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車椅子の少女

 鳩を子と呼ぶ由香里。そして、指差した鳩は、見事8羽中の2羽であった。松本が一瞬言葉を失った。まさか・・勘で的中など有り得ないと・・。


「どしたん?おっちゃん、違うとるん?うちね、この子とこの子を触った時に、体が柔らこうて、ほんで、他の6羽とちょびっと違う所・・目の奥が、深うて・・ほんで、一回目を閉じて、もう一回眺めたんよ。やっぱり、ちょびっと違うとった」

「・・・びっくりしたぞ・・わしは。何ちゅうことじゃ。絶対当たる筈無いきん、三島連合会の屋敷さんとこへ行って、種鳩貰うかのうゆうて考えよったとこじゃ。ほんに、びっくりしたぞね。由香里ちゃん、あんたは、競翔の神に選ばれた人間やったんじゃの。分かった。ほんなら、丁度雄と雌や。2羽とも未だ一回も子取りをしてない。2腹ずつ、順調に行ったら、秋レースから参加が出来るように、わしんとこで子取りをしたる。お母さん、由香里ちゃんは、勘が元々強かったんかいねえ?」

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