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沢木の競翔
西条がびしゃっと話を切った。どうも西条はこの長谷川を嫌っているようで、何があったか分からないが、そう言う口調で会話を切った。不服そうな長谷川だったが、秋山、工藤を捉まえて又少し離れた所でその話の続きをやるのであった。
沢木不在が、そんな論争を巻き起こしていた。そして、当日・・やはり天候が悪く、現地は雨。中止が伝えられたのは午前9時の事だった。明日に順延になったものの、喫茶店に訪れるメンバーの顔は冴えない。明日になったら、殆どのサラリーマンは打刻が出来ない。鳩が戻る時間も分からないのである。
それに天気予報も、明日以降も回復すると言う予報は立って居ないのだ。
「あーーあ・・明日放鳩になったら、打刻出来んわなあ・・」
大半の若手が、時間を持て余したように言う。この日は同じような若手が喫茶店に集まって来た。
洋司は苦笑い。
「これもレースじゃわい。しょうが無かろがな。はは・・わしも皆と同じように心配ではあるきんどな」
ここに正論派のター君が居る。




