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今日の一歩
「どこ行っとったん?」
由香里は未だ起きていた。
「うちは、隣の部屋に居るきんな、何時でも呼んで」
環は由香里を寝るように促したが、未だ今夜の由香里は喋りたそうな雰囲気。環は、由香里の担当とは言え、病院内で通常の勤務もこなしている。この数ヶ月、沢木が言うように、本当に気を張って頑張って来たのは彼女自身なのかも知れない。津島が今度は環の心配をした。
「沢木さん、無理は駄目よ。きつかったら、交代して貰うから」
「大丈夫です。師長さんこそ、他の看護師さんの指示もあるし、書面の整理も大変でしょ?」
津島はにこっとする。




