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秘めた才能
「済みません!今日1日この現場を見て、感じた事あります。わし、恵比寿さんにまずお詫びしますきん」
「な・・何よ、やぶから棒に。そんな大きな声出さんでも聞こえるんよ」
恵比寿が、そう言うと、
ヤマチューは、
「自分の感じたまま言います。この店、古いもんと新しいもんが、融合しとって、今まで見て来た自分の感覚とは全然違います。まず、わし見たいな薄っぺらい図案は、全面取り下げますきん」
「あら・・ほなん簡単に自分の意見取り下げるん?ええか?山下。デザイン言うんは、自分の感性じゃ。その感性は、言うたらそれ自体が主張じゃきん、その主張を 取り下げる言うんは、あんた、あっさり負け認める事で?私等は、星の数程居るファッションデザイナー達の中で生きて来た。その主張取り下げるんは、あんた負け犬ちゅうて言う事じゃで?えんな?」




