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燧灘競翔連合会
「二人・・見とったら・・何か透明人間同士が揃うてる見たいやな、ははは」
沢木と香月は、顔を見合わせて笑った。
善さんは、沢木がヤマチューの図案を見てどう思うか、少し反応を見たくなった。
「・・これは?」
ヤマチューが3つの物件を自分に見せ、この世界で自分が通用するのかどうか、善さんに聞いた事を説明する。
「沢木、怒らんとってや?これはあいつなりに一生懸命に考えた事やさかいに。勉強の意味でや」
沢木は頷きながら、
「まあ・・こなな安物ばっかり揃えたら・・3つとも何ぼなんでもあかんわいのう・・。けど、逆な見方したら、出来るだけ安うあげてくれ言う施主さんには、かなり手は入れないかんきんど、工夫さえしたら何とかなるかも知れん。善さん、貴方が怒らんかったちゅうんなら、そこそこ違いますかいね、ふふふ」
善さんはしかし、
「いや・・思いっ切り怒ったろうと思うた。せやけど、ヤマチューは住む者の事を一番に考えとる。それだけは、褒めたらないかん、あいつの感性やろ。それに対しては怒れんかったわ」




