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由香里と勇次

「うわ・・」


 妻鳥が眉を顰めた。松本が笑う。


「はは・・鎌足さんは、武道の達人じゃ。勿論寸止めするつもりで木刀を振ったんよ、ほんなら・・」


 今度は川滝が笑う。


「ほんなら、この沢木だっきゃ、微動だにせんと鳩舎をまだ凝視しとる。わはは・・流石の鎌足さんも、いよいよ呆れての、沢木に言うたんじゃ」

「何て?」


 妻鳥が眼を輝かせて聞いた。


「わしゃあ、剣道、空手、プロレスラー、力士、あらゆる豪傑と今まで対峙して来たきんど、沢木よ、お前は又違う意味でおとろしい豪傑じゃわ・・。これが真剣じゃって見い、真っ二つで脳天が裂かれとったとこじゃと。」

「わははは」


 3人がそこで笑った。

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