オッサン共に囲まれる
俺は今ダンジョン連合&裏ダンジョン連合のお偉いさん方に囲まれている。
理由?
それはもちろん俺が無条件で死者蘇生が可能だということが発覚したからだ。因みにここまで俺を連れて来たのは北先生であり。加藤先生によって俺が無条件で人の死者蘇生が出来るってのを聞いた裏ダンジョン連合の職員が北先生に緊急の連絡を入れて北先生の空間魔法で大変忙しいらしいダンジョン連合&裏ダンジョン連合のお偉いさん方を引っ張ってきて、急遽緊急会議が開かれた感じだ。
この間にかかった時間は驚異の10分。
いやはや仕事が早いな。
もちろん拒否しようと思えが出来たが。一応俺は今からダンジョン連合主催の合コンに行こうとしてる訳であり、何となくそれに恩を感じたのと。何だかんだで裏ダンジョン連合とは上手くやってるから、まあ暇だし来てやったって感じだ。
え?傲慢じゃないかって?それは神なんだし多少傲慢でもいいだろ。
しっかし、あれだな、思った以上に大袈裟な気はする。
俺の今いる会議室内では、テレビでもよく見るダンジョン連合のお偉いさんや。明らかに偉いですって風格を纏わせたオッサンや筋骨隆々で明らかに強そうなオッサンや禿げたオッサンがいる。
最後のは悪口か。でもなあ、そこまでか?確かに死者蘇生は強力かもだが。スキル蘇生もあるし。そんな大袈裟じゃなくても。
いや待て落ち着いて考えてみよう。俺の今の力と相手が把握してるであろう力を。そして死者蘇生が無条件で使えることの恐ろしさを。
まず俺は無条件で死体がある程度残ってさえいれば蘇生できる存在である、これは相手にも伝わっている。
流石に欠片も残ってないグチャグチャの死体は無理だと思うが。多分だが全体の5割くらいが残ってる死体であれば蘇らせれるだろうし。
死者蘇生ではなく眷族生産であれば、死体の1割でもあれば行使でき、その人の性格は変わるが。知識に能力は変わらない。むしろ強化される。ようはスパイとか犯罪グループとかが自殺をして情報漏洩を防ごうとしても俺の力があれば無効化できるってわけだ。まあこれは相手知らないけど、もしかしたら気が付いてるかもだけど。だって俺が死霊魔法の使い手という情報はあるのだから。
まあうん。そう考えれば考える程狂ったような力だな。
そんでもって世界征服という子度が考えるような妄言を実現できる力だな。
だって、俺が片っ端から人を殺しまくって俺の眷族として蘇生をさせればいいだけなのだから、そんで俺を殺そうにも俺の周りには四天王がいるし。まだその実力を見てないが100%化け物の漆黒竜もとい神喰竜もいる。
そんでもってもし、万が一、いや億が一に俺が倒れても無条件で蘇生するし。
うん。俺って凄いな。
いやまあ少し考えが脱線したな。
そうなると多分このオッサン共は薄々俺の力に気が付いている&そもそおも無条件の死者蘇生を餌にすればこの世界のほぼ全ての権力者に冒険者達を自由に操れるもとい頼みごとができるだろうから、それを危惧してるんだろうな。
それはそうだよ。死者蘇生なんてのは神の奇跡と言っていい人智を超えた力であり、犯罪者を使っての蘇生利用だって不足している状況なのだから。それが無条件でポンポン死者蘇生が可能な存在が現れたら、まあこんな風になるわな。
一応は納得出来たわ。
ようは、結論俺が何を言いたいかというとオッサンに囲まれて不愉快ってことだ。
支離滅裂じゃないかって?
俺もそう思うよ。
いいんだよ別に話は通じるのだから。
でまあ不愉快な理由と一つとして、まずこのオッサン共の魂がまあ、グレー。
何だろう。多分本質的にはそこまで悪い人ではないが。大を救うために小を捨て、利益のため不合理で不平等な事を平気で行う。
ダンジョン連合という組織の利益の為ならば多少の犠牲はいとわずって感じがする。何だろう俺に無理やり奴隷の首輪とかはめてきそうで嫌だ。もしそれしたら全員殺して眷族にでするか。まあ、ワンチャン妨害されて上手くいかない可能性があるし。下手に戦ってダンジョン連合との関係を悪化させたら最悪だけど。
いやはや。しかしどうしようかこの状況。
今の所何も起きてないんだよな。
ただ北先生に案内された部屋に入ったらオッサンがいただけ。案内って言っても転移だけど。そんでずっと値ふみでもしてるのかじっと見つめられている。
いやはや本当にどうしましょうか?
「貴方が無条件での死者蘇生の力を持った上野 泰斗君ですか?」
ダンジョン連合のお偉いさん、テレビでもよく見る。ダンジョン連合幹部の一人が俺に話しかけてきた。
「はい、そうですけど。私、いや俺に何か用ですか?」
一瞬敬語を使おうと思ったが。敢えてやめた、だって今この場で敬語を使ったら俺が下に出てるように思われそうだったからだ。
「それはもちろん、貴方に蘇生班に入って頂けないかという勧誘ですよ」
なるほど。そう来たか。まあ確かに無条件死者蘇生だからな。蘇生班に入れは当たり前か。だけど断る一択だな。
何故なら面白くなさそうだからだ。そして俺がそれをしたら世界のバランスが崩れそうだからだ。
だって考えてもみろ、もしも死んでも無条件で蘇生をしてくれるような化け物がいたら、死の価値が下がらんか、それはもちろん全部に手が届くとかは無理だけど、俺の一部眷族は死者蘇生が可能だし。あらかじめ眷族をその場所まで行かせておけば死霊転移で一瞬、もしくは眷族に闇空間に入れさせてので蘇生とかで簡単に死者蘇生が行える。
ダンジョンに潜ってる人たちは死んでも蘇れるからとかなりの高確率で今まで以上に危険に気を配らなくなるだろう。
そんでもって一度死を経験すると。人にもよるが次の死のハードルが下がり、これまた同じように危険への注意力が減る。
そうして人がダンジョン内で冒険者が殺されて魔物に喰われたら蘇生は無理だ。そういう事件が多発しそうだ。そしてその遺族や友人のヘイトは俺に向く。
何故なら人は何か都合の悪いことや悲しいことが起きたら自分のせいにするのではなく、人のせいにする生き物なんだから。
後は純粋にダンジョン連合の力が強くなりすぎる、さっきも考えてたが、俺の無条件での死者蘇生を餌にすれば各国の権力者にフリーの冒険者等々をダンジョン連合に引き込めるだろうしな。
今現在国家間のバランスは結構良い感じであり。下手にダンジョン連合の権力が増えると、それこそ国同士が連合国を作ってダンジョン連合と戦争を始めかねない。
うん。確実に面倒くさそうだな。
「普通に嫌です。では私は今から合コンに行く準備でもしようかなと思うので帰りますね」
俺はせっかくだしオシャレして合コンにいこなんてことを考えならそう言って死霊転移を発動させようとした。
だがしかし俺の死霊転移は発動されなかった。
「まあ、待てよ。小僧、もう少し話に付き合ってくれないか?」
禿げたオッサンが物凄いイケボでそう言ってくる。
まさかと思い能力を確認したらかなり強く。スキル【極妨害】という中々に面白いスキルを持っていた。俺の死霊転移はこれで妨害されたんだな。
さて、じゃあしょうがない、少し付き合ってあげますか。
まあ、なんだスマホで今時間を確認したがまだ12時にすらなってなかったのからな。暇つぶしだ。
「いいですよ。ですが、私は面倒な事は嫌ですし。誰々を蘇らせろって依頼ならば俺の眷族を通して受けますよ」
俺は素直に自分の気持ちを伝えた。その言葉を聞き何人かが不機嫌そうになる。その時だった。
「おい。コイツに奴隷に首輪を付けろ」
明らかに偉そうなオッサンが筋骨隆々のオッサンにそう言う。
うん、爆弾発言やな。馬鹿だな。
で、周りは止めに入らないと。いやはや多分成功したらラッキー失敗しても何とか出来るだろって思ってるんだろうな。
まあ俺の年齢は15歳、口で言いくるめれるとか思ってるんだろうな。
心の声とか聞けたら楽だが妨害のスキルで妨害される。面倒だな。
俺がそんなことを考えてる間に俺の目の前に拳があった。
どうやら筋骨隆々のオッサンは俺を殴って気絶させてから奴隷の首輪をつけるつもりっぽいな。
取り敢えず殺すか。
「死ね」
俺の一言で筋骨隆々のオッサンは倒れて、そのまま死んだ。
「「「へ?」」」
オッサン共から間抜けな声が漏れ出る。
「まず。一つお前らは多分大きな勘違いをしている感じなんで教えてやる。俺は世界最強の死霊神だから。お前らなんか俺の言葉一つで文字通りも生かすも殺すも自由自在だ」
何となく言えそうな雰囲気だったので、カッコよくそう言って決めた。
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補足説明
一応お偉いさんの周りにいるオッサンの何人かはかなりの実力を誇る偉い人であり、筋骨隆々のオッサンと禿げたオッサンはダンジョン連合の中でもトップクラスの実力を持つ実力者です。
ただ、主人公が強すぎただけでありダンジョン連合&裏ダンジョン連合のお偉いさんの予定としては圧迫面接みたいな形で自分たちが圧をかけて、蘇生班に加入させて後、騙して奴隷の首輪をつける予定が狂い狂った感じです。
何故わざわざお偉いさんが集まったかというと。まずそこまで集まってる人たちは偉くありません。
言ってる事が矛盾してる気がしますが。事実であり。今回集まってるのはダンジョン連合内では何か重要な案件が来た時に対処するダンジョン連合・総合対策課・対処部の幹部であり。メディアに顔出しをしていますが。本当にダンジョン連合内で力を持った最高幹部達は基本的にメディアに一切露出せずにダンジョン連合の管理をしているという設定です。
こんな情報を主人公が知ってる訳はなく、ダンジョン連合のお偉いさんと、(まあ多少は偉いが)勘違いをしたって話です。
裏ダンジョン連合も似たような感じです。
因みに一番あの中で偉いのは禿げたオッサンであり【極妨害】という非常に強力なスキルを保持し、交渉事や武力制圧において圧倒的な力を誇る存在です。
合コンは何処にいった。
因みに今回の話細部まで書こうとしたのですが。滅茶苦茶に長くなったのでやめてこんな形になりました。はい。




