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沢木の競翔

「好きちゅうても・・今一番やりたいんは、鳩の競翔・・ほれから、音楽・・皆に似合わん言われるきんど、わし案外クラシックが好きだったりします、へへ」


 中根は、実に面白くなさそうな顔になった。つまり、そんな事を聞いたのでは無いと言う顔。この仕事をやるにあたり、自分の目指す方向、得意分野は何かとヤマチューに訊ねたらしい・・。

 ヤマチューは、しまったと言う顔になり、


「あ・あの。わしは、未だ自分ちゅうもん・・その分野において何が出来るんか、分かっとりません。そやきん、これから見つけたいと思うとります」


 中根は、


「わしな、社長に声掛けられるまで、自動車のデザイナーやんじょったんよ」

「え?自動車のデザイナー?ほな、トヨタとか日産の?」


 中根は頷き、

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