燧灘競翔連合会
「明日にでも、山全食品の社員一人こっちへ来て貰うきんな、八重ちゃん。まあ、かなりの助言してくれる筈じゃ。例えば、このソース。素材から丁寧に作っとるじゃろ?ここまで手間掛けたらやっぱり採算的には合わんようになる。ほんで、わしのアドバイス聞いてくれるか?定食を3段階の価格帯に分けるこっちゃ。どなんしても、素材を選びよったら原価は上る。2割増、今の価格、女性用のヘルシーメニューの2割ダウン。メニューのおおまかは変えんでも、その辺はプロじゃきん分かろうが?お客さんは良う知っとるわ。こなん美味い定食出すんじゃったら、喜んで客は集まって来る」
「はい!有難う御座います。よおちゃんと相談して、早速工夫して見ます」
八重子の明るい顔を見ても、由香里が順調に回復しているであろう事は、推察出来る。自分の娘、環が常時側に居るのだ。全く心配無い・・沢木は上機嫌で、善さんと楽しく語り合っていた。
昼の時間が少し過ぎた辺りで、客が少し減って来た。入れ替わりに燧灘競翔連合会の連中が集まって来た。洋司の「白城」は格好の溜まり場、情報収集の場となっ ている。それも結構、沢木は満足そうに頷く。今度は中堅の連中が沢木を囲むように座ると、善さんはヤマチューを呼び、藍川農場で今日残りを過ごすと、出かけて行った。




