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燧灘競翔連合会
「その時は言うてつか。プロの写真家が居るきん、デザインも全部引き受けるきに」
「ほっほう・・浜。お前、じゅんとは幼なじみちゅう事じゃきんど、色々最近は付き合い深うなっとる見たいじゃわの、ほな・・ええ話したろか?」
「ええ話・・?」
土居は、浜田と少し離れた倉庫の方に行く。
そこで思いもかけぬ話が飛び出した。
「わしは、今でこそ呉服屋やっとるが、所謂マス男さんでの、旧姓は片山言うんじゃ。親は工務店をやっとった」
「へえ・・ほんで?」
「じゅんの兄が居ったん知っとるじゃろ?」
「あ・・知っとる。確か五色台の峠族言われとって、海、転落して即死したわいな。わしが中学の頃じゃった。あいつは、半年も誰っちゃと口利かんかったん覚えとる。それが、又わしは歯ごうて、ちょいちょい殴らっしょったわい」
土居は笑った。




