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燧灘競翔連合会

 香月がにこにこしながら、


「先ほどの形容・・善さんにも、沢木さんにも当てはまりますね、ふふふ」


 3人は笑った。この類稀なる天才博士は、自分の師父のように沢木を慕っている・・?沢木も又、それは同様に・・善さんは眼を細めた。

 しばらく滞在して、香月は帰って行く。一体沢木と二人の間で、どんな会話が成されたのか、・・事務所に戻った。白川から電話が入る。白川は、2年前に沢木がある建築資材卸会社から引き抜いた35歳の中堅で、才能を持った人材である。


「どなんした?トラブルか?」


 電話向こうの白川の声が聞こえる。かなり苦慮している様子だった。


「はあ・・それが・・山並さん、今になってちょっと予算が厳しい言うて来たんですわ。もう材料も手配済み、内装業者の段取りも出来とりますきん。この時期の変更は厳しいと説明して、勿論ある程度は考えさせて貰います、とは言うたんですきんど・・」

「納得はして貰えんかったっちゅう事っちゃの?うん・・山並邸は、旧家を改造して現代風にアレンジした物件やったのう・・分かった。そっち居ってくれ。明日、わしが行く」


 そう言ってがちゃんと電話を切った沢木が、さっきのヤマチューの図案を眺め始めた。

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