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燧灘競翔連合会
連鎖は、あっと言う間に広がり、次の朝、喫茶店の洋司にも聞こえて来た。
「ああ!そうなんよ、じゅんさんが黒鯛倶楽部を解散した一番大きな原因は、腰なんじゃわ。どななスーパーマンじゃっても生身の体。あの人はそんな素振りを見せまいとするきんど、そりゃ、良う言うてくれました。本来なら、わしがせにゃならん事ですわ。済みません」
八重子も顔が曇った。
「私等・・命の恩人に、甘えてばっかりでそなん事も・・」
少し涙ぐみながら、八重子は電話機を回した。近頃少し夏バテか、じゅんさんが痩せて来たのでは?そんな心配をしていた八重子だったからだ。三島玲子が慌てて喫茶店に来た。
そして、八重子と奥で話をすると、洋司も加わった。店は未だ開店前の出来事である。
「よおちゃん、ちょっと玲子さんと出て来るきん、お願いします。モーニングの準備は出来とるし、今日は環ちゃんが手伝いに来てくれる言うとるきん」
「え・・環ちゃんが?それも、ようないわ(申し訳ないの意)」




