を可能とし、挙動不審だったりする場合は即座に捕まえられるようにしていることである。

 更に魔物暴走の抑制や起こった際もすぐさま対処出来るという狙いもある。


 もちろん。途中何度も躓いたり、ダンジョン国際連盟含む様々な組織からの嫌がらせを受けつつも、支配神に力が認められ使徒となり、圧倒的な力を持ってして全てを蹂躙、更なるダンジョン連合の飛躍と平和のための体制を作っていき今に至る。


 そんな天神・喰臥がもしも平和主義者でなかったら。もしも途中で死んでいたら、どうなっていたかという話をここではしよう。

 これはあくまでたられば話だ。


 だがしかし。何かしらの歯車が一つでもずれていたら起こった世界の話だ。


 そしてその歯車がずれた世界で主人公・上野・泰斗が迷い込む、もしくは別次元の上野・泰斗がいる可能性は十分にある。そんな話だ。


 まず最初にも述べた通り天神・喰臥がいなければ人類は9割が死に絶え大地は不毛な汚染された土地となり人間はダンジョンの中で暮らすそんな世界になっている。


 理由は至極簡単。


 世界がダンジョンという資源を求めて争いを起こしたからだ。


 ダンジョンが出現してから1年程でダンジョン国際連盟が出来上がり日本を含むほぼ全ての国が参戦する。


 その1年後に天神・喰臥の手によってダンジョン連合が作られて。日本を含むかなりの国がダンジョン連合に流れるとともにダンジョン連合と裏ダンジョン連合の力によって世界の均衡が保たれ平和な世界となる。

 これが正規のルートだ。


 だけど、ここでダンジョン連合が出来なかった場合はどうなる?


 答えは簡単だ。


 ダンジョン国際連盟が際限なく力をつけてつけて、肥え太り、そして欲をかき、内部分裂を起こして破裂するだ。


 ダンジョン国際連盟は急ごしらえで作られた組織であり、国々がダンジョンという資源を自由に自分たちの物にするべく作られた組織だ。

 最初の方はダンジョンがポコポコと様々な場所に出現していたため特に取り合いはなかった。

 だがしかし、とある時を境にほとんどダンジョンが出現しなくなる。といっても今まで出現したダンジョンからの資源で十分過ぎる程の利益と資源が享受されていた。


 だがしかし人間の欲とは制業出来ないもの、ダンジョンという宝の山に対してもっともっとと欲するのは当たり前であった。

 そしてダンジョン国際連盟が勝手に最もダンジョンが多い日本のダンジョンを他の国に分配をしろと要求を始める。


 もちろん日本は猛反発。


 しかし日本以外の全ての国は大賛成。


 そんな中、日本が他のダンジョン所持の多い国も分配したら自分はすると宣言。

 もちろんそんな要求を他の国が飲むわけはなく、激しい口論となる。


 激しい口論で済めば良かったのだが、そんなもので済むはずはなく、一部先走った国家が武力行使を行いダンジョン資源の乏しい国に攻め入った。

 そしてその武力行使は驚くほどの力を見せつけた。具体的にはたった一日で100人の部隊が国の首都を制圧し、その国のダンジョン全てを占領したのだ。

 普通ならばあり得ないと一蹴してしまうような恐ろしい話。


 だけどダンジョンを探索してスキルを獲得し人智を超えた力を手に入れた冒険者達にとってそれは簡単に出来てしまうことであった。


 それ以降、各国は冒険者達を使って国に攻め入りダンジョンを占領するという侵略行為を開始する。

 序盤は圧倒的に日本を含むダンジョン保有の多い国が優位であった。


 その圧倒的な力を持ってして様々な国のダンジョンを占領していった。


 そうして各国の間で大きなダンジョン的差が生まれた。

 特に日本はその中でも最もダンジョンを多く保有し。一躍世界の覇者となった。


 だがしかしそれを他の国は良く思わなかった。

 そしてそれを最悪な形で表現した。


 そう核だ。


 日本にダンジョンを占領された国々が協力して日本に向かって核を打ち込んだ。

 日本はこれを全て防いだ。

 防げるだけの力を持っていた。


 どんなに核が恐ろしい兵器であろうと、スキルを持つ冒険者の前では無力。


 空間魔法で異空間に飛ばすなり。消滅魔法で消滅させるなり。破壊魔法で破壊するなりとやりようはいくらでもあった。


 そうして簡単に核という最悪の脅威を退けた日本は大義名分を得たりと、更なる侵略を始める。


 各国はそれに対抗する為に同盟を結び始め日本VS世界という構造が出来上がってしまう。

 そんな戦いの最中悲劇が起こる。


 そう魔物暴走だ。


 それもほぼ全てのダンジョンが同時に魔物暴走を起こしたのだ。


 理由は簡単だ。

 ダンジョンの魔物を駆除しきれなかったのだ。特に深層部の魔物を。


 魔物暴走というのは基本的にダンジョン内にてポップさせる魔物が一定以上溜まってダンジョンの許容範囲を超えた場合に起こる現象である。


 もしもダンジョン連合があった場合の世界ではダンジョンの魔物は一般人含む大量の冒険者達にダンジョン連合が定期的に行う清掃によって魔物暴走はほとんど起きないようになされていた。

 仮に起きてもすぐさま対応の出来る仕組みが作られていた。


 だがしかしダンジョン連合のない状況だと話は違う。


 ダンジョンを潜るのは一部の人間のみであり。各国は資源を独占するため、もしくはスキルを一般人に与えることによって起こる反乱を防ぐために。ダンジョンに厳しい入場制限を行っていた。

 その為ダンジョン内の魔物はほとんど駆除されずに、深層には魔物が溢れかえっていた。

 だから魔物暴走が起こった。


 それも深層にいる最凶最悪の魔物達による魔物暴走が。


 その魔物暴走は全てを飲み込んだ。


 人間の生み出した文明をあざ笑うかの如く蹂躙し、喰らい踏み潰し不毛なる大地へと変えていく。


 もちろん人間はそれに対抗しようとした。


 でも出来るわけがなかった。


 何故なら戦える人間がほとんどいなかったからだ。

 理由はいくつもあるが。やはり大きいのは二つ。


 一つ目は資源独占の為ダンジョンに厳しい入場制限を行っていたこと。

 二つ目は戦争によって国外に人員を割き、また死なせてしまっていたことである。


 これにより世界はかつてない危機を迎える。


 特にダンジョン保有数の多い日本含む国々の被害は大きく。他の国に構っていられなくなり他国から撤退を始める。

 これ幸いとダンジョン保有数の少ない国は次々に自国の魔物暴走を鎮圧させると他国へと侵略を開始した。


 そうしてダンジョン保有数多い国が劣勢を強いられるようになり、戦争は更なる激化を迎える。


 そしてとある国が自国に核を打ち込んだ。


 理由は単純。魔物を制圧するためだ。


 魔物暴走によって一部国の一部地域は完璧に魔物が溢れかえり誰も何も出来ないような恐ろしい場所が生まれていた。

 そしてその場所では時間が経てば経つ程に魔物が増えてやがて他に地域にまで魔物が溢れかえるようになると予想させた。

 だから核を落とした。


 ある意味凄く合理的である判断であった。


 だがしかしこれは事態を最も最悪な道へと向かわせる一手であった。最も愚かで最も最悪で最低な一手であった。


 そしてこれによりこの世界が世紀末へとなるのが大幅に早まり核を落とした国はたったの1日で滅亡した。


 何が起こったのか?


 簡単だ。

 凄く簡単だ。


 適応したのだ。

 魔物が核に適応したのだ。


 生物というのは適応をする生き物である。

 そして適応の果てに進化を遂げる生き物である。


 魔物も例に漏れない、むしろ人間を含むありとあらゆる全ての生物の中で最も適応能力の高い生き物は魔物であったのだ。


 魔物は核が撃ち込まれた時にほとんどが死に絶える中。一部の魔物が適応反応を示し進化。

 自身の肉体で核融合を行う事の出来る最凶の魔物へと変貌した。


 そしてその身に核を宿しし最凶の魔物達は生存本能として組み込まれている人間を襲うという欲に忠実に従い。人のいる場所にて自爆をする。

 もちろんただの自爆な訳がない。核と同じ力を持った魔物の自爆だ。


 それ即ち核と同じである。

 いやそれ以上の存在だ。


 考えても見て欲しい、核が自ら意思を持ち人間を超えるスピードと体躯にて人のいる場所に突っ込み爆発する。

 悪夢以外の何物でもなく。そして誰が止められようか。


 更に悪夢はそれで終わらない。

 その爆発によって巻き込まれた魔物がいた場合はその魔物も核に適応して進化し。同じように自爆の為に走り出すのだ。


 そして人間はダンジョンという資源のすぐ近くに街を構えており、今現在魔物暴走が起こり、そこは魔物と人間の激戦区であった。


 もうここまでの好条件が揃ってしまえば誰にも止められない。


 魔物達は自爆を繰り返し。地上に残った全ての人間を滅ぼすまで止まらなかった。


 そして人間はそんな魔物達から逃げるために自らダンジョンに潜り隠れて生活をするようになる。


 そうしてそんな地獄の世界が1年も続くころには地上は人類が決して住めない不毛の大地に変わり。人類の創り出し発展させていった文明はほとんどが瓦礫となった。


 そして何の皮肉か、これにより世界の戦争は強制的に収束を向かえた。

 でも時すでに遅し世界は世紀末となった。


 これがもしもダンジョン連合創設者にて平和主義者である天神・喰臥がいなかったらば。もしくは彼が平和主義者でなかったらば起きた。いや。起きたであろう世界線のお話。


 そしてそんな世界にて一人の子供が生まれ、ダンジョン内にて暮らしていた時、起こってしまった魔物暴走によって自分以外の家族含む全員が殺されて。一人生き残った少年が魔物への憎しみと怨みを持ってして魔物の虐殺者となり。やがて死霊王へと至り世紀末の世界を救うのはまた別のお話。


 もしかしたらばあったかもしれない別の世界線のお話。

何でこんな話を書いたか?


シュタインズゲートという神アニメを見たからです。はい。すみません。

後本当に更新が遅れて申し訳ございません。リアルで色々とありました。

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