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燧灘競翔連合会

 こうやって、神速の決定で一件が片付き、沢木は骨董屋に。手許には、幾重にも包装した大皿が添えられていた。骨董屋は、松山市銀天街にある一角にあり、構えもいかにもそれらしい風格を備えた、宝冠堂と言った。

 沢木が入店すると同時に、


「あ・・あんたは」


 店主が少し驚いた様子。つかつかと店内に入った沢木は、


「悪徳店主じゃのう、相変わらず・・山並さんとこのこの3点。どうせ業者に飛ばすつもりじゃったんじゃろ?ほんま、殆ど詐欺で?あんた」

「いきなり、久しぶりに顔合わせた思たら、詐欺者ですかい、沢木さんは、かなわんのう・・」


 宝冠堂店主、隈川安正は、その頭が禿げ上がった所を自らぱしぱし叩きながら、


「いやあ、はは。詐欺は山並さんじゃろう。盆を仕切った上山会とは、土木工事の発注で散々付き合いがあるちゅうきんね。千林さんも、もっぱら、はめられたちゅう話じゃわね」

「何か読めて来たわ・・・ほな、その骨董を安い担保で買い取り、更に上前はねたちゅう事かいな、あんたは」

「沢木さん、人聞きの悪い。あんたも相変わらず毒舌ですなあ、きひひ・・」

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