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燧灘競翔連合会
すぐ電話が事務所に入った。それは、白川が担当する、松山市の旧家リフォームの施主からであった。
顔色を変えて、白川は、彼も予想はしていたのだろう、事務所に顔を出した所を見ると・・慌てて出て行った。
ヤマチューは、善さんに
「社長未だ戻らんのですか?」
「あ、おう・・昼も過ぎたよって、もうすぐ戻んて来るやろ」
ヤマチューは、何か言いたそうに少し落ち着かない様子。善さんは、
「どなんした?何かわしに聞きたい事でもあるのんか?」
少し意を決したように、ヤマチューは持っていた大学ノートを善さんに見せる。
それは、3つの沢木の会社が、現在請け合っている物件に対する、ヤマチューなりの新レイアウトだった。それこそ今出ていった白川の担当する、山並邸。中曽根茶園 (40代前半の山根担当。非常に細身で、異様な風体をした変人と称される異能の人物)、畑田商店(恵比寿百合子 20台後半の元ファッションデザイナーの、煌びやかな顔立ちの新進気鋭の女性)であるが・・
善さんの顔が厳しくなる・・それは、プロとして眺める善さんの眼であった。そして・・




