燧灘競翔連合会
とりも頷いた。どんなイベントを又思いついたのだろうか?環の行動力は、父親譲りである。
相変わらず、喫茶店は盛況で、昼前には、とりとヤマチューが出る。会員達が次に集う場所はやはり松本の所であった。二人はそっちに向った。
一方、沢木を突然訪ねて来た香月の用件とは・・
三川整体師は、自分で店を構えず、フリーで家を訪問している。真っ黒の顎鬚を生やした異様な風体の人物であるが、知る者は知る整体師で、数多くの者が賞賛している。
沢木が善さんに連れられて来たのは、お大師さんと呼ばれる場所近くにある、陶芸家の所である。地元では有名なカニをモチーフにした三島焼き(モデル=二六焼き)と言う・・八重子と三島玲子は、この2代目三島焼きの陶芸家と、知り合いであった。
沢木は、
「ここはな、善さん、竹べら一本で、ろくろを使わんで実に写実的な技法で動植物を模写して焼く陶芸じゃ。これは、善さんの見学希望ではあるきんど、見るべき価値はあるわなあ。単に写実だけじゃったら、わしも各地の焼物見とるきんど、物が生きとるわ・・これは」
善さんと、沢木が中に入ると、何とそこには髭黒の見慣れぬ風体の異様な男と、今日は日曜日で忙しいであろう八重子と、何と勇次の母三島玲子が座っているでは無いか。




