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燧灘競翔連合会
「山並さん、これ・・骨董屋は何ぼじゃ言うとりました?」
「ああ、それ、骨董屋の親父曰く、江戸時代の古伊万理の模造品で、1万円位じゃ言うとりましたわ。絵柄も何やら淡白で、そななもんはわしでも分かるきんど、大きさだけで飾っとったら笑われるとこじゃった、わはは」
わははは・・沢木も笑った。
「ほなん気に要らんのじゃったら、わしが買いましょか?」
山並は笑う。
「はは、あんたも物好きじゃのう・・構わんで。それでちょびっとでも施工費を安うしてくれるんじゃったら、1万円でも2万円でもな」
「おおきに、ほな買いますわ」
沢木はそう言い、その模造品の大皿を買ったのである。
そして、本題。沢木は施主の機嫌を損なわせる事無く、そして300万円の値引きを提示し、尚且つ施主の希望を最大限聞きながら、新レイアウトを提示し、工期も遅れる事無くスタートさせる旨を、この場で納得させたのであった。
白川とヤマチューを呼んで、沢木は自分の描いた新レイアウトを見せた。




