沢木リフォーム会社
「藍川君、凄いヒントを貰うたのう・・その発想が違うんよ、この甲斐田さんは。どんどん増産して、会社の規模を大きいにする事を考えるんが、普通の経営者。又銀行も勝ち馬に乗れで、どんどん融資もするわいの。そやきんど、やっぱり時代に乗った頭でっかちで、中身すーすーのもんは消えて行く。この甲斐田さんとこは、 営業マンが料理を作り、レストランの厨房で実際に、アピールしたり、色んな要求を聞きながら、自社製品のアイデアにしとる。こう言う会社こそ地に足ついたと言うんじゃわ・。藍川農場でも勿論、甲斐田さんとこのたれを使うし、燧馬の繁殖、保存もやって行く。バターもまだまだこれからじゃあ。独自のもんも作らにゃのう」
「はい!」
藍川夫妻は力強く答えた。甲斐田は、ある程度現在の改築が出来て来た段階で、社員を数名ここに派遣すると言う。つまり、この藍川牧場の最大のオーナーこそが、甲斐田なのであった。
ここでも、沢木のスケールの大きい企業家としての才能は、どんどんその根を養っていた。
そして、新登録された燧灘競翔連合会は、正会員数178名、准会員数24名、賛助会員数9名でスタートしたのであった。




