燧灘競翔連合会
「・・参ったです・・その通りです。8時前にやっと入舎したんじゃきんど・・わしんとこは、何時も短距離レースは諦めとります。500キロレース以降に絞っとんですわ」
訳を聞きたそうな5人に対して沢木は、少し厳しい眼になった。5人がちょっとどきっとする。
「朝の餌の時間・・ほれだけでも、レースは違う結果になるど・・何も競翔の順位だけでは無い。ほやきんど、永川君を例に出して悪いきんど、基本的に自由舎外は いかんと言うのがわしの発想。自由舎外は或る意味、鳩にとって自由で快適なんかも知れん。けど、飼うとんはレース鳩じゃ。やるなら屋上設置で広い鳩が休める所があるなら別じゃが、やるんなら半自由舎外が一番ええ。永川君とこからは、カントリーが近い。そこで零れた米を土鳩と一緒に喰いよん違うか?まず、一番危険じゃ・・落ちとる餌は、腹を壊す。土鳩は病気を持っとる。田の野菜には農薬がついとる。草も同じ事・・除草剤が掛かっとる。分かるの?言うとる事」
「は・・はい」
洋司もテーブルに座り、沢木の講義を聞く事に・・
「これからは、1時間早う起きて、餌は一握りで構わん。やってから1時間舎外させて、戻った鳩に餌やったらええ。入舎せん鳩はタラップ閉めてもかまん。その位の荒療治せにゃ、折角短距離でスピード持っとる、Vロビンソン系が泣くど・・佐野系と変わらん系統じゃのに・・」




