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燧灘競翔連合会
「お姉さん、今日から店員になったん?」
知らない者はそう聞く。
「ありゃ、残念・・今日だけのアルバイトなんじゃわ」
「ええっ、ほやって、えらい慣れとるやん、この仕事。居ってや、ここ。楽しいになるきん」
「ほう?ほな、考えようかなー・ふふふ」
とりが少し離れた所で、苦笑している。
環の明るさは天性のもの。物怖じしないその性格は、接客業に向いていると思う。洋司も、奥からにこにこしながら環の応対を見ていた。
ヤマチューが入って来た。一瞬環の姿を見て、ぎくっとなる。
「あ・・ヤマチュー君・・あんた、今うち見て、ぎくっとなったじゃろ?」
敏感な環が言うと、首をすっ込めながらヤマチューが、
「あ・・いやあ、ほなん事無いです・・ほやきんど、何で今日?」




