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沢木リフォーム会社

 沢木が続けて、


「まあ、言うたらトータル的な版下作業を、フィルム出力まで自動でやる仕事じゃわ。これによって相当な印刷精度が向上する。今の時代では最先端の技術じゃきん」

「あの・・私見たいな学の無い人間には・・」


 美咲が言うと、


「あかん、あかん。そなな考えはあかんぞな、美咲さん。人間最初から出来るもんや居らん。ほんで、最初から出来る訳無いと決め付けるんもいかん。どななもんでも、要は人間やる気じゃきん、浜やんのこの印刷会社改造にOKしたんも奥さんじゃったら、やって見んな、まず」

「はい・・」


 沢木の迫力に、美咲は気負された。それは、生きると言う事は何ぞや?心にどしんと響くように彼女には聞こえたからだった。夜の世界では、酒に酔った中年が、蝶よ花よとおだてては、時にはその表面だけの優しさに心がなびく事もあった。しかし、それは夜と言う世界だけの事、彼女の心は次第に荒み、どうでも良くなった頃、浜田が飲みに現れた。

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