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グロイのは苦手です

「それで。誰にどう脅されてるんだ。言いにくかったら多少はぼかしていいから、ゆっくり話してくれ」

 とある喫茶店にて互いのテーブルに紅茶が置かれた状態で俺は高嶺さんにそう出来る限り優しい声で問いかけた。


「私は将来アイドルになりたいって思ってました。それで、ある日本屋に行くために街を歩いていたらスカウトに会って、それで、それで」

 そこで言葉が止まってしまう。高嶺さん。

 ただまあ。この時点でほぼ全てが察せた。

 ようは騙されて事務所に案内されて。18禁めいた事態が起きて。そんでそれをネタに脅されてって感じか。

 いや。普通に警察に駆け込めよって。まあ。普通の15歳、16歳の普通の女の子にそこまでの行動力を求める方が無茶かもしれんけど。

 

「何となく察した。そのスカウトさんに案内された事務所で酷い目にあったんだな」

 俺は出来る限り優しい声でそう言って泣いている高嶺さんの背中を撫でてあげる。流石に頭を撫でる勇気はなかった。


「はい。その通りです」

「オッケー。分かった。じゃあその事務所の場所を教えてくれ。俺が全部解決させるよ」

「ありがとう。上野君、・・・。私も、私も連れてってもらっていい?」

 何か想像の斜め上の事言われたのだが。


「それは別に構わないけど。どうして?」

「えっと。あのう。写真とか動画とか私の手で処分したいから」

 少しいやかなり恥ずかしそうに俯きながらそう言ってきた。

 あ~、なるほどね。納得したわ。まあ普通ならば危ないから待ってろってのが正しいのだろうが最悪死んでも生き返らせれるからな。それに俺最強だし。危ない目に合う事態にはならないだろう。というわけで連れて行っても問題はないか。


「うん。いいよ。じゃあ一緒に行きましょうか。というわけで案内してもらえる?」

「分かったわ。じゃあ、少し怖いけど上野君を信じで案内するわ」

「オッケー。じゃあ、案内よろしく」

 俺はそう言ってテーブルの上に置いてある紅茶を一気飲みしてからお金を支払い。店を出る。


 そして高嶺さんに案内されて、その事務所とやらまで一緒に歩いた。

 

 てくてくてくてくてくてくてく


 歩いているのだが。

 まあ、無言で気まずい。


 男友達とかオタク友達ならいくらでも会話は弾ませられるのだが。高嶺さんの今の状況を考えてまあ、無理だよな。

 結構気まずいが。まあしょうがない。目的地に辿り着くまで我慢しますか。


 20分後


 何とか気まずい沈黙に耐えつつようやく目的の場所に到着する。


「ここか?」

「うん」

 少し。いやかなり怯えるように頷く高嶺さん。それはまあ怖いよな。だって目の前に自分の最悪の元凶が存在してるような物だからな。


「どうする?俺一人で行ってこようか?」

「いや。大丈夫。私も行く」

 震えつつもしっかりと意思表明をする。

 どうやら意思は固いようだな。


「そうか。じゃあ一応危ないし俺の側からは離れないでね」

「分かったわ」


 そして、俺は堂々とビルに入った。


 入って感じは結構小奇麗で、どこにでもある会社って感じがした。


 受付にはそこそこ顔の良い女性の人がいて、こちらに営業スマイルを振りまきながら声をかけて来る。


「今日はどういった御用件でしょうか?」

 魂を鑑定してみたら白と出た。


 もしかしたこれは何も知らされずにただ受付をしてる感じか?少し確認をしてみるか。


「あ~。すみません。ここって何の会社ですかね?」

「ここは広告用写真や動画を撮影する会社ですよ?あ、そちらの女性。前、会社にモデルとして来てましたね?もしかして付き添いですか?」

 高嶺さんの事に気が付き優しそうな笑みでそう声を掛けて来る。

 これはマジで何も知らなさそうだな。


 そういえばラノベで読んだことがあるな。

 犯罪を隠すために敢えて受付に何も知らない一般の人を置くって話。多分その感じかな?


「はい。付き添いです。というわけで担当の人を呼んでくれませんか?」

 俺は無関係の人に危害を加える程、心が腐っていないので。穏便にすまそうとそう言う。


「担当の人ですね?確か貴方はアイドル関係で来てましたよね?」

「は。はい」


「担当は但馬ですね。今お呼びしますね。あちらの椅子でおかけになってお待ちください」


そうして俺と高嶺さんは窓際にある椅子に座って、その但馬さんとやらが来るのを待つ。


「ねえ。本当に大丈夫?」

 かなり心配した感じでそう呟く高嶺さん。まあ、心配はごもっともっだ。だって落ち着いて考えれば俺の力見せてないもん。

 口では強いと言ったが、高嶺さんからすれば同い年の男の子だもんな。


「大丈夫。大丈夫。俺最強だからな。悪い奴らなんて手すら使わずに言葉だけで倒しちゃうよ」

 敢えておどけた感じで緊張を和ませるようにそう言う。


「ありがとう。少し安心した」

「それは良かったよ」


「何が良かったのかな?どうも但馬です。ここではあれですのね。別室で話をしましょうか」

 後ろから話しかけられた。顔を見てみると。イケオジって言葉が似あう結構ガタイの良いオッサンで、服も紳士服で初対面だと何となく信用してしまいそうな雰囲気を持っていた。

 でも魂はまっ黒な完璧アウトな犯罪者だった。


「そうですね。そうしましょうか」

「え、で、でも」

 但馬の様子を見て、震えだす高嶺さん。まあそれはそうか。


「大丈夫。俺の側にいる限りは高嶺さんは絶対に安全だから」

「分かった」


「ヒュー。カッコいいこと言うね。まあ大人しくついて来てくれる方がこちらとしてもありがたいのでね。という訳で個室に案内するね」

 

てくてくてくてくてく


そうして個室に案内される。

パッと見た感じ明らかに防音性能の高い個室だった。非常に都合がいい。


「じゃあ。お二人さん。覚悟は出来てるんだろうな。特にそこのクソアマ、お前は後でマワすから覚悟をしとけよ」

 いきなり恐ろしく低いドスの聞いた声で怒鳴りだす。

 高嶺さんは怯えてるけど。まあ何一つ怖くないね。


「という訳で死ね」


バタン


そしてあっけなく死んだ。


「え?今、何が起こったの?何でいきなり倒れてるの?」

「いや。倒れたんじゃないよ。死んだんだよ。俺の力で殺した」

「え?死んだ?今の一瞬で。え?」

 目を白黒させて驚く。

 そして次の瞬間。


 ゲロゲロゲロ。

 オエーーーーーーーー


 盛大に吐いた。

 いや。普通に汚い。


「何で吐くの?別に血が出てたり。臓物が溢れたりしてないじゃん。寝てるのと変わらないよ」

 実際簡単に蘇生できるからな。

 俺にとっての死は俺がいつでも起こすことの可能な永遠の眠りについてるようなものだ。


「いや。な、何を言ってるの人が人が死んだのよ。それなのに。それなのに。何でそんなに平然としてるの?」

「は?何を言ってるんだ。そもそもコイツは死んで当然のクズだろ。そんでもって高嶺さんはその被害者だろ。喜べばええやん」


・・・・・・・・・


何故か沈黙が流れる。

おい。どうするんだよ。この状況。


バタン


いきなりドアが開いてまた知らないオッサンが来た。


「な。どういう状況だ。何故但馬が倒れてる。もしかしてお前の仕業か?」

 いきない入って来ていきなり怒鳴りだす。謎のオッサン。


「まあ、誰の仕業かって言われたら、俺の仕業だな。で?お前は誰だよ?」

「そんなことお前が知る必要ない。死ね~~~~~」

 叫びながらどこからともなく現れた刀で俺に斬りかかって来る。


 俺はせっかく敵が刀で来たので。漆黒剣を取り出して相手をしようと、漆黒剣を振るった。


 そして漆黒剣はいとも容易く謎のオッサンの刀をへし折り、そのまま肉体事スパっと綺麗に切り裂いた。


「キャアアアアアアアアアア。う、オロロロロ」


盛大に叫びながら高嶺さんは綺麗に吐いた。


「うわ。俺の服かかったんだけど?お~い。大丈夫か?高嶺さん?」

「い、今。人が人が。オロロロロ」

 うん。これは話にならない感じだな。

 つか、今の叫び声で人がぞろぞろと集まってきたな。


 さて、どうしましょうか?

更新が遅れてしまいすみませんでした。

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