そうだ裏社会の首領になろう
高嶺さんとのイベントが終わった後。俺は次に何をしようか考える。
そしてふと。高嶺さんとのイベントで眷族にした犯罪者共を思い出す。
取り敢えず全員召喚して俺の目の前に呼ばせて跪かせる。
跪かせた状態でそれを上から眺めて軽い優越感に浸りながら。ふととあることを思いつく。
「そうだ。裏社会の首領になろう」
「いや。まあ何だ。裏社会の首領って凄くないか?カッコよくないか?そんでもって俺の力を使えば結構可能なんじゃないか。片っ端から犯罪者組織に凸して眷族にして、犯罪を止めさせつつも必要悪としてある場合はそこは許して。それを繰り返してある程度人数を集めてから適当に死霊神の使いとかでも名乗らせてってやっていけば。裏社会の首領行けるんじゃないか?」
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「何か普通に上手く行きそうだな。ついでにそうだな。眷族を動員させればもっと早く出来そうだな。これをすれば犯罪は減るわ。俺はカッコイイ二つ名を手に入れられるわ。最高じゃね?」
「という訳で思いついたら即行動だ。早速やっていきますか。あ、でも一応裏ダンジョン連合のお爺さんに電話をって、いや、そっちよりもダンジョン連合創設者の天神の方が良いかな?うん。そっちの方が良い気がするな。電話しようっと」
俺は闇空間の中からスマホを取り出して前交換した連絡先を使って天神に電話をかける。
「おう。上野君か。どうしたんだい?欲しいダンジョンでも見つかったのかい?」
「欲しいダンジョンとかは特にないです。ただちょっと。片っ端から犯罪組織潰して眷族にして裏社会の首領にでもなろうかなと思いましてね」
「ほう。なるほどね。それはいいね。いや私も一回やろうとしたことはあるのだが。まあ、見ての通り忙し身でね。断念してたのだよ。それを上野君がやってくれるというのならば大歓迎だ。凄くありがたいよ」
「そう言ってもらえるなら良かったです。じゃあ俺はサクッと眷族と共に裏社会の首領になる為に頑張ってきますわ」
「頑張ってくれ。もし何かあったら電話をかけてくれ、一応こちらで出来そうな物だったら処理をしておくよ」
「ありがとうございます。いやそれはありがたいっすね。まあ。そんな事態にはならないと思いますけど」
「ハハハ。確かに死霊神には余計なお世話だったかもな。まあ、何にせよ俺達は同盟を結んだ関係だ。もし困ったことがあれば何でも言ってくれ」
「あ。はい。じゃあ切りますね」
「ああ。またな」
「はい。また」
そして俺は電話を切った後に呟く。
「あれ?キャラ変わってない?」
と。
「俺の思ってた感じと違ったのだが。何というか話をする度にキャラが崩れてく気がする。まあいい意味でだが。うん。何というか段々と話しやすくなってる気がする。そんでもって俺に優しくなってってる気がする。これは仲良くなれたってことか?」
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「まあ。考えても分からんな。さて、じゃあ裏社会の首領目指して頑張っていきますか」
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そして死霊神の行動が始まった。
それ即ち犯罪者共の確実なる死を意味し、圧倒的な力に全員が殺されて眷族にされるという未来が確定した瞬間であり。それ以降の日本の犯罪率が大幅に低下するという未来も約束されたのであった。
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「取り敢えず、念話で眷族に今回の計画について伝えるか」
【眷族共。犯罪者を片っ端から殺して眷族にしてくれ。後はそうだな。せっかくだし戦力増強の意味もかねて強そうな奴がいたら、闇空間に入れとけ、俺が直々に眷族にするから】
【分かりました。主様】
何万という俺の眷族の声が念話越しに聞こえる。
うん。これなら思った以上に早く終わるかもな。
ぶっちゃけ俺が行動しなくても終わりそうだけど。せっかくだし、犯罪者潰しに参加するか。
でもどうせやるなら大きな組織がいいな。
【眷族。日本にある一番大きな犯罪者組織って何処だ?】
【はい。主様。おそらく明翫天竺だと思われます。東京の地下に存在する大規模組織であり。組織の人数は十万を優に超えており。保有している戦力としても最高クラスにあり、やろうと思えば東京を全て更地にすることすら可能だと言われています】
【おお。それは凄そうだな。よし。じゃあそこに行くわ?え?因みに誰か眷族おるか?】
【そう。おっしゃると思ってもう既に待機しております。もちろん明翫天竺に手は出してはおりません】
【流石。俺の眷族だな。仕事が早いね】
「さて、じゃあ死霊転移」
俺が転移すると目の前にさっき話していた眷族こと俺が前、何となくてで大量に創った、幽霊がいた。
この幽霊というのは、そのまんまで死ぬほど余っている精神強化のスキルの書と幽霊を倒した時に出てきてたらしい白色の粉を使って出来上がった眷族だ。
因みにこの白色の粉は超鑑定した所、幽霊の素というなんともアバウトというか大雑把な物が出てきた。使い道は今の所幽霊を作る以外にない。
まあ普通の人が飲んだら生命エネルギーが奪われて死ぬ毒薬みたいな使い方も出来るらしいけど。正味無条件でほぼ全ての生物を殺せる俺には塵と変わらん。
因みに眷族から話を聞いたのだが。どうやら闇カスダンジョンにもこの白色の粉もとい幽霊の素は出てきてたらしい、いやはや幽霊からのドロップ品はスキルの書と魔石しかないと思ってたけど。幽霊の素もあったとわな。眷族から聞かされた時は結構驚いたわ。
まあでも常識的に考えてこんな白色の粉がドロップ品とか気が付くわけがないだろうって話だ。一回の量も少ないし。風に吹かれたり踏んだりしたら霧散して消えるし。気が付く方が凄いわ。
まあ、そんなわけで創った幽霊という眷族なのだが。これが思いのほか使い勝手がいい。
まずこの幽霊、一部特殊なスキルを持ってない限り普通の人には見れない。
その上物理攻撃・魔法攻撃無効で。効く攻撃は闇か光。もしくは消滅とか虚無とかの特殊な力のみ。
更に幽霊なので建物とか透過出来て、スピードも異常なくらい早い、主な攻撃は精神攻撃で普通の人ならば簡単に発狂死させれるだけの力を持っている、俺はその力を使って人の精神を覗き見させて情報を収集させている。結構便利。
今回もその情報収集能力とスピードを生かして俺の役に立ってくれたというわけだ。
「おお。幽霊か。ありがとな。じゃあ俺は今から明翫天竺とやらに突っ込んで無双してくるから。一般人とかいたら邪魔なんで、保護してあげろ。あ、いや。そいや幽霊だったから保護は難しいって、普通に虹スケルトンでも剣スケルトンでも呼べばいいか」
「はい。そうですね。主様。私共眷族は主様のお力により眷族同士で自由に空間の行き来が出来ますので」
「ああ。そういえばそうだったな。じゃあそういうわけでよろしく」
「はい。分かりました主様」
そう言って俺に礼をする幽霊を他所に俺は明翫天竺という犯罪者組織を潰すために地下に足を踏み入れるのだった。
「さあて。楽しい楽しい。無双タイムの始まりだ」
俺はそう言ってにニヤリと完璧に悪役みたいな笑みを浮かべた。
高校を卒業しました。3年間、コロナというのがあり、行事ごとがほぼ全滅した辛い高校生活でしたが何だかんだで楽しかったです。いやでも修学旅行が潰れたのはマジで辛い。
物凄く感慨深く感じます。
思い返してみるとこの小説を書き始めたのは高校の受験が受かってからでした。何かこう懐かしさで胸いっぱいです。
こうして読んでくださってる皆様に今一同心の底からの感謝を。
本当に本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
というわけで更新頑張るぞ。エイエイオーーーーーー




