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そして世界は死霊神に気が付く

 日本で最も巨大な犯罪組織であり。日本の裏社会においてもっとも力を持った組織。

 明翫天竺に今、創設以来最大最悪の危機が訪れていた。


 ――――――――――――――――――


「いやはや。流石犯罪組織だけあって、今の所会う人合う人全員の魂が真っ黒だな」

 どこにでもいそうな普通の青年はそう謎に関心しながら独り言を呟いた。もちろん周りには生きている人間は誰一人としていない。


 普通ならば独り言を呟く少し変な人ぐらいなのだが。その青年の周りには何百人という人間が一切の外傷なくこと切れるという異常事態が起こっていた。


 更に場所も異常である。青年のいる場所は東京の地下にある巨大犯罪組織のど真ん中である。普通ならば殺されて終わりの魔境だ。

 でも青年は殺されるどころか、自分を襲いかかって来た犯罪者全員を一瞬で殺している。


 その青年の名前は上野 泰斗、ありとあらゆる全ての死と生を司る死霊神にして。今現在ふとした思い付きで日本の裏社会の首領になろうとしている価値観と感性を何処か遠くに置き去りにした化け物であった。

 だがしかしその思い付きを実行し、こなせるだけの力を持っていた。


 今現在。彼の眷族の活躍により国内にある半数以上の犯罪組織が壊滅され、次々と眷族にされている。

 もちろん中にはそれなりに強い犯罪者もいて。虹スケルトンや剣スケルトンといった彼の眷族を倒すような強者もいた。


 だがしかし。眷族同士で自由自在に転移することが可能であるために。そういった強者は死霊神の直属の配下にして最強の存在である四天王の力によってあっという間に制圧されて闇空間に放り込まれてしまう。


 また、眷族の中には死霊虫や影潜み等の極一部の例外を除きで誰も発見することの出来ないような隠密能力と追跡能力に非常に長けた眷族もいる為に犯罪者達はどれだけ逃げようが決して逃げられずに追跡されて。眷族同士の死霊転移で亡骸に変えられる。


 また。他の犯罪組織の情報も殺した犯罪者を眷族にすることにより支配して自由に情報を引き出せるために非常に効率よく集められていた。

 集まった情報も眷族達のネットワークに逐一報告され、その場所に一番近い眷族が向かう事によりタイムロスもほとんどないようにスムーズな殲滅が可能となっていた。


 おそらくではあるがあと2時間もしないうちに国内全ての犯罪組織が潰されて全員が死霊神の眷族にされるだろう。


 それはある意味では良いことかもしれないが、一切の遠慮なく行われた行動は日本の政府はもちろんのこと各国のスパイや冒険者は当たり前のように気が付いている。

 そして彼らは自身の仕事と命の為に情報を集めた。集めた上で情報を照らし合わせて理解してしまった。そう上野 泰斗という個人の持つ力に対して。

 理解しなければ幸せだったのだが。知って理解をしたら最後彼らには圧倒的な力を前に恐怖をするしか出来なくなってしまった。


 それもその筈。上野 泰斗という人物は今現在個人で国一つの裏社会、それもダンジョンが最も多く世界で最も強い冒険者達が多い日本のを数時間足らずで全て塗り替える力を持った化け物なのだから。


 もしもその力が気まぐれで国に降りかかればどんな国だろうが成すすべなく崩壊させられるだろう。


 これには様々な理由があるが。その中でも大きなものは彼の力は群であるからだということだろう。

 何万・何十万という大量の眷族。

 しかもその眷族1体1体が熟練の冒険者と変わらない力を持った上で全員記憶を共有出来て全員が自由自在に転移が出来る。


 ようは自分の攻めたい場所に自分の眷族を放ってさえおけば。いきなりその場に何十万という軍隊が出現して蹂躙をした後、跡形もなく転移して逃げれるのだ。


 こんな存在に誰が対処出来るというのだ。


 そして世界は上野 泰斗という人物に注目を始める。


 一度は上野 泰斗に恐怖をし、思考を停止したスパイ達や冒険者達であったが、特にスパイは愛国心という矜持から心を持ち直して。上野 泰斗の対策と対処を考え。本国に応援要請を送った。


 彼が利用出来るのか?彼は善良なのか?彼の思想は何なのか?彼は人類に敵対してるのか?彼の正体が何なのか?彼は仲間になるのか?彼の強さの底はどれだけなのか?彼の趣味は何なのか?彼に弱点はあるのか?彼は・・・・・・・・


 上野 泰斗という突如現れたと言っても過言ではない圧倒的な力を持った存在に対して皆、様々な疑問が溢れ出され。

 各国はそして一部目ざとい冒険者達が上野 泰斗なる人物を調べる為に行動を開始した。


 そしてその先にとある国が家族という名の逆鱗を触れて地獄を見るのはまた別のお話。


 ――――――――――――――――――


 そんなわけで今絶賛話題となっている上野 泰斗は少し飽きていた。

 何故ならせっかく意気揚々と乗り込んだ犯罪組織・明翫天竺が思った以上にしょぼかったからだ。


 全員死ねの一言で終わり。魂は皆まっ黒だから良心は一切痛まないし。良いことをしたと思えるが、それでも手応えのある敵と戦いと思ってしまうのが本人は否定してるが根っこの部分が戦闘狂な彼の本質である。


「ヒイ、ば。化け物~~~」

 1人のスキンヘッドが自分の仲間達を死ねという言葉だけで殺していく人の形をした化け物を見て。泣き叫びながら逃げようとする。


 しかし逃げようとした先には件の化け物が待ち構えていた。


「おいおい。化け物ってのは酷い言い方だな。まあ否定は出来ないけど。さて、じゃあそろそろこの無駄に広い地下を巡ってボスを探すの飽きたんで。お前を使うは。というわけで死ね。そして死霊生産」


 その瞬間。さっきまで泣き叫びなんなら少し漏らしていた男は真剣な顔つきとなりさっきまで化け物と罵っていた相手に深々と頭を下げて跪く。


「分かりました。主様。そのご命令この命に代えましても果たして見せます。では私は前のボスの所にいきますので主様の好きなタイミングで転移をお願いします」

 スキンヘッドの男は跪いた状態でそう言う。


「オッケー。じゃあそういうわけでよろしく」

 やけに軽い感じでそう言うと彼は闇空間の中からライトノベルを取り出して読み始めた。


 10分後


「やっぱりライトノベルはいいな。特にこの本は良かった。漫画喫茶で読んだ漫画の外伝小説だったのだが。いやはや神がかってましたね。凄い満足だわ。もうこのまま家に帰ってグウタラしていいかな?何か急に面倒くさくなってきた」

 闇空間から出していたゲーミングチェアに座って周りながらそう一人呟く。


 その時だった。それに反応したかのように彼の眷族から念話が来た。


【主様。元ボスと今現在会話中です。主様のタイミングで転移をお願いします】


「せっかくだし、明翫天竺の首領を俺の眷族にしてからでいっか。一応犯罪組織全部潰して俺が裏社会の首領になろうって計画を立てたわけだしね。まあ、計画って呼べるほどの物じゃないかもだけど。まあいっか。じゃあ死霊転移」


 ――――――――――――――――――

 そして死霊の神が転移、いや降臨した。


「死霊転移っと。さてさて。こんにちは俺が侵入者ことお前を殺す者だよ。一応よろしくね」

 せっかくなのでおっちゃらけてそう言ってみる。

 まあ、威厳たっぷりなのも良いけど。そういうのは疲れるし素が一番だよ。


 さて、で。明翫天竺の首領さんはどんな人かなって。

 うん。アレだな中二病感溢れる人だな。服装が黒色のコートで上半身に鎖みたいなの巻き付いてて腰に大量にナイフを携帯させてる。絶対にそんないらんだろう。

 確か道中眷族から聞いた名前は明翫 六道だっけ?一応容姿とかも中肉中背の長い黒髪で中性的な顔立ちだから聞いたのと一致するな。

 で、肝心の魂の色はどうかなって?


 うわ。


 凄いな綺麗に灰色だな。


 善も悪も両方を満遍なくやってる魂だな。

 初めてみたかもしれん。


 そうして俺が珍しがっていた時だった。


「伏して伏してお願いいたします。どうかどうかこの私を。私目を貴方様の眷族の一員に加えさせてくださいませ。それこそが私の生まれた意味であり。私の存在理由であります」


 いきなり明翫天竺の創設者もとい明翫 六道が俺にそう言って土下座をしてきた。


 うん?

 一体全体何がどういう状況だ?

 いやマジでどういうこと?


「おいおい。お前、明翫 六道じゃないの?この組織の創設者の?何で初対面でいきなり土下座してるの?」


 今現在俺の頭の中は?マークでいっぱいだ。なんなら?マークがパレード開いてるよ。


「それはもちろん。貴方様のお力が圧倒的であるからでございます。私は貴方様を見た瞬間に理解しました。嗚呼神だと。貴方様こそがこの日本をいやこの世界を統べる神だと。私はつまらないちっぽけな愛国心を持ってました。そしてそれに従い生きてきました。だけどそれは間違っていました。私が付き従うべき存在は貴方様です」


 ・・・・・・・・・・


 は?これ以上俺を困惑させるな。

 マジでコイツ何がしたいの?しかも魂見たけど本気でいってる感じだし。


「いや、ちょっと何を言ってるのか分からないのだが?」

 俺は心の底からそう思ったのでそう言い放ったのだった。

 後悔はしていない。

 だってその通りなのだから。


 ――――――――――――――――――

 補足説明

 今まで上野 泰斗こと主人公は結構はっちゃけてはいますが余り大きくは認知はされていませんでした。(学園祭でそこそこ認知されてたけど)

 理由としては主に二つ。そこまで大きく目立つことをしてなかったこと。多少目立つことしても大体を眷族もしくは裏ダンジョン連合が片付けていたからです。


 まあ、もちろん。異世界転移で主人公が神になったから目を付けられやすくなったというのは多少ありますが、まあ、我ながら今回の件は各国に目を付けられるなと思ったのでこの設定を入れました。

 だって、一人で一つの国の犯罪組織を片っ端から潰してるんだよ。余程無能なスパイじゃない限りその異常には気が付くよ。

 因みに眷族達はスパイの存在に気が付いていますが。主人公が魂が真っ黒じゃない人間は殺すなと言っているので何もしてません。

 というわけで何処からのタイミングで主人公が海外旅行という名前の脅しにいったりする話を作る予定です。

 後は国際会議とかを開いて主人公の対応をどうするか揉めさせたい。そんでそれを全部主人公がぶち壊すか。ダンジョン連合創設者であり絶大な権力を持つ天神が仲裁させるかとかしたい。


 以上。

 作者としても要らない気がしてしょうがない補足説明でした。

 

ランキング入り目指して頑張っていきます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 自分はもう4年前からなろうを読んでいるのですが,とても面白くて3日でここまで読みました。話もなんだかんだで結構まとまっていて良かったです。 [気になる点] 話としてはとてもまとまっていると…
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