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沢木の競翔

 松本は、軽く笑った。

 これまで培って来た夜風系の使翔と、源鳩としての優秀な血を確立した松風号からは、絶対と言う言葉が存在し得ない世界にあっても、その期待が感じられる程次から次へと優秀な子孫が誕生していた。その自信に近い、松本なりの余裕が感じられた。


「それより、じゅん、お前じゃ・・吹田は敬遠するつもりかいの、この分では」


 沢木は振り向き、


「ほうよ。吹田は、断言する。わしの競翔感の中では不適格地じゃ。けど、今までやって来た歴史と、肯定出来る部分はある。そやきん、表だって反対はせん、昔見たいにはな。自分が参加せんかったらほれでええだけじゃきん。おいやん、次の300キロ大江八幡が勝負じゃな、1羽は、中でも超抜じゃあ・・松竜号と言う名前が、今わしの中に浮かんだ。それだけの器のある鳩じゃ。輝竜号、閃竜号とは異母兄弟とは言え・・正直、この松風号の系譜は歴史を変えるやも知れんな、四国競翔界の」


 松本は黙って聞いては居たが、静かな口調で

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