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いよいよです!
思わず足を止めた
だってそこには居るはずのない人達が居たから...
「芽瑠!!なんでここに?!」
にやりと不気味に笑って
「迎に行く、といいましたよね?」
なんていうから少し鳥肌がたった
「そうじゃなくて...」
「GPSだよ」
俺の言葉を遮るように芽瑠の隣にいた男が声を発した
少しつり目で黒縁の眼鏡をかけたその男は続けていった
「驚かせてすまない、私は芽瑠の父だ。
君がクリートの世界へ飛び立つ勇者かな?」
俺はGPSと言う言葉に驚き話がなかなか入ってこなかった
彼はまた続ける
「概要を説明しておこう。
クリートの世界に持ち込んでいいものは3つだけ。
1つ目 腕時計
2つ目 懐中電灯
3つ目 楽器
また、衣服類はワープ時だけ特殊スーツに着替えてもらう。クリートの世界ではカスタマイズされるがな
おわかりかな??」
ずらっと長いセリフを一息で言い、息をふう...と吐き出しチラッとこちらの様子を伺う彼
...「勇者になれば願いが叶う」
芽瑠のその声が蘇る
(何がなんでも願いを叶えてやる!!)
「わかりました。」
俺は欲望に振り回されあっさりとクリートの世界に飛ぶことを決意した