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交渉?

「あ~。もしかしなくてもダンジョン連合創設者の天神・喰臥?」

「そうですよ。私がダンジョン連合創設者であり裏ダンジョン連合の支配者であり、実質的にこの国の支配権とこの世界の半分以上のダンジョンの支配権を持った存在であり、支配神様の使徒・天神・喰臥です」

 そう言って綺麗な礼をする。


「いや。紹介分がメチャクチャに自慢やな」

 ついツッコミを入れたくなったので入れてしまう。


「まあ、自慢してますからね。といっても、貴方だって似たような物じゃないですか?死と生を自由自在に操る死霊神であり、女体化して英雄イトという裏の顔を持ち、何万、下手をしたら何十万にも及ぶ眷族を従え、中にはたった一人で国と戦える化け物クラスの存在も多数抱え、異世界にて神をしている上野 泰斗君」

 いやメチャクチャに俺の事は把握してるやん。怖いって。


「よく知ってるな」

「まあ、私ですからね。さて、では交渉を始めましょうか」

 そして死霊神である俺とダンジョン連合創設者であり支配の神の使徒という異例の二人の交渉が始まった。


「まあ。いいだろう?で?お前の希望はなんだ?」

 俺は警戒をしつつそう問いかける。


「希望はただ一つ。互い同盟を結びませんか?」

 何か凄い穏便な案が飛び出てきたんだけど。

 え?同盟?不可侵条約とかじゃなくて?


「具体的な内容は何だ?」

 少し驚きつつも舐められたら終わりだと思ったから俺の持つ莫大な魔力を身体に纏わせながらそう問いかけてみる。


「そうですね。互いに敵対はしない。互いに出来る範囲であればある程度協力し合う。この二つですかね?どうでしょうか?互いにメリットがあると思うのですが?」

 相も変わらず凄い穏便な案が出てきた。

 あれ?コイツ俺を奴隷にしようとしてた奴だよな?

 一応今嘘感知使ったのだが。本当と出てるんだけど。

 というか特に俺の嘘感知に抵抗を感じなかったから多分コイツ敢えて耐性機能抑えてるんだけど。

 あれ?何か思ったキャラと違う。

 でも、ダンジョン連合創設者と協力関係ってのは俺のメリット相当にでかいんだよな。普通に有りだ。


「うん。分かった。その条件で同盟でも結ぶか?」

「お。結んでくれますか。いやはやありがたい」

 何か凄い嬉しそうな顔をしてくる。


「おお。そんな喜ぶとは思ってなかったが、でも?互いに出来る範囲で協力って言ったてお前にどんなメリットがあるんだけど?」

 俺が今考えた限りだと俺という最強と敵対しないってことしか思い浮かばなかった。正味それならば不可侵条約でいいと思う。

 なのに何故?同盟なんだ?俺はダンジョン連合を大いに利用してるし。同盟にこじつけて闇系統ダンジョン貰うつもりだが。俺が差し出せるものなんてたかが知れてるぞ。

 蘇生だって。別に蘇生班がいるからそこまで必要性も薄いだろうに。


「いやいや何を言うのですか。私にメリットメチャクチャ有りますよ。まず貴方という存在と敵対しない事。貴方の眷族を貸して貰えること、そして貴方のその蘇生能力と周囲の建物に一切の危害を加えずに出来る神の権能を使っての広範囲殲滅能力を使えることの四つです」

 なるほどね。まあ、そう言われると納得できるな。

 でも、何故コイツが俺の神の権能を使っての全員を殺すというメチャクチャな殲滅を知ってるんだ?それに俺が異世界で神をやってるってことも知ってたし。

 まさかあの異世界にてコイツは何かしらの力を持ってるのか?有り得そうだな。まあいいや取り敢えず幾つか断わりの言葉を入れるか。


「一応言っておくが眷族って言っても、四天王とかは貸すつもりないぞ。そんで蘇生能力の方は面倒だからあんまり多用はしたくない。それに俺の権能を使っての広範囲殲滅能力は確かに強いが一定以上の力を持ってる存在には効かないぞ。そんな技をこの世界で使う機会なんてのは物凄い大規模な魔物暴走か、戦争位だな。でも戦争に参加するつもりはないぞ。面倒だからな」


「ああ。そこら辺は大丈夫です。あらかじめこちらで決めておきました。そして上野君。貴方の負担もほとんどないものです。安心してください」

「は?どういうことだ?」

「まず貸して欲しい眷族は死霊虫か影潜みです。主に死霊虫をお借りしたいです。そして用途は他国の重鎮の監視や高位冒険者の監視に幾つかの人で管理するのが難しいダンジョンの監視です。次に蘇生能力はお借りした死霊虫や影潜み等の貴方の眷族の闇空間を経由して集めた死体を1月に一度こちらの指定した場所で一斉蘇生をお願いします。広範囲殲滅の方は特に使う予定はありません。私の失言です。気にしないで下さい」

 凄い丁寧に説明された。

 しかも、あれだな。この人、声が凄い丁寧というか綺麗というか、話の内容がストンと入って来る。ある種のカリスマ性を感じるな。

 それはまあ、ダンジョン連合創設者だし。当たり前かもだけど。

 でまあ、この人の提案は俺としてはかなり良い。確かにこの人の利益にもなるし、俺としても手間はほとんどないしな。

 あれ?思った以上に良くね?


「うん、分かった、それならば問題はない」

「それは良かったです。あ、では取り敢えず同盟を結んだということで。同盟記念としてこちらをどうぞ」

 そう言って5枚の紙を貰う。

 それを受け取って読んでみると、それはダンジョンの権利書だった。

 しかも全部闇系統ダンジョンで俺の強化や眷族の強化に使えそうな素晴らしいダンジョンだった。


「え?マジでいいの、ありがとう。いやこれは嬉しい」

「喜んでいただけて良かったです。それと一つお願いがあるのですが。この人たちを蘇生させてあげてくれませんか。捨て駒扱いは確かにしましたが。彼らも私の大切な部下であり、使える人材です。こんなところでミスミス失う訳にはいきませんから」

 あれ?何か思った以上に部下思い? 

 一応魂見たけど、結構綺麗だった。それはまあ、少しは大の為に小を切り捨てるという意思は感じたが、基本的には優しく自分の力に誇りと信念を持ち、それをこの世界の安定と平和のために使ってる。そんな思いが感じられる魂だった。


 あれ?良い人?

 いやまあ、俺を奴隷にしようとしてたけど。でもまあ、同じ目線で立てば、自由自在に蘇生出来る化け物が自分の手元にいないと怖いからな。気持ちは分からなくはない。

 いや、駄目だけど。う~ん、まあそこまで怒りの感情はないんだよ。


「分かった。いいだろう。というわけで蘇れ」


「あれ?ここはって喰臥様。申し訳ございません。任務に失敗してしまいました」

 禿げたオッサンが喰臥様に土下座した。

 うん?あれ?俺に忠誠を誓おうとしてなかった?まあ、いいんだけど。


「取り敢えず俺は上野君と同盟関係を結んだから。よろしくね」

「「「はい。分かりました喰臥様」」」

 俺が蘇らせたオッサンが全員、跪いてそう言った。

 いや。凄いな。やっぱりカリスマ性があるな。


「それじゃあ。上野君。今日は実に有意義な悔過が得られたよ。これからよろしくね。ただ今から私は予定があるので戻るが、死霊虫という上野君の眷族の貸し出しの件は後日こちらから使いの者を送るからよろしく」

「オッケーです。じゃあ死霊虫用意しておきますね」

「じゃあそれで、よろしく。一応報酬も渡したいから。欲しい金額、もしくは欲しいスキルやダンジョンがあったら、その使いの者に言ってくれ。用意しておくから」

「ありがとうございます。じゃあそういうことで」

「じゃあ、では、お前ら帰るぞ。転移」

 そうしてダンジョン連合創設者こと天神・喰臥とその他オッサン共は全員何処かに転移した。


 ――――――――――――――――――

 補足説明

 ダンジョン連合創設者はこれからもちょくちょく出てきます。

 そんでもってキャラがドンドン崩れてきます。

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