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燧灘競翔連合会

「ほんまに・・あんたは恐ろしい男じゃあ・・そこまでの考えはわしには至らんかったきんど、そなん事になったら、釉薬が流れとって雑に見えん事も無いきんど、この紋様は、国宝級になる。」


「まあ、推察に過ぎんきんど、わしはこれを持って帰る」


 こう言って、沢木は蔵に残った3点を、その鋭い視点で鑑定し、尚且つ宝冠堂の悪徳親父をたしなめ、更に、自業自得とは言え千林まで救った。もっと言えば、それは宝冠堂の親父まで救った事になり、どんな暗躍をしたかは知らぬが、山並のような物の価値が分からぬ男よりも、自分の力を誇示せんと言う、見栄だけの上野の手許に絵を渡したのである。それこそ、一挙両得どころか、全てが損も無く納得出来る形を、瞬時に思い浮かべ実行したのであった。恐るべし・・やはり沢木と言う男は・・。


 そして、再び由香里の近況にシーンは戻る・・。

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