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燧灘競翔連合会
集まった中堅とは、永川「旧中」、夢野「東」、志川「東」、山口「中」、続木「東」の5名。日頃から殆ど目立たない彼等であるが、強豪連中の新血統の導入、成長著しい若手競翔家達に最近は押され気味であった。この5人は、温厚で大人しい面々揃いで、これも又1グループを形成してはいるが、沢木の所に今日集まったのには、やはり自分達の競翔を見直したいと言う意欲も感じられた。30代半ばから40代そこそこのメンバー達だ。やや髭の濃い眉毛も太いが、夢野が聞いた。
「沢木さん、今日はどの程度の時間に戻んとったら目安になりますか?」
沢木は、即答えた。
「6時放鳩やきんの、早い鳩で6時20分頃じゃろ?6時50分位じゃったら、ほぼ戻っとん違うんかいの」
それには、他4名は頷いた。続木が更に聞く。少し奥眼がちで細身の大人しい男である。
「30分も差ありますよね、先頭と後続・・その辺はどななんですか?」
これにも沢木は即答える。




