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沢木の競翔
「うわあ!又やられた・・凄すぎじゃあ・・松本さん」
夜風系が、又もやワンツーフィニッシュで圧倒した。分速1700メートル台の記録であった。この150キロレースも沢木の打刻無く、又この夜は、開函にも姿を見せなかった。秋山が5位に入賞。村本も8位に入った。とりが、11位と健闘はしたが、殆どタッチの差であった。他の順位は旧中予連合会の者が埋めた。林、岡村、多田、見浪、塩田と、100キロレースとは幾分メンバーが変わった。旭が20位内に 5羽入って居たが、これも30位内までは殆どタッチの差であった。
「来週はいよいよ吹田200キロじゃのう、真価が問われるレースじゃ」
山部が言うと、これまで全く入賞の無い白川系だが、本来の力を発揮しそうだ・・周囲は思った。
少し眉間に皺を寄せて、松本がヤマチューに聞く。
「どなんした?じゅん。姿が見えんで無いか。お前、知らんか?今日」
ヤマチューは、
「ああ、社長じゃったら、岡山県に行っとりますわ。現場ですきんど」




