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燧灘競翔連合会

「おう、施工段階に入って、施主さんから変更の相談を受けた。そやきん、わしが直接話をする事になった。ええ機会じゃきん、見とけ、現場を」

「は、はい!」


 ヤマチューの眼が輝いた。

 昨日の合同訓練の結果を話しながら、沢木とヤマチューは松山に向かった。今秋のヤマチューの若鳩の出来は、まあ、標準的であろうと言う見方であった。沢木は初霜号系について多くを語らなかった。

 100キロレースは打刻しないとの事。ヤマチューだけ、その話を聞いたのだった。

 到着した場所は、敷地300坪はあろうかと言う土塀の立派な旧家であり、山並は県議会議長を務めた事のある大柄な、鼻が大きく精力的と見受けられる人物だった。旧家は、山林を広大に有した地元でも代々の資産家であったが、丁半賭博で家屋敷を失い、家具一切を含めて山並に売却したのである。話の節々に、どうやら納戸に眠る調度品が思うような値とならず、その為に予定していた改善費の捻出が厳しくなって来たようだ。それなら・・と、沢木は納戸を見せて貰う事になった。その間、白川とヤマチューは、改築現場を隅々まで見て回る事に。

 かなりの調度品はあるものの、確かに骨董品として特段の物は少なかった。恐らくそれも、博打好きの元資産家が担保として売り払ったものだろう。一応、値踏みした骨董屋の名前を聞き、沢木は何故か、にやっとしたのだった。

 そして・・中から一枚の大皿を見て、

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